見出し画像

性と心身の関係性

月見想のnoteをご覧いただきありがとうございます。
講師兼マネージャーの日影想弥と申します。

ぼくの経歴は少し特殊で、哲学・心理学の分野からリラクゼーション業界に入っています。
そのせいもあってか、根深いトラウマを抱えている方だったり、自分の長年の考え方や在り方を見つめ直して人生を根本的に変えていきたいという方に施術をさせていただくことが多いです。
セラピストとして一段深いレベルで人の心と体に触れる中で、それぞれが抱える性の要素も含めて心身と向き合うことの必要性をより強く実感するようになりました。

最近は日本でもセクシャルウェルネスが表立って語られる機会も増え、心身の健康や人間の幸福を考える上での性の重要性も認知されるようになってきました。

しかし、リラクゼーションの文脈では

純粋な技術で勝負する「健全店」

vs

性を売り物にする「風俗店あるいはグレーなお店」


のように二項対立で語られることがほとんどです。

人の体に触れ、多くの場合心にも触れるリラクゼーション業。本来「性」というテーマは避けては通れないものです。
法律やセクハラなどの課題があるのは確かですが、単純にタブーとして切り捨ててしまうことは非常に勿体ないことのように思います。

人間誰しも、社会や人間関係のしがらみ、自分のこれまでの生き方によって固定化されてしまった「普通」という概念に縛られて生きています。
そんな息苦しい状態から心と体を解放して、より自由に自分らしく生きることができるように。
抑え込まれたり蔑ろにされがちな性も含めた心身との向き合い方を探求するため、当店では「性とリラクゼーションの融合」を掲げています。

この記事では、人の持つ性の要素が心と身体にどのように関係しているのかをご紹介させていただきます。
ご覧いただいて共感することがあったり、ご自分に必要なことだと感じたら、ぜひ一度当店のご利用をご検討いただければ幸いです。


取り残される性

他のものと比べて性が特別に重要なのかといえば必ずしもそうではありません。むしろ他よりも蔑ろにされているからこそ、性と向き合うことが大切なのだと考えています。

特にスピリチュアル界隈では性を神聖視して過度に特別扱いするような流れが目立ちます。
そこにはちゃんと根拠と呼べるような思想や理論もあるのですが、ここではまず第一に心身の他の部分と同様に重要な全体の一部分として、性について考えてみましょう。

リラクゼーションで全身の施術を受ける場合、脚、背中、デコルテ、腕…といったように、体をパーツごとに分けて触れるような施術が一般的だと思いますが、ぼくはそれよりも、わざわざパーツごとに分けずに全身のつながりを捉えるような施術の方が好みです。
そういう施術を受けると、自分の体のつながりを強く体感してより深くリラックスすることができます。

ただいわゆる健全店の施術だと、性器周りは避けて施術されるので、リラックスすればするほど触れられていない部分だけが存在感を増してしまい、完全にはリラックスしきれないような感覚が残ります。
単純に性的な刺激が欲しいというのは一旦置いておいても、そのような感覚に共感できる方は少なくないようです。

また、施術を受ける際に自然に起こる性的な衝動や反応を抑え込むことも、心身のリラックスを妨げます。

ぼくのプライベートサロンは決してエロティックな雰囲気ではないのですが、普通に施術をしているだけでも性的な反応を示される方は男女ともに少なからずいらっしゃいます。
リラックスして副交感神経が優位になると性的な刺激を感じやすくなりますし、体の強張りがゆるむことで抑え込んでいた感情や性的なエネルギーが表に出てくることもあるので、それ自体は実は当たり前の体の反応です。
元から敏感な方や性的な刺激を期待してご来店される方も中にはいらっしゃると思いますが、いずれにしても性的な反応が起きること自体は悪いことではありません。

でも多くの方は恥ずかしがって体の反応を抑え込んだり、「そういうお店じゃないのに申し訳ない」と罪悪感を覚えたりしてしまいます。
それでは素直にリラックスすることなんてできないですし、せっかくの自然な反応を抑え込んだり否定してしまうのはとても勿体ないことです。
逆に性欲をコントロールできない人は、セクハラ行為に走ってリラックスどころではなくなっていまします。

