階田発春

かいだはつはる/アイコン:お絵描きばりぐっどくん

階田発春

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階田発春スターターパック(2024.01.05更新)

ここでは、階田発春(一般名義)冴野イチ(ライト・R18・二次創作名義)の、比較的薦めやすい創作を簡潔に紹介していきます。 現在更新が活発なところひとくちBL(カクヨム) 最近参加をさせて頂いている企画で執筆した、小説の置き場になっています。BLなので注意。 短歌 https://x.com/orange_adabana_/status/1739827521632485766?s=20 最新の短歌は、短歌投稿サイト「うたの日」のマイページからまとめて読めます。 または

    • 2024/4/24 短歌や小説をずっと復讐の道具だと思っていた

      恋人と破局した。会って四か月だった。付き合った期間は更に短い。ものすごい勢いで失恋していった。 自分はどうすればよかったのか。自分がもっと我慢すれば、相手を許容すればよかったのか。 いや、相手だって大概じゃないか。向こうがこう言ってくれれば、ああいう行動をしてくれれば……。 頭の中で原因探しが続く。はたして、この脳内の無間地獄はいつまで続くんだろうか。 自分にとってこういうことは珍しいことじゃない。対人関係をひどくしくじった場合、「ああすれば」「こうすれば」をずっと考えるく

      • 2024/4/9 愛はヤバい

        砂糖菓子のようにきらきらした、それでいて空虚な20代の恋愛が終わり、ひたすら壁に向かってめりこんで歩く日々が何年続いただろうか。それは労働でメンタルをすり減らしたり、短歌や小説で青臭いことを書く日々だったが、それらがすべていまのどうしようもないほどの恋愛感情で上書きされていく……。 恋人からは「2回会っただけだよね?」と突っ込まれた。要するに早すぎる。これは怖いことだ。何が怖いかというと、自分はとても暴走する。一度欲しいと思ったものは手に入らないと気が済まないし、手に入れる

        • [文芸評]世界を変える強い力―作家としてのpha評

          三年前に買った『人生の土台となる読書』のこの文章は、今の今まで強く読み込んでいる。 phaの「頑張らなくていい」「働く以外の生活もある」という言葉で、わたしは逆説的にここまで必死に身を削って努力することができた。 それについて深く説明をするには、今から十年前の話をする必要がある。 当時、大学生だったわたしは、何をやっても上手くいかず「働けない」「馴染めない」「頑張ってもうまくいかない」に悩まされていた。 そんな中で、ネットで見た『ザ・ノンフィクション』のphaが出演した『会

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        階田発春スターターパック(2024.01.05更新)

          2024/3/9 母の愛、わたしの呪縛

          土曜日。実家にいる母と外出する。 すこし散策したあと、ショッピングモールのイタリアンレストランに入って、おいしいパスタを食べた。店内は騒がしくて、ときおり子供が泣く声が聴こえてくる。 「子育てって大変だね」とわたしは何気なく言うと、母は笑った。 「あなたもしばらくしたらわかるわよ」 母は、わたしがそのうち母親になって、子供を産むことを当たり前のように思っている。 わたしは優しい母のことを、母親としても好きだし、一人の人間としても好きだ。 書き手であるわたしは発達障害(自閉ス

          2024/3/9 母の愛、わたしの呪縛

          普段のメイクを雑に紹介する回

          会社員一人暮らしワーキングプア、収入かつかつ……といえども、やっぱりメイクは楽しいもの。 今回はタイトルの通り、メイクを雑に紹介しています。主にプチプラ~真ん中の価格帯が中心です。よろしくお願いします。 TIRTIR / MASK FIT RED CUSHION(クッションファンデーション) 大当たりでした。元は、母(還暦)から「スーパーで買っちゃったけど肌に合わなかったのよね~(^^;)」とおさがりをもらったのがきっかけ。母親からもらったおさがりのメイクでTIRTIRを

          普段のメイクを雑に紹介する回

          2024/2/18 性自認が怪獣

          幾度となく、自分の指を爪で刻み付ける。 爪による自傷行為は小さい頃からのくせで、なかなか直らない。 自分の指や爪を眺めてみると、出来た傷でとてもごつごつしている。女子らしい指とは言いにくい。 はたして、女子らしいとはなんだろうか。 素朴な人格として生まれて、「自分らしく生きる」を言葉通り受け取って、自分より周りの環境を曲げて生きてきたツケが回ってきたと、最近気づくことがある。「自分らしさ」より「社会人として」「女性として」生きるべきだと気づくのがあまりにも遅かったんだと思う。

          2024/2/18 性自認が怪獣

          [ライブレポ]1/28 メリー CONCEPT TOUR「10」[ガラDAY〜浅田地獄〜]

          千葉LOOK。それはコインロッカーがないライブハウス。 コートを預けるために、土地勘がない中でコインロッカーを必死に探した苦い記憶。ドリンク代はソフトドリンクだと400円なので良心的です。コーラごくごく。 当日のセトリはこんな感じ。 写真から見てわかるようにところどころ紙製の花が飾られて、ライブハウスの中はさながら異国のようでした。さすが浅田地獄。ちなみに紙製の花はガラいわく高額で売りたいらしい。 なぜ「浅田地獄」と言うのか知らない人に説明すると、ボーカルであるガラの本名が

          [ライブレポ]1/28 メリー CONCEPT TOUR「10」[ガラDAY〜浅田地獄〜]

