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まちまち解体新書

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『余白メモ』よりもプライベートな内容になっています。くだらない記事も多数アリ(!)わたしのことを本当に好きな人だけ購入してね。
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#雑記

誰かが創ったもので遊び、そこで受け取ったものを、ただ世界に返していく。

誰かが創ったもので遊び、そこで受け取ったものを、ただ世界に返していく。

 遊ぶことに対する罪悪感が強すぎて、無意識のうちに自分を家の中に閉じ込めようとする癖がある。
「遊ぶのは、やることをやってからにしなさい」
 遊びに出かけようとしたら、頭の中でもうひとりの自分がこんなふうに責めてくるのだ。

 それでも、たまには遊びの予定を入れることがある。遊び始めると楽しくて、つい、いろんな誘いに乗ってしまう。
 そうやって遊び回っているうちに、罪悪感が膨らんでいく。楽しめば楽

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集中豪雨直後の成り行き京都旅(法金剛院~嵐山)

集中豪雨直後の成り行き京都旅(法金剛院~嵐山)

『女による女のためのR18会』を終えた翌朝、私はな一睡もしないまま京都の花園駅近くにある法金剛院を訪れていた。
 前日の夜にR18会の共同主催である荒木睦美ちゃん(通称むちこ)が、翌朝は六時に起きて蓮を見に行くと言っていたので、お願いして一緒に連れて行ってもらうことにしたのだ。
 寝る準備に入ったのが深夜の二時過ぎだったから、早起きできるか不安だったのだけど、どうやら杞憂だったようだ。なんせ寝てな

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私が抱えている「嫉妬」の感情について赤裸々に語ってみた

私が抱えている「嫉妬」の感情について赤裸々に語ってみた

 魅力的な人と出会うと、「こんな素敵な人、会った人みんな好きになるやん」って思っちゃうから、同性に対しても異性に対しても嫉妬して苦しくなる。

 同性に対しては「こんなん出会った男全員好きになるやろ。私に男が回ってこない」って思っちゃうし、異性に対しては「こんなん会う女みんな惚れるやろ。他の女の相手で忙しくて、私、相手してもらえなくなるやん」って思っちゃう。

 良くも悪くも人の魅力に対する感受性

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別れた恋人と同棲生活を続けてみて気づいた「付き合う」という言葉の呪縛力

別れた恋人と同棲生活を続けてみて気づいた「付き合う」という言葉の呪縛力

 元彼と別れて今で一カ月半くらい経った。彼の引っ越し先の家がまだ片付いていない関係で、もうしばらくはうちに住み続けるらしい。といっても、週に三日くらいは事務所で寝泊まりしているから、家に帰ってくるのは月の半分程度なのだけど。
 
 別れた後も一緒に住み続けるのって気まずいのかと思っていたけど、私たちの場合、まったくそんなことはなくて、むしろ付き合っていたころよりもいろいろなことが自然になった。

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無職にも才能が必要

 ——無職にも才能が必要。

 そのことに気がついたのは、結婚して会社を寿退社したある友人のひとことがきっかけだった。
「これからはずっと家にいるの?」と訊ねたら、彼女からこんな答えが帰ってきたのだ。

「結婚式が終わったらアルバイトを探します。家にずっといるの無理なんで」

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ここが往生際

 ゴールデンウィーク中、彼の様子がおかしかったので、思いきって理由を訊ねてみたら、「将来のことで悩んでいる」と返された。聞くと、子どもが欲しくなったという。
 ふつうのカップルだったら、そろそろ結婚でもしようかということになるのだろうが、私の場合は少し事情が変わってくる。なぜなら、今の時点で、一生子どもを産みたくないと考えているからだ。
 彼曰く、子どもを作らない前提で結婚することに意味を見出せな

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この一線を越えたくて

この一線を越えたくて

 たとえば恋人に振られたとして、その瞬間はめちゃくちゃ悲しかったとしても、翌朝にはその人のことを嫌いになって、もう次の恋をしている。これまではそんなパターンが多かった。

 今回、恋人と別れ話が浮上した時も、最初こそこのまま崩壊するんじゃないかってくらい泣きじゃくったけど、数日もすれば平気になっていた。さすがに嫌いにはなってないけど、求める気持ちもほとんどなくなって、次はどんな人がいいかな、なんて

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噂のあの子

 私が通っていた高校は、私服通学がゆるされていた。
 当時、自分が女らしくないということにコンプレックスを感じていた私は、それを解消する手段として、なぜか『ピンク色の服を身にまとう』ことを選択した。

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和菓子屋の黒服男

 恋人と旅行で訪れた温泉街で、ふらりと和菓子屋に立ち寄った。表の貼り紙に印刷されていた白あん入りの苺大福が気になったのだ。
 ガラスの引き戸を開けて中に入る。少し離れた位置に立っていた黒服の男が、いらっしゃいませ、と低い声で挨拶した。遠目だから定かではないけれど、銀縁の眼鏡の奥に覗く目から受ける印象は冷たく、和菓子屋の店番よりもホテルの支配人の方が似合いそうな雰囲気だった。

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「他人の人生にまで口出ししてくんな、クソババア」と、私は口汚く罵って見せた。

 自分に出産願望がない(というか、むしろ拒絶レベル)ということを自覚してから二十代前半までは、そんなことを考えるのは自分くらいのものだと思っていて、どことなく日陰を生きているような感覚があった。
 だけど、勇気を出してそんな自分をオープンにしてみたら、「私もよ」という答えが返ってくることもけっこうあって、そのうち隠さなくなった。

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能面、ときどき、満面の笑み

 うれしい、とか、たのしい、とか、そういう感情表現が乏しいことを、長年責めてきた。

 きっかけはたぶん、祖母から言われた「あんたは可愛がり甲斐のない子やな」というひとこと。私には三歳年下の弟がいるのだが、その弟を引き合いに出して「この子みたいにもっと可愛く喜びなさい」と言われた。
 幼かった私は、「弟みたいに喜べるようにならないと、(お金とか愛情とかいろんなものが)もらえなくなる」と危機感を抱い

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後輩の家にいるはずなのに

 先日、結婚ほやほやの後輩宅にお呼ばれしてきた。事前に「お菓子、何を用意しましょうか」と聞いてくれたので、プリンをお願いしてみた。

 梅田でランチをしたあと、ぱんぱんになったお腹を抱えて軽くショッピングをした。それから一緒に後輩宅へ向かう。
 ソファに腰かけると第一声で「プリン食べますか」と聞いてくれる。もう食べてほしくて仕方ないといった感じで、ずいーっと身を乗り出してくる。

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笑顔がひきつる理由(わけ)

 いつからか、笑うときに頬のあたりがひきつれるようになった。笑顔を褒められることが多くて、自分でもそこがチャームポイントだと思っていたのに、いまは笑うときにいちいち緊張してしまう。

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自費出版社の大手から電話がかかってきたのでぶっちゃけた話を聞いてみた

 自費出版の大手から電話がかかってきた。聞くと、十年くらい前に送った原稿を発掘したとかで、久しぶりに連絡をしてみようとなったのだという。
 どうせ自費出版の勧誘だろうと思いつつも、書き始めたばかりの頃の拙い原稿を残しておいてくれたのかとちょっぴり嬉しくなった。

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