肉体的に性的な部分にアプローチするかどうかは別としても、施術の中で自然に起こる性的な反応を悪者にせずに受け入れてあげるだけで、心身共に様々な良い変化が起こります。
またぼくの知る限りではありますが、そんなふうに健全に性を捉えて向き合っているセラピストさんには、セクハラ問題で悩まれている方はいません。


性的な反応はなかったとしても、より深くリラックスしたり、心身の問題を解決したりするために、性の要素は様々な面で重要な役割を担っています。
ここからは神経、筋骨格・筋膜のつながり、伝統医学と自然哲学の観点から性と心身の関係性を掘り下げていきます。


神経と生殖器

末梢神経の分布に焦点を当ててみると、生殖器等の性的な部分も含めて身体をケアすることの大切さがはっきりと目に見えてきます。
下の画像は右が女性、左が男性のおおまかな神経分布を示した3Dモデルです。

全身の神経のつながり

見ただけでも性器周りにたくさんの神経の末端が集中しているのがわかるかと思います。

人間の皮膚には非常に多くの感覚神経が存在していて、触覚や温度など様々な刺激を脳に伝えてくれます。
皮膚感覚を刺激することで脳に自分の体を再認識させてリラックスを促すことができるのが、リラクゼーションマッサージ最大の効用です。
皮膚への刺激は同時に自律神経や内分泌系(ホルモン分泌)を介して、内臓機能や脳機能にも影響を与えます。

特に神経の集中している部分は繊細な感覚を持っていて、刺激を与えることで心身への影響も如実に現れます。

男性器では亀頭部分だけで約5000本、ペニスの包皮全体には10000〜20000本もの感覚神経が分布していると言われています。
女性器は特に個人差が大きいそうですが、クリトリス亀頭部の小さな範囲だけでも10000本以上の神経が集中しています。

人体の中でも特に感覚の鋭い指先の神経分布が約3000本、手のひら全体でも18000本ということを考えると、どれほど性器周りに神経が集中しているのかがイメージしやすいかと思います。

ちなみに足裏の感覚神経の数は約7000本です。
足裏と内臓の反射区に焦点を当てたリフレクソロジー(足ツボマッサージ)には馴染みのある方も多いかと思いますが、道教思想(タオイズム)に基づいた気功療法では、性器のリフレクソロジーも提唱されています。

実際に性器の反射区と対応する内臓の辺りに同時に触れて呼吸すると、連動して緊張がゆるむのがはっきりとわかります。

手・足・生殖器の感覚神経の数

性器周りの神経は主に腰から下の背骨から出ているので、性器だけの施術でもかなり足腰が軽くなります。

定期的に施術を受けたり運動をしたりして全身のケアをしているけれど取りきれない緊張があるような方であれば、一度の施術で劇的に変化を感じられることも多いので、ぜひ一度試していただきたいです。

腰椎・仙骨から派生する下半身の神経


性器周辺の筋骨格・筋膜のつながり

より物理的に理解しやすい筋肉や骨格の観点から見ても、性器の周りには重要な組織が集まっています。

骨盤底筋は骨盤の底にある筋肉の総称で、膀胱や直腸、子宮など骨盤内の臓器をハンモックのように支えてくれています。
その他にも排泄のコントロールや姿勢の維持など重要な役割を担う筋肉群です。

内臓を支える骨盤底筋群

骨盤底筋も含め、深層部で身体を支えてくれるインナーマッスルは、表面の大きな筋肉と比べると動きも小さく認識しずらいため、意識的に鍛えたりリラックスさせたりするのが難しい筋肉です。
過度な緊張が続いたり、年齢と共に筋力が弱まってくると、しつこい肩こりや腰痛の他、自律神経や内臓機能の低下に伴って様々な慢性的不調の原因にもなります。