          [雑記]今のわたしを構成する四つの窓たち

          物心がついたときから、ずっと四角い箱に閉じ込められている。鉄窓の向こう側にはかすかに外が見える。 窓の外は雨が降っている……ように見えるのは錯覚で、むしろ部屋の中のほうが水浸しであるかのような心象風景だ。きっと、外は新鮮な空気が流れているのだろう。でも、出られない。 こういう時、何を希望と呼べばいいのだろう? 窓の外にわずかに見える景色を、希望と呼べばいいのだろうか? 自分のほうが常に正しくない世界にいて、なにが間違っているか正しいのかわからない。 わたしにとって読書や音楽

          [雑記]今のわたしを構成する四つの窓たち

          2024/1/27 あなたが生きててほんとうに良かった

          2019年7月、京都アニメーション第1スタジオに放火し36人を殺害した罪などに問われている青葉真司被告が、死刑判決を言い渡された。 それについて深く語るべき言葉を持っていない。それほどまでに凄惨な事件だったと思う。ただ、被告は統合失調症の既往歴があった話が耳に残った。 監禁されて凍死した女性。「アイディアを剽窃された」と思い込んで放火した被告。 わたしは、その人たちと自分をうまく線を引くことができない。 わたしと同じように、精神を病んだり障害を抱えた人たちと関わったことがある

          2024/1/27 あなたが生きててほんとうに良かった

          2024/1/21 そぞろ書房で古本を渡しに行く

          1月。しんどい日々が続く。 業務において、前進している部分と上手くいっていない部分、後者が圧倒的に多いため、毎日自分の存在意義のなさにうちのめされている気分だった。 自分はいない方がいい。 日々、必死で耐え抜くような暮らしは、はたしていつまで続くんだろうか。 ◆ 『そぞろ書房』さんで、古本と交換してくじを引けるキャンペーンをやっていたので、なるべく状態の良い本を持って高円寺へ行く。 高円寺は面白い町だと思う。 なんとなく自分と毛色が似ているような、雑踏の人と歩いていると

          2024/1/21 そぞろ書房で古本を渡しに行く

          はつはるくん2023年下半期活動まとめなど

          短歌ユニット『未開フラクタル』結成 未開フラクタルは、わたしと瀬生ゆう子さんと埃さんで組んでいる短歌ユニットです。 一応わたしが主催ですが、瀬生さんや埃さんがスピーディーにアイディアを出してしっかり形にして下さるので、わたしは方針決めや調整、おおまかなまとめ、広報をしている立場になります。 言うまでもなく、お二人ともすごい歌人です。なので、自分も胸を借りるような気持ちで短歌を詠むのと同時に、お二人の良さを引き出して背中を押すことが出来れば、主催冥利に尽きると思っています。そ

          はつはるくん2023年下半期活動まとめなど

          2023年で印象に残った本・文章など

          ハンチバック(市川沙央) ジャンル分類不可能、障害者表象と私小説とわずかな恋愛小説の要素、どんでん返し。ラストに賛否両論があったようですが、わたしは「主人公が見たかった夢」と解釈するとすとんと腑に落ちた側です。 露悪的とはまったく思わないです。そして、「障害者について書いてくれてありがとう」とも思わない。正しい作家によって書かれた歪んだ小説という印象(あるいは歪まされてしまったのか)。 『ハンチバック』についてはこちらのnoteでも長文を書きました。 阿Q正伝・狂人日記(

          2023年で印象に残った本・文章など

          [ネタバレなし]映画「窓ぎわのトットちゃん」を母と見に行った発達障害女の感想

          登場人物 自分:診断済みASD(自閉スペクトラム障害)+主治医いわく「ちょっとADHD」(ちょっとって何!?) 母:わが子(自分)を発達障害者だとわからないまま育てた偉人 見に行きました。結論から言うと、内容はたいへん面白かったです。 全体的にクオリティが高く、笑わせるところは笑わせて、泣かせるところはウルッときて、メッセージ性がありつつ、子供でも大人でも楽しめる、万人に勧められる映画でした。ただし、見ている時(特に前半)わたしの胃はたいへん痛くなりました。 「トット

          [ネタバレなし]映画「窓ぎわのトットちゃん」を母と見に行った発達障害女の感想

          2023/12/12 間違った人間による正しい壊れ方

          「人と話すと緊張する」ー「あてはまる」 「いつも自信がないように感じる」ー「非常にあてはまる」 「自分はいなくてもいい存在だと思う」ー「非常にあてはまる」 とある場所でメンタルのチェックリストに丸をつけていた。解答がすすむにつれ、質問の内容も徐々に深くなっていく。 「仕事でミスをするとそれしか考えられなくなる」「いつも不安でそわそわする」「ここ一週間以内で自殺を考えたことがある」 それらにてきぱきと「はい」に丸をつけていく。もはや機械的と言ってもいい。書いていくにつれ、これ

          2023/12/12 間違った人間による正しい壊れ方

          2023/12/09 きれいごとの向こう側へ

          パートタイマー、契約社員の二年目の冬。 赤木智弘の『論座』での言葉をぼんやりと思い出しながら、スギ薬局で買い物をする。圧倒的に炭水化物が多い。その方が安くすむからだ。 よくここまで生き延びてきたと思う。ふつうの人なら一人暮らしを断念せざるを得ない収入だ。自分が生活できているのは、数々の不幸中の幸いと、様々なことを諦めてきたからだ。子供の頃はたくさん持っていたはずのものを、少しずつ捨ててきた末の現状がある。 自分はまず明るい老後は送れないだろう。 もちろん、よりよい『終わり』に

          2023/12/09 きれいごとの向こう側へ