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『安倍晋三実録』(岩田明子・著)

 「2022年7月8日、凶弾に倒れた安倍晋三 元首相」
 あれから1年、『回顧録』をはじめ、故 安倍元首相に関する図書(下部リンクあり)が出版されています。

 故 安倍氏についての取材メモから綴られた『安倍晋三実録』(文藝春秋・刊)です。
 著者は、元NHK解説委員で、長く“安倍晋三の番記者”でした。昨年、NHKを早期退職し、民放の番組にも登場するようになった方です。

 Wikipedia によると

 元内閣総理大臣である安倍晋三の番記者を、2002年官房副長官時代から担当する。
 安倍の官房副長官時代から自宅にも上がることを許され、安倍の母・洋子からも全幅の信頼を得るほどの蜜月関係にあった。
 北朝鮮の拉致問題で帰国した曽我ひとみ・蓮池夫妻、地村夫妻を訪問した際には、新潟県佐渡島や福井県小浜市まで同行した。
 2009年、政権交代を経て鳩山由紀夫内閣の菅直人副総理の担当となる。
 2013年7月22日付人事にて、NHK解説委員室に異動。政治担当の解説委員となるが、政治部の記者職と兼務。

と、岩田氏は、安倍家からも信頼されており、表も裏も“深くを知る人物”であったようです。
 記者の立場を超えて、“友人”の一人であったのかもしれません。

 そうした“岩田氏だから知る安倍氏の言葉と姿”が、文藝春秋で連載されて、単行本となったのが本書です。

 安倍氏に最も食い込んだ記者による「安倍評伝」の決定版!
 「回顧録」で明かされなかった肉声をふんだんに収録。
 暗殺前夜も電話で話した、20年間の取材の総決算!

 一度退陣し、再び政権に就いた政治家
 歴代最長政権となった政治家
 外国首相と交渉のできた政治家
 アベノミクスを推進した政治家
 天皇陛下の生前退位のときの政治家
 森友問題の当事者としての政治家 ……

 「政治家 安倍晋三」を、どのように評価するか(評価しているか)により、本書の読み方が大きく変わるように思います。
 本書を読んで、新しい発見があるかもしれません。
 本書を読んで、もっと知りたくなることがあるかもしれません。
 本書を読んで、安倍晋三氏の評価が、変わるかもしれません。
 しかし、安倍晋三氏は“再登場”しません。
 著者の記す“安倍晋三の言葉と姿”から得たものは…。


 「正しいこと」と「間違っていること」との違いは何なのか…
 「世論は正しい」のか…
 「政権」、「権力」って難しい…
 「社会」、「世間」って何…
 本書を読んで考えてみませんか。

   目次

はじめに
第1章 第三次政権への夢
第2章 雌伏の五年間と歴代最長政権
第3章 慰安婦問題と靖国参拝
第4章 トランプと地球儀俯瞰外交
第5章 拉致問題解決への信念
第6章 習近平との対決
第7章 生前退位と未来の皇室像
第8章 スキャンダルと財務省
第9章 岸家と安倍家の葛藤
おわりに


【関連】
  ◇衆議院議員 安倍晋三 公式サイト
  ◇安倍晋三(@AbeShinzo)(X)
  ◇歴代内閣(首相官邸ホームページ)

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