ガク爺

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楽しく学び,楽しく活動する,笑顔の集団「Emication」。 ふるさとの自然,歴史,風俗などお伝えします。読書や豆知識の発信もしていきます。 活動する人,行動する人,その応援と支援をする集団「Emication」。

最近の記事

『続・宇宙のカケラ 物理学者の詩的人生案内』(佐治晴夫・著)

 6月の成幸読書で届いた図書で、清水店長が と述べていた『続・宇宙のカケラ 物理学者の詩的人生案内』(毎日新聞出版・刊)です。  本書は、東京急行電鉄(東急)発行の「SALUS」に昨年8月から本年4月までに掲載されたものが書籍化されてものです。  どの項も、読みやすい文章で綴られ、文量も3ページ程で、一気に読むことができます。とはいえ、一部ですが“専門家としての説明”となっている個所もあり、読み辛いときはスルーして気軽に読めばよういでしょう。  今回、1章から順に読んで

    • 『安倍晋三実録』(岩田明子・著)

       「2022年7月8日、凶弾に倒れた安倍晋三 元首相」  あれから1年、『回顧録』をはじめ、故 安倍元首相に関する図書(下部リンクあり)が出版されています。  故 安倍氏についての取材メモから綴られた『安倍晋三実録』(文藝春秋・刊)です。  著者は、元NHK解説委員で、長く“安倍晋三の番記者”でした。昨年、NHKを早期退職し、民放の番組にも登場するようになった方です。  Wikipedia によると、 と、岩田氏は、安倍家からも信頼されており、表も裏も“深くを知る人物”

      • 『ひむろ飛脚』(山本一力・著)

         近くでも、遠くでも、「○○の連絡しよう…」と思ったら、電話やメールなど”すぐにできる”方法があります。  昔の“伝えたい”ことや時には、すぐ”にすることはできず、時間のかかる”ものでした。  そのなかにあって、江戸時代の「飛脚」は、手紙や金銭、小荷物などを遠くまで速く届けていました。物語や映画に登場する飛脚の正確さ、速さに感心します。  その飛脚が題名にある『ひむろ飛脚』(新潮社・刊)です。  そして、飛脚が運ぶのが“ひむろ”です。これは「氷室」のことのようで、飛脚が氷を

        • 『隠居おてだま』(西條奈加・著)

           表紙に、好々爺とみえる座した老人(隠居)と楽しそうに跳ねる子供、裏表紙に細工職人の夫婦が描かれた『隠居おてだま』(角川書店・刊)が気になって手に取りました。  著者の作品では、第164回直木三十五賞を受賞した『心淋し川』(集英社・刊)を読んで以来です。  出版社は、 と紹介しており、隠居は老舗糸問屋の元当主であり、隠居家に孫と友達が集って、賑やかな隠居生活です。  しかし、その隠居生活に…。  元当主の“商才”を活かすときが…。  老舗糸問屋 嶋屋の面々が…。  大内

        『続・宇宙のカケラ 物理学者の詩的人生案内』(佐治晴夫・著)

          『鈍色幻視行』(恩田陸・著)

           また、恩田氏の本を“久しぶりに読みたく”なって、この春に出た『鈍色幻視行』(集英社・刊)を手にしました。  手にしたのはよいのですが、鈍色は遣ったり耳にすることのない色(言葉)で、すぐには題名が読めません。著者名の近くに「Nibiiro Genshikou」とあり読めました。  “灰色の暗い世界の妖しいもの”の話のようで、読むのを躊躇します。さらに、653ページもある厚い本で、読み切るには時間がかかりそうです。  小説家の蕗谷梢、その夫で弁護士の蕗谷雅春が、一つの小説『夜

          『鈍色幻視行』(恩田陸・著)

          『27000冊ガーデン』(大崎梢・著)

           つくで交流館の図書館の書架にあった『27000冊ガーデン』(双葉社・刊)です。  ここの選書に多い“本”や“読書”、“図書館”のキーワード(内容?)が詰まった一冊でした。  表紙は、庭(ガーデン)に書架があり、芝生に本が並び、木陰で本を読む若者、本を抱える司書が描かれています。ここで本を読んで過ごしたら、ゆったりできそうです。  ゆったりした表紙の感じとは違い、学校司書のもとに持ち込まれた「謎」を解くお話でした。  謎を紐解きながら、そこに“かかわりのある図書(名)”

          『27000冊ガーデン』(大崎梢・著)

          『「若者の読書離れ」というウソ』(飯田一史・著)

           図書館の書架に『「若者の読書離れ」というウソ』(平凡社新書1030)があり、手にしました。  マスコミが「読書離れ」を取り上げているのを耳にすると、「そんなことはない」と思うことがしばしばありました。  書名の「ウソ」や内容紹介にある「なぜ」への答えを期待して読んでいくと、すっきりしませんでした。  それは、裏付けとする゛各種データ”が、次々に登場し、その正体を探ったり、読み取りを確かめたりして、混乱してしまったようです。  副題の「中高生はどのくらい、どんな本を読ん

          『「若者の読書離れ」というウソ』(飯田一史・著)

          『コメンテーター』(奥田英朗・著)

           以前、この「トンデモ精神科医 伊良部一郎」が活躍(?)する話を楽しみました。書架に並ぶ『コメンテーター』(文藝春秋・刊)を迷わず手にしました。  シリーズ第4弾ですが、前作から17年ぶりとなるようです。  伊良部総合病院は、大学病院並みの大きさで、エントランスとロビーは一流ホテルと見紛うほどの豪華さです。  ところが、地下一階の精神科は、一転して薄暗く、消毒薬の臭いがします。部屋のドアをノックすると、 ここから、伊良部医師が組んだ゛治療プログラム”が始まります。  その

