上田啓太

フィクションは https://uedakeita.hateblo.jp

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    人は2000連休を与えられるとどうなるのか?

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    カラッポの主人公 名作マンガ再々読

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最近の記事

日記:iDの導入とか

最近の変化は iD を導入したことだ。ペカペカしたカードだ。これをタッチしてコンビニの会計を済ませる。これまでは Suica で買い物していた。操作は同じだが、定期的に現金をチャージする必要があった。コンビニの ATM で金を下ろして、手にした紙幣をレジに持っていって、Suica のチャージをしたいと店員に伝えて、紙幣を渡してチャージしていた。無駄な時間だった。 もっとも、これはファミリーマートの場合で、セブンイレブンの ATM だと、店員を介さず機械だけでチャージまで完結

    • 日記らしい日記 3/3

      9月16日先日の日記で『金田一少年の事件簿』の犯人の二ツ名を「七番目のミイラ」と書いたが、翌日、目覚めた瞬間に「七人目のミイラの間違いではないか」と気づいて、検索して確認して修正した。 こうした脳の働き方は不思議で面白い。目覚めた直後に何かに気づく。私はよくこの気づき方をする。寝ている間に脳が仕事をしているのか。公開する前に気づいてくれよ、という話ではあるのだが。 夜中に近所を散歩した。真夜中の酒造工場の勝手口の灯り。じじいみたいな眼をした白猫が目の前を横切った。しばらく

      • 日記らしい日記 2/3

        9月2日気温低下。外は雨。部屋着を長そでに変更した。先日のコンビニ傘を持って外出した。新品のコンビニ傘は美しい。数日前と同じ場所に同じネジが落ちていた。雨に濡れて水滴をつけていた。こうして錆びてゆくのだろう。 大通りに出た。かき氷屋の前には行列ができていなかった。暑い日は冷たい氷が売れるが、雨の降る日には売れない。商売の原初といった感じだ。すれ違った男子大学生のTシャツにDANGERと書かれていた。隣の彼女は腰骨の位置がわからなくなる長いスカートを履いていた。 コンビニで

        • 日記らしい日記 1/3

          8月20日路上にセミが落ちていた。もうすぐ夏が終わる。蛍光灯カバーの中で死んだ小虫たちをゴミ箱に流し入れた。墓標は立てない。 これまで長く日記という形式で文章を書いてきたが、日記らしい日記は意外と書いたことがなかった。その日の天候や起床時間、食べた物や行った場所、会った人や読んだ本、聴いた音楽や目にした映像を記録する。あるいは尻切れとんぼに終わる思念の記述。しばらく試してみる。 8月22日午前三時起床。夜型生活が終わって朝型生活のリズムに移行する寸前だ。早朝、一匹目のセミ

        日記:iDの導入とか

        マガジン

        • 真顔日記 通常回1
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        • 真顔日記 通常回2
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        • 真顔日記 通常回3
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        • 真顔日記 細長い二文字
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        • 真顔日記 ネコのはなし
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        • 真顔日記 物置直後
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        記事

          noteに移行した

          最近は二冊目の本を書いている。順調に行けば来年頭くらいに出せそうだ。楽しみだ。本を書くのは面白い。これまで使ってなかった筋肉を使うような感覚がある。ネットに書くのとは別の筋肉だ。 それはそれとして、自分で好きに書く場所をネット上に持っておくことは重要だと改めて感じた。自分が何を書きたいのか、最初から把握しているわけではないので、それを探るための場所を持っておきたい。 今後はnoteを拠点にしてみる。前々から真顔日記のログを少しずつnoteに移動してたが、こないだ大体終わっ

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          ある夏の日記

          7月19日(月) 気温は三十度をこえている。夏だ。 なんとなく実験したい気分になって、裸眼で外を歩いてみた。私の視力は低い。外界がぼやける。普段はメガネを使うことで生活している。 ひとつ気付いたのは、脳がスマホの予測変換のようなことをしていることだ。路上に落ちていた茶色のモヤを犬の糞だと予測したが近づいてみると落ち葉だった。こうした予測は常にされているのだろうが、裸眼だと予測から確定までのラグが大きくなるため、脳の処理に気付きやすくなるのだろう。 夜、ふたたびメガネな

          ある夏の日記

          二〇二〇

          僕にはもう、色々なことが分からない。さみだれを漢字で書くことはできる。五月雨。これで、精一杯だ。しかし世の中は令和二年だとか言っている。知ったことじゃない。 昨日の夢を思い出そうとして、記憶と混濁して、判別が付かない。僕の知能は草むらのバッタに似てきた。僕に分かるのは、触角で感じとった世界だけだ。青空と草むらと真白の雲があれば、じゅうぶんではないか。しかし言語は残酷なほど豊かで、今日も日々、俗悪な言葉、高尚な言葉、よくある言葉、めずらしい言葉、古くからある言葉、新しくできた

          二〇二〇

          不潔なハエをプロデュースして人気の虫にしたときに起こりうるハエの内面的危機について

          人間に嫌われる虫として、ハエとゴキブリは二大巨頭。どちらも視界に入れば即座に殺されている。今回はとくにハエについて考えてみたい。なぜ、ハエはこんなにも嫌われるのだろうか? どうすれば嫌われないようになるだろうか? もしも、ハエをプロデュースして、人気の虫にするならば、どうすればいいだろうか? やはり、ハエのイメージが悪いのは、うんこにむらがるところだろう。私がハエのプロデューサーだったならば、まずはそこを指摘する。うんこにむらがるのはやめよう。次に、手足をこすりあわせるのも

