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キャッシュレスの話① 悪意降る地に、suica爆誕!

いらっしゃいませ。
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今回から、キャッシュレスの話です。

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「クレジットと違って安心です」再び

2000年代初頭に生まれたデビットカードは、レジでの使い勝手はクレジットカードのようでありながら、クレジットと違い自分の銀行残高という利用限度額が自動設定されることから安心の決済手段とされた。

また、土日祝も多くの時間帯で手数料なしに利用できるその利便性もあり、利用にあたって申し込みも不要。ほとんどの人がきっかけさえあればすぐに使えた。

「手持ちが足りないからATM行ってくる」という客にデビットカードを説明すると、「手数料もかからないなら便利だね」と使い始める人も何割かいた。

「クレジットカードと違って安心」というキーワードは、ショッピングクレジット同様に客の抵抗感を引き下げた。
クレジットカードを避けたはずが、それは利用体験として、図らずもクレジットカードへの抵抗感を和らげることにつながる。

時は同じ2000年代初頭、suicaが誕生する。

当初はそれまでの磁気カードに代わる新型の運賃精算カードであった。
それまでにもオレンジカードなどの磁気カードが存在したが、従来と比較にならない速さと自動改札でも利用できることで、電車利用のボトルネックとなっていた切符売り場の混雑解消を狙ったものであった。
改札口の混雑を自動改札機で解消させた鉄道会社の、次なる矢として放たれた。

便利さが知れ渡り、広く普及が進むほどに切符売り場の人だかりがみるみる減っていき、社会の変化は意図せずとも知れ渡っていった。キャッシュレス時代がやってくると。

この便利な運賃精算システムは、その急速な普及と社会変化の実感に後押しされ、お買い物の決済手段としても使われるようになる。コンビニや家電店から徐々に広がり、今や決済手段の社会インフラになっているのは周知のとおり。

2000年以前にもカード決済はあった。磁気カードによるもので、テレホンカードやオレンジカード、クオカードに各地のバスカードなどだ。

しかしこれらはそれぞれ専用カードで、クオカードはある程度の汎用性はあったものの、一定の店舗やグループ、サービスに特化したカードがほとんどであった。

磁気カードを終わらせた悪意

使用圏が限られた磁気カードの利用動機のは、多くがそのプレミアムで、利便性によるものではなかった。希少価値としてのプレミアムではなく、割増しという意味のプレミアム。5000円のカードで5200円分使えるとかいったやつだ。

主には節約手段として徐々に広がりを見せるものの、それを追うように偽造カードも広まり、発行側が普及に歯止めをかけざるを得なくなった。

クレジットカード業界も、偽造とともにスキミングという手口が広がったことで、磁気カードからICチップ型への切り替えを進めた。

磁気カードを終わらせたのは、技術革新でも時代の流れでもなく、20世紀末にアンゴルモア大王のように空から降り注いだ、偽造という「悪意」だった。

「3万円分のバスカードは販売を終了しました」「○○カードの利用は○○年末まで」などといった貼り紙をあちこちで見るにつれ、磁気カードの終焉を感じていたその頃に生まれたのがsuicaだった。

当時の感覚として、専用の端末に差し込んでデータを読み取る磁気カードが偽造されるのに、差し込みもせずにタッチするだけのsuicaが偽造されないとは思えなかった。

ちなみに、suicaやEdyなどを非接触型カードというのは、磁気カードに対してのもの。
読み取りエラーを防ぐため「かざすのではなくタッチ」と明示されている現在では、タッチするのになぜ「非」接触?と思う人も少なくないと思うが、端末に差し込むのが接触型で、差し込まずとも、タッチするだけなのが非接触型というわけだ。初期には「近づけるだけ」でという表現もしていた。

単に新しいカードが発売された、といった程度に冷ややかに見られていたsuicaはそのセキュリティ性に加え、処理速度の圧倒的な違いを見せつけ瞬く間に普及し、間髪入れずに運賃精算カードから非接触型決済手段へと変貌を遂げた。

suicaは幕を開けたキャッシュレス時代の雄となる。

つづく


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