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兎がほざく

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ショート•エッセイ、140字以内。毎日投稿、どこまで続く?
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#詩

兎がほざく1114

兎がほざく1114

自分の詩歌は言葉のサイコロ遊びだとひそかに悩んでいました。

自分は大真面目なのにどうも軽い。

しかし感情や意味の押し付けだけはないことに気づいて少し安心しました。

言葉をポンと存在させればあとは世の中のものです。

泣きながら吹いてもシャボン玉はシャボン玉です。

兎がほざく1057

兎がほざく1057

世の定めに逆らって逆らいきれないとき。

たとえば花のはかなさをどうすることもできなくて。

良識のさとしに抗うことができなくて。

愛の移ろいを予感して。

自分からあきらめるか、矢尽き刀折れた末か。

そこに歌が生まれます。

時よ止まれ、きみは美しい。

時が好き 【詩】

時が好き 【詩】

ぼくは時が好きです

戻らなくてよいから
進めなくても進むから
誰だって逆らえないから
時が好きなのです

時はぼくにも流れているのです
もちろんあなたにも

つぎの春だって
もうすぐなのです

兎がほざく892

兎がほざく892

無意識が剥き出しに露出した詩に時々出会います。

それは意味も言葉の配列も音の変化も関係ないものです。

ぼくは道で小石を拾って眺めるように付き合います。

そういう詩と、噛み合う必要のはじめからない会話をします。

詩がつるりとどこかに抜け出てゆくまで。

兎がほざく885

兎がほざく885

言葉が世の約束事のタガを脱してほとばしる時、作者は約束事から自由になるどころではなく奔流の中できりきりまいになります。

それは新しい詩といえますが作者の犠牲のもとに生まれたものです。

作者は何でそんなことを書き付けているか分からず、ただ助けてと思っているのです。

「土」の言霊 山形洋一著 【書評】 

「土」の言霊 山形洋一著 【書評】 

 著者は感染症等の専門家として国際協力に携わる傍らで長塚節の研究を続けている碩学である。

 この書物は長塚の長編小説「土」におけるオノマトペ(擬声語・擬態語)の語彙分析を通じその用例、音韻等の事例を詳細に紹介する。その分析を通じて、長塚とその作品の文学史における位置づけが読者の心象に形成されてゆく。

 わたしはこの著者の実証的プロセスが、『土』における農村の描写と方法的に通底すると感じている。

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兎がほざく🐇その136

兎がほざく🐇その136

ぼくは歩くのが好きだ。

独りで歩くのが好きだ。

都会のはじっこを歩くのが好きだ。

考えたり、無心になったり、何かメモしたりしながら歩くのが好きだ。

時には恋人と手をつなぐ想像をしながら歩くのが好きだ。

歩いている時だけは自由な気がするから、歩くのが好きだ。