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日々に溶ける
2022年9月13日 21:15
君とわたしはお似合いだった。どう見てもお似合いだった。やわらかくも凛とした強い君と、穏やかで素直なわたし。君に憧れていた。高嶺の花だった君が「読んでみてほしい」と突然本を貸してくれたあの日があったことは生まれてきて一番の幸運だった。あの日からずっと君のことを考えていた。返事が遅いだけいつも不安で、そんな自分が情けなくて勇気が出なかった。君にとってわたしは何者でもないと感じていた。それでも初めて手を
2022年10月11日 03:43
2029年、ある一人の独白。「私のお父さんは"芸能人"です。俳優です。私ははじめからお父さんがお父さんだったのでよく分かりませんが、名前を言えばいつも驚かれます。世間では"実力派俳優"と言われているみたいです。お母さんは女優でした。そこそこ売れっ子だったみたいで、今でも大勢の誰かがくれた手紙を大切にしています。お母さんは、結婚して私が生まれるタイミングで引退しました。大事に大事に育てられまし
2023年1月21日 20:12
僕は見たよ僕は見たよ あの暖かい光もうだめだと弱音を吐いた君が少しだけ微笑んだんだ僕は見たよ僕は見たよ あの美しい光君が君でいてくれたその瞬間 心が照らされたんだ2023年1月当たり前に存在させられてしまっている日々の中で、得体の知れない哀しみに苛まれていた。多分絶望ではない。分かっていることは、今わたしは生きているということと、いつか死ぬということ。そしてあの子もいつか死ぬらしいとい