点在するバカのしるし
家ではパンツ一枚で元気に活動している私だが、どうも最近三十一歳女性の機嫌が悪い。眉間にしわが寄っている。この女の機嫌を損ねることが衣食住にもろに影響を与える現在の状況において、これは由々しき事態だと言える。
パンツ一枚のまま平身低頭で話しかけると、女は無言で部屋のすみを指差した。ズボンが床に落ちている。うん、ズボンだね、僕のズボンだ。それがどうしたのかと尋ねる間もなく女は別の方向を指差した。別のズボンが落ちていた。うん、それもズボンだね、僕のズボンだ。さらに女は縁側のあたり