インナーマッスル

筋膜に意識を向けると、さらに全身とのつながりも見えてきます。

名前から誤解されがちですが、筋肉だけを覆っている薄い膜ではなく、骨や内臓、血管、神経なども含めて身体のあらゆる組織を包み込んで正しい位置に保持したり、全身の筋肉が連動して動くのを助けてくれるのが筋膜です。よくかき混ぜた納豆の糸のようなものが様々な組織を保護しつつ繋げてくれていると考えるとイメージしやすいかもしれません。

正常に機能していれば柔軟で安定した身体の動きを生み出してくれる大切な組織ですが、運動不足や体の歪みで動きの少ない場所が出てくると癒着を起こし、今度は身体の動きを制限したり歪んだ姿勢を固定するようになります。

筋膜にはその深さとつながりに応じた12のラインがあるのですが、その中でも体幹のインナーマッスルを中心に繋がっているのが深層フロントラインです。

繰り返しになりますが、意識してケアするのが難しいインナーマッスルのつながり。癒着を起こしやすい上に、体の中心にあるが故に全身に様々な影響を及ぼします。

体幹のインナーマッスルを中心に繋がる筋膜のライン

骨盤底筋や内腿の筋肉は、この深層フロントラインの中では比較的外側からのアプローチがしやすい部分です。

性器や肛門が近いので直接施術されることは避けられがちですが、身体のつながりを考えると本来ならしっかりケアしたい部位であるということは明白ではないでしょうか。


伝統医学・自然哲学と性エネルギー

東洋の伝統医学や自然哲学においても、性の要素は人間の根源たる重要なものとして位置付けられています。

陰陽五行思想

古代中国を発祥とする陰陽五行思想では、陰と陽、木火土金水の5つの元素に分類して人体や世の中の事象の全てを読み解きます。

陰陽の概念を簡単にまとめるならば

陰の性質は暗く、重く、冷たく、固定されている
より物質的なもの

陽の性質は明るく、軽く、温かく、形の定まらない
より流動的なもの

というふうに考えてください。

言葉の印象や連想されるイメージから、陽が良いもので陰は悪いもののように捉えられがちですが、決してそういうわけではありません。
陽の性質も過剰になると様々な問題を引き起こしますし、陰の性質は物質としての生命が存在するために必要不可欠なものです。

肉体で考えると、身体を動かすためのエネルギー(食べ物で言えばカロリー)や運動そのものは陽です。
トラブルとしては、陽の性質の強いものは過剰になると炎症を起こしたり、急性の症状として現れます。
急激な痛みなどを伴うことも多いですが、しっかり休養を取って状況が改善されれば比較的早く治ります。
一時の暴飲暴食による胃炎や感染症による発熱、身体を酷使した結果の筋肉痛や怪我なんかがこれに当たります。

逆に陰の性質の強いものはすぐには変化が現れないものですが、じわじわと長期的に影響を及ぼします。
食べ物で言うと消化吸収した後の体内に残るものを陰と考えることができるでしょう。
生活習慣や姿勢など、固定化されたものも陰の性質が強いと言えます。
急性の症状のように今すぐなんとかしなければいけないということはあまりないのですが、運動不足による体型の崩れや体の重だるさ、生活習慣病など慢性的で治りにくいトラブルとして現れます。

感情面でも、喜びや衝動的な怒りなどは陽の性質で、表情や言動の変化としてその場で発散されます。
同じ怒りでも溜め込んでしまうようなイライラ、深い悲しみや恐怖などは陰の性質が強くなり、未消化の感情として肉体に溜め込まれて長期的に人の心身に影響を与え続けます。

※ 陰陽の過剰だけでなく不足によるトラブルもあるのですが、話が複雑になり過ぎるのでここでは割愛します。

陰陽
陰陽で見る心と身体

ここで陰陽の過剰で起こる心身のトラブルに着目すると、リラクゼーションや整体の施術で対応できるのは主に陰の性質の強いものということになります。
陽の性質に対してできるのは、緊張をゆるめてケガをしにくい状態を作ったり、リラックスしてガス抜きすることで怒りっぽさを軽減したり、あくまで予防的な範囲です。
もちろんそれも大切なことなのですが、陽の性質が症状として表に出ていたらそれはできるだけ早く即効性のある対処をすることが肝要なので、まずは病院の受診を勧めるのが正解です。