          不潔なハエをプロデュースして人気の虫にしたときに起こりうるハエの内面的危機について

          足立区生物園の生きものたち

          足立区生物園という所に行った。動物園ではなく生物園。不思議な名称だったが、たしかに動物とくくるには多様な生きものがいた。チョウチョが庭園を飛んでいたり、プラスチックケースでヘラクレスオオカブトが飼育されていたり、巨大な水槽で金魚が泳いだりしていた。別の水槽にはゲンゴロウまでいた。 ゲンゴロウの一般的な知名度は分からない。私は名前が面白くて子供の時に覚えたが、何も知らない人が読むと、水槽の中でおっさんを飼育している非人道的光景を想像してしまうかもしれない。ゲンゴロウは水辺の昆

          足立区生物園の生きものたち

          もう漢字は書けない

          「ほうふつ?」 「ひげみたいな字が二個並んでるんだよ」 「それはわかる。しかし、それじゃあ書けない」 友人はスマートフォンを取り出すと適当な画面に入力して見せてくれた。〈髣髴〉。ひげみたいな字であって、ひげではなかった。それは確認したが、しかし、ひげという字もまた明確には浮かんでいなかった。友人はふたたび指を動かした。〈髭〉。 これですっきりした。しかし五分後には髣髴の二文字をふたたび忘れていることだろう。最初から覚える気などないからだ。指を動かさねば、身体に染み込ませね

          もう漢字は書けない

          根本的なかんちがい

          小学生のとき、一人のクラスメイトがランドセルを忘れて登校してきた。なにも背負わずに教室に入ってきて、みんなに指摘され、あーっ!と言っていた。当然、その日はいじり倒されていた。私もゲラゲラ笑っていた。 しかし高校生の冬、私は制服を着るのを忘れて学校に行った。ズボンは替えていたのだが、教室でコートを脱ぐと、上半身はパジャマのままだったのである。寝ぼけまなこで着替えた結果だった。当然、いじり倒された。 あの時は、職員室の電話を借りて家に連絡し、母親に学校まで制服を持ってきてもら

          根本的なかんちがい

          赤字が消えて、街に詩が生まれる

          近所の家の玄関に、「猛犬に注意」と書かれた掲示がある。しかし時の経過によって、赤字の「注意」だけが消えている。その結果、掲示には次のように書かれている。 猛犬に 猛犬に、何かを捧げている。 母に、娘に、恋人に。これらは書物の冒頭によくある献辞であり、さまざまな書物がこれまでさまざまな人間に捧げられてきた。だが、猛犬に捧げられた書物は見たことがない。書店で適当な本を手に取って、冒頭に「猛犬に」と書かれていれば、がぜん興味が湧いてくる。絶対に購入せねばならない。この世のどこ

          赤字が消えて、街に詩が生まれる

          デニーズのパルフェの謎

          深夜三時、デニーズ入店。メニューを開き、デザート欄の「桃のパルフェ」という文字を見て、「そのルは何だ、そのルは!」と激怒する。さすがに沸点が低すぎる。もう少し落ち着いて生きられないものか。 しかし実際問題、パルフェとはなんだ? メニューには明らかにパフェの写真が掲載されていた。どう見てもパフェの形をしているくせに、パルフェを名乗るとは何のつもりだ? こんな時に登場するのがグーグルである。手元のスマホでサクッと検索。ウィキペディアに情報が載っていた。フランス語だと parf

          デニーズのパルフェの謎

          なぜ昨日の夕飯をすぐに思い出せないのか?

          「昨日の夜、何を食べたか?」 突然たずねられると、意外と思い出せないものである。しばらく時間がかかる。記憶を探る必要がある。 これはボケというよりは、日々の食事に関心がないせいだろう。興味のないものは忘れる。脳の正常な機能である。興味のないものまで何でもかんでも覚えていれば、駅前を10分ほど歩くだけで脳みそは爆発してしまうだろう。入ってくる大量のイメージや言葉のすべてが完全に記憶されて、一生忘れることができないならば、脳に爆発以外の選択肢は残されていない。 忘れていた記

          なぜ昨日の夕飯をすぐに思い出せないのか?

          マンガ喫茶におびえる人

          マンガ喫茶におびえる人と出会った。とにかくマンガ喫茶が怖いらしい。意外すぎる発想で面白かった。マンガ喫茶が「怖い」と表現されることがあるか? 私にとっちゃ、マンガ喫茶はむしろ楽園なんだが。 具体的に話を聞いた。第一に、その人は閉所恐怖症である。四方を壁に囲まれた狭い空間にいると恐怖に支配される。だからなるべく開けた場所にいたい。自分の家でも部屋のドアは完全に閉めない。閉じこめられることに異常な恐怖感があるという。 第二に、その人はマンガにまったく興味がない。マンガと接点の

          マンガ喫茶におびえる人

          なぜ白髪は一カ所に密集するのか?

          私は遺伝的に白髪が出やすい。二十代半ばに出現して、その後も順調に増えている。これをどうするかが問題だ。 前提として、私は美容院に行っていない。バリカンによるセルフカットで十年以上を過ごしてきた。美容院は怖い。昔はたんに苦手だった。普通に行くこともあった。おしゃれと苦手を天秤にかけてギリギリおしゃれが勝っていた。しかし、恐怖心は克服されなかった。美容室の雰囲気は洗練されている。予約の電話を入れる必要もある。そして髪を切られている間は、人間相手に人間らしく会話しなければならない

          なぜ白髪は一カ所に密集するのか?