ただ、隣にいてくれるだけの夜に救われることがある
その日、私は箱根発17:46の小田急ロマンスカーに乗って新宿に向かっていた。
日本に戻って半年ほど、がむしゃらに働いて、やっと自分の仕事も形になってきた。
本来ならこの1ヶ月は夫のいる国に短期で戻るために空けていたが、結局戻らないことになり、私は同じく仕事で忙殺されていた友達を誘って箱根に慰安旅行に来ていた。
赤く掻きむしった蕁麻疹が広がった肌に箱根の湯は染みた。
料理は美味しく、湯も景色も最高で、マッサージを楽しみ、私たちは完璧な独身貴族のような無計画箱根旅行を楽しみき