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バービー【映画レビュー】現代社会へのアンチテーゼ


評価(※超主観的)

斬新さ ★★★★☆
面白さ ★★☆☆☆
わかりやすさ ★★★★★


感想:日本ではまだ「家父長制」の理解・認知が足りないのでは

※以下ネタバレ無し

「バービー人形」で映画化しようとした発想がまず面白いなと感じた。
ワーナー・ブラザース配給の映画の中では、あのハリーポッターの興行収入を超えたというから恐ろしい。ただ、日本では公開時からアメリカほどは盛り上がっていなかった印象だ。
恐らく、日本ではバービー人形よりも「リカちゃん人形」の方が馴染み深いことも要因として大きいと思う。

この映画は一言で言うならば「現代社会へのアンチテーゼ」をバービーという可愛い世界を借りて痛烈なまま世に伝えた映画だと思う。
ネット上でも「究極のフェミニズム映画」などと言われたりするが、私はそれ以上に、監督(グレタ・ガーウィグ)や他製作者の現代社会への「怒り」のメッセージのようにも感じた
女性として生きることで感じる沢山の不条理。家父長制が未だ蔓延る世間。これらは既に「社会の問題」として議論されつつはあるが、「まだ解決するには足りない」と世に伝えたいように感じた。

日本ではアメリカほどの興行収入が伸びなかった。これには、各国の人々の間での家父長制やミソジニー、フェミニズムなどの理解や認知の自意識の差にあると思う。
(この意見は反対意見もあると思う。あくまで個人的な意見だ。)

この映画は基本「コメディ映画」であり、おふざけ映画だ。
コメディ映画としての役割を果たす存在が「ケン(ライアン・ゴズリング)」だ。このキャラクターが何よりもおバカかな笑える存在であり、映画を見た人はケンの言動に笑う。
ただ、この「おバカなケン(=現代社会の家父長制を模写)」を笑えるか笑えないかで映画への印象や感想は大いに変わると思う。

そもそも「現代社会の家父長制」や「ミソジニー」「フェミニズム」などの問題を観客が認知しているかしていないかで、この映画への理解度は大きく変わる。
日本人は男女ともにこの事実への議論も少ないと感じるし、そもそも認知していない人も多いと思う。
だからこそ「ただの可愛い映画」として見る人も多かったのではないだろうか。

※あくまで個人の意見です。ご了承ください。


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