          『コメンテーター』(奥田英朗・著)

          『コロナ漂流録』(海堂尊・著)

           新型コロナ禍に、海堂尊氏の『コロナ狂騒録』、『コロナ黙示録』を読み、そこに描かれる社会・政治の姿を“今”と重ねました。  そして3作目となる『コロナ漂流録』(宝島社・刊)です。  新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが“5類感染症”となったことで、このシリーズも完結でしょうか。  本書も、東城大学医学部の田口公平氏を中心に、これまでと同じ顔ぶれで、2022年6月から2023年1月までの出来事に合わせ、桜宮市、東京、浪速で活躍しています。  その中に、第1部のタイト

          『コロナ漂流録』(海堂尊・著)

          『月と散文』(又吉直樹・著)

           芸人そして芥川賞作家の又吉直樹氏の最新随想集『月と散文』(KADOKAWA・刊)です。  本書で知ったのですが、オフィシャルコミュニティ『ピース又吉 「月と散文」』で、作品を発表されていました。2021年8月から2023年1月にかけて掲載された文章を加筆修正して単行本化されたものです。  出版社の紹介では、 とありました。  コミュニティの発表は知りませんでしたが、いろいろな媒体で取り上げられていたり、作家・又吉氏の文章に触れる機会があったので、゛10年ぶりのエッセイ集

          『月と散文』(又吉直樹・著)

          『タクジョ! みんなのみち』(小野寺史宜・著)

           以前、書店に並ぶ“タクジョ!”の書名を見て興味を持ちましたが、読みませんでした。  そうした記憶があって手にした、シリーズ2作目の『タクジョ! みんなのみち』(実業之日本社・刊)です。  東央タクシーに勤務する5人のドライバーと元同僚が語る、それぞれの物語です。  出版社の紹介には、 と、職業を同じ「タクシー運転手・タクシードライバー」と言っても、その接客、その言葉、その生き方は、“それぞれ”の日常があり、生活があります。  東央タクシーの姫野民哉、霜島菜由、永江哲巳

          『タクジョ! みんなのみち』(小野寺史宜・著)

          『環境省武装機動隊EDRA』(斉藤詠一・著)

           “地球温暖化”への懸念が言われ、その環境変化、気象変動を受けた気温上昇の抑制目標を掲げ、世界各国が取り組みを続けています。  七夕や夏至などの夜に照明を消して空を見上げ、地球温暖化について考えるイベントが行われるのも、啓発活動の一つです。  世界気象機関(WMO)の報告によると、今後3年以内に1.5度の目標値を初めて上回る可能性が確実になようです。  また、アメリカの国立環境予測センターは、7月に入って“地球の1日単位の平均気温”が連日、史上最高を更新したとの発表がありま

          『環境省武装機動隊EDRA』(斉藤詠一・著)

          『奇跡のフォント』(高田裕美・著)

           書類やレポートを作成するのは、パソコンでオフィスソフト(ワープロ・表計算・プレゼン)を利用して行う方が多い(ほとんど)だと思います。  新規に作成し、印刷したものを確認して、「あれっ。もうちょっと…。」と気になったことはありませんか。  「MS明朝」や「游明朝Regular」などの既定フォントが、文書に合わなかったようです。  フォントを変更しようとすると…。いろいろ、たくさんあります。  そうしたフォントの誕生について語る『奇跡のフォント 教科書が読めない子どもを知って

          『奇跡のフォント』(高田裕美・著)

          『パルウイルス』(高嶋哲夫・著)

           2019年12月、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の最初の患者が、原因不明の肺炎を発症しました。  その後、世界に広がり、2020年3月にWHOがパンデミックを宣言する状況となり、その後のロックダウンなど厳しい対策が取られ、収束へ向かっていきました。  日本においては、この春に感染症法上の位置付けが季節性インフルエンザと同等の5類に見直されました。  この3年、“感染症への対応”を学び、再びパンデミックへ向かうことのないように行動をしていると思います。  そ

          『パルウイルス』(高嶋哲夫・著)

          『旅の作法』(高萩徳宗・著)

           6月の成幸読書で届いた図書で、清水店長が「 この本、本当に面白かった。旅行会社だから、旅のことについて語っているんだけど、これ、人生の作法と言ってもいいんじゃないかな。」という『旅の作法』(エイチエス・刊)を、愉しく読みました。  著者は、鉄道会社、旅行社勤務を経て、有限会社ベルテンポ・トラベル・アンドコンサルタンツを創業し、障害者や高齢者の旅をサポートしています。  そうした旅と旅行者、その出会いや思いが語られています。  最初、はじめにあたる「旅の作法」で、著者が主

          『旅の作法』(高萩徳宗・著)

          『貸本屋おせん』(高瀬乃一・著)

           表紙・裏表紙に、いろいろな和本、錦絵が配され、大きな荷物を背負った若い女性が描かれた、第100回オール読物新人賞の受賞作『貸本屋おせん』(文藝春秋・刊)を読みました。  帯に、「粋と張りを通す 大店を夢見る おせんの 貸本お仕事小説×出版捕物帳」とあり、江戸時代の仕事のようす、そして捕り物の躍動(?)が語られることを思い、本書を開きました。  主人公のおせんは、“女だてら”に重い荷物(本)を担いで貸本屋『梅鉢屋』を商っています。  最初に舞台となる浅草、日本橋、深川の地

          『貸本屋おせん』(高瀬乃一・著)