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「未来の知覚」を考える
文化は、存在しない物を人に見させてしまうほど、知覚に影響を与えることができるだろうか。(p.108)
地理学の大著「トポフィリア 人間と環境」(イーフー・トゥアン著、小野有五・阿部一共訳)を読んでいる。
「トポフィリア」という言葉と、人間の環境に対する情緒的な捉え方が本書では重要な論旨である。けれど、この著全体が大きな「人間たちの環世界」を記した文化の冒険譚のような、わくわくする驚きと喜びに貫
イーフー・トゥアン「トポフィリア-人間と環境」(1992)
"文化は、存在しない物を人に見させてしまうほど、知覚に影響を与えることができるだろうか。"(p.108)
トポフィリアとは著者の造語で、人と場所(環境)との情緒的な結びつきや愛着を意味する言葉。地理学や文化人類学の領域において、人間は環境に対して「主体的に解釈し、関わっていく」存在であることを示した大著。
そこに記述されているのは、時間と空間を超えた膨大な事例の記述。それぞれはまるで詩のよ
バシュラール「空間の詩学」意訳的要約(序論1〜3)
ガストン・バシュラール「空間の詩学」の序論一から三までの要約です。
序論自体は九まであります。
()は自分の解釈です。
序論
一
・詩的な問題を研究したいと願う哲学者は、
これまでの自分の哲学的研究の習慣を捨ててね。
考えを繋げたり積み上げたりしてるのは虚しいから、
イメージの中に没頭した方がいいよ。
・詩の哲学というのは、言葉から生まれる新しいイメージの中に
完全に没頭することだ