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『アミュレット・ホテル』(方丈貴恵・著)

 表紙に、ホテルのフロントをセンターに、華やかで賑やかなロビーが描かれています。でも、ちょっと怪しく危ない感じがします。
 ホテルマンが、前日の仕事、ようすを問われて、そのようすを聞いて一言。

「ふぅん、そこまでは至って日常的な流れだね」

と、いつもと変わらない日常だと言っています。
 しかし、ホテルマンのしたことは、

「昨日の夕方は高層フロアに宿泊しているお客さまからの要望が多くて、部屋をまわってお届け物をしていました。(略) 持って行ったのは…シャンパンとか、女性限定のアメニティセットとか、職人特製ピッキングツールとか、三十八口径の弾丸五箱とか。そういう感じのラインナップでした」

と、飲み物などのルームサービスはありますが、ピッキングツールや弾丸って“マズイ”ものです。
 それが“日常的”というホテルを描いた『アミュレット・ホテル』(光文社・刊)です。

 帯に、ホテルの説明がありました。

 そのホテルは犯罪者たちの楽園
 守るルールは2つだけ。
 一、ホテルに損害を与えない。
 二、ホテルの敷地内で傷害・殺人事件を起こさない。
 ルールを破ったらホテル探偵が必ずあなたを追い詰めます。

 殺し屋、詐欺師、窃盗グループの皆様……
 犯罪者御用達ホテルにようこそ

 アミュレット・ホテルは2つのルールさえ守っていただければ、どんなサービスでもご提供いたします。偽造パスポートでも、グレネードランチャーでも、ルームサービスでお申し付けください。ただし、ルールを破った方には、それ相応の対価を支払っていただきます。警察に通報したりはいたしません。我がホテル探偵は優秀ですから。秘密裏にきっちり処理させていただきます。  ──ホテル支配人

 このホテルで、事件が発生します。
 事件の捜査に警察がくることはなく、事件のナゾに向かうのはホテル探偵の桐生です。

 アミュレット・ホテルで事件が発生した場合、ホテル探偵に一切の処理が任される決まりになっているからだ。
 私は普段は主にナイトマネージャーとして働き(略) こうした事件の謎を解き明かして、禁忌を犯した人物を突き止めることこそ、ホテル探偵である私に課せられた最重要の仕事の一つだった。

 ホテルで起こった事件のナゾは…。
 ホテル探偵は、どのように調べ、解決していくのか。

 ホテルで起こる4つの事件、“ホテル探偵”より先にナゾを解明するのは、あなたですか。事件の解明に挑んでみませんか。

   Contents

Episode1 アミュレット・ホテル
Episode0 クライム・オブ・ザーイヤーの殺人
Episode2 一見さんお断り
Episode3 タイタンの殺人

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  ◇方丈貴恵 (@Kie_Hojo)(X;旧Twitter)

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