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真顔日記 細長い二文字

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同居人(のちの杉松)が登場する日記をまとめたもの
初出:2014年〜2017年
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記事一覧

共同生活における音の問題

私が小部屋で音楽を流すと居間にも音が届く。広い家ではないから、私の聴いている曲が家全体の雰囲気を支配する。そして現在の自分は一日の大半をaikoを聴くことに費している。 となると、私のなかに芽生えた強烈なaiko欲求の余波を同居人がもろに食らうことになる。私は求めてaikoを聴いているから何の問題もないが、同居人の場合、日常に唐突にaikoが入りこんできたわけだ。そしてaikoの歌声はイージー・リスニングの対極にある。強烈に感情にアクセスしてくる。BGMに向かない。軽く聞き

aikoを聴く男、ゾンビを見る女

同居人がHuluで海外ドラマを観ているらしく小部屋に音声が聞こえてくる。「アアアーッ!」という男のうめき声である。毎晩、男たちがうめいている。しかも野太い声。 「いま観てるやつ、いつもゾンビに追われてるから……」 説明を求めると同居人は言った。それ以上聞かなかったので詳細は不明だが、とにかくゾンビに追われて男たちがうめいているらしい。たしかにゾンビに襲われりゃ、屈強な男だろうがうめくしかない。 私は小部屋でaikoばかり聴いていたが、すぐ近くにはゾンビばかり見ている女が

我々はパピコに吸わされている

パピコを食べたことがなかった。アイスの菓子であり、ずいぶん昔から存在しているのに食べたことがなかった。パピプペポを好む人間として失態だと言える。三文字のうち二文字にパピプペポが使われているのだから、一度くらいは手を伸ばしてみてもよかったはずだ。 同居人が買っていたので分けてもらった。はじめて食べた。これはよいものだと思った。ついつい吸ってしまう魔力がある。貪欲な自分を発見させられる。ジェル状のものを吸う時、人間の欲望はもっともむきだしになるのだと知った。 最後に残った少量

暑ければ脱げばいいという原始人的発想

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心の底からどうでもいいこと

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エースで五番だよ!

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ポケモンGOからツムツムを経てぷよぷよに辿りついた女

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ショパンでグーグルに殺される

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鼻毛と上田と原始人

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熱い尻と冷たい女

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怪談『ピザの幻臭』

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たまごとパキシエルの等価交換

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人の行動を「回」として認識する女

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会社員は連休に飽きないのか?

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