それに対して、陰の性質である姿勢や生活習慣、溜め込んだ感情や凝り固まった考え方などに起因する心身の苦痛については、施術で緊張を解くことで根本的に状態を改善するきっかけを作ることができます。

神経や筋膜の話に重ねると、性器周りと神経根を共有する腰から下や姿勢の維持に重要なインナーマッスルは、陰の性質の影響が出やすく慢性的な症状の原因になることが多いです。
性器や肛門を含むデリケートゾーンのことを陰部とも呼びますが、陰の性質のトラブルに対するアプローチとして、陰部の施術を取り入れることの恩恵はとても大きいものです。

五行思想で考える内臓と感情

ここまで陰陽についてざっくりご説明させていただきましたが、五行の考え方も知ると人間の心身と性の関係性がさらによくわかるかと思います。

陰陽の性質が具体的にどのように肉体に現れるのかを理解するのに役立つのが五行思想です。
陰陽五行思想に基づいた中医学やタオイズムでは、臓器や感情、体の組織や役割などをそれぞれ木火土金水の5つの元素に分類して人体を理解します。

五行思想における臓器と感情の関係性を簡単にまとめると

木は肝臓と胆のうに対応して
ストレスや怒りを反映します

火は心臓と小腸に対応して
喜びや興奮、焦燥感や憎悪の感情が現れます

土は膵臓と胃に対応して
不安や心配、考えすぎの影響を受けます

金は肺と大腸に対応して
悲しみを受けて罪悪感に囚われます

水は腎臓と膀胱、生殖器にも対応して
恐れや自己否定の感情を溜め込みます

この理論をベースに現代医学の知見と照らし合わせて発展した氣内臓(チネイザン)と呼ばれる気功療法では、以下画像のようなイメージに基づいて内臓へのアプローチを行います。

チネイザンにおける内臓と感情の関係図

基本的に下に描かれている臓器と感情(特に左側)ほど陰の性質が強く溜め込みやすいと思ってください。
そして特に重く解消しにくい感情は性器の周りに溜め込まれ、人の心と体を固定化して慢性的なトラブルの原因となります。

生殖器と同じように腰回りの背骨から神経がつながる骨盤内の臓器

S字結腸と直腸(大腸の左側)に溜まる失望や罪悪感
膀胱に溜まる恐怖の感情
子宮や前立腺に溜まる自己否定の感情

これらの感情は消化するのが非常に難しく、適切に処理しなければたとえ原因となった状況や環境がなくなったとしても、ずっと尾を引いてトラウマとして心身を縛り続けます。

トラウマによる不要な緊張を手放す

ぼくのお客さんの中には、幼少期の性的な暴行やいじめ、親からの虐待など、トラウマ的な体験を何年も何十年も引きずって、それがなくなった今も肉体的にも精神的にも苦しみを抱え続けている方が何人もいらっしゃいます。
そういう方たちは普段から体の緊張が強く施術をしていても力を抜くのが苦手ですし、特に下腹部は少し手をかざすだけでも身悶えして苦しみ出す方もいます。
施術を続けてもなかなか深部のこわばりまでは取りきれないし、ゆるめた体もちょっとしたストレスですぐに元のように固くなってしまうのです。

同じように嫌な体験をしても、それに対してどのような感情を抱くかで心身に現れる影響は変わってきます。
一時の怒りや悲しみとしてその場でしっかり感情を消化することができると、少なくとも原因となる相手や環境が目の前からなくなれば、その後もずっと影響を受け続けるということは起こりにくいです。
しかし、周りの言葉や本人の気質から、されたことに対して自分が悪いという感情が強かったり、もう恐怖の対象は目の前にいないのに不必要に恐れ続けていると、いつまでも尾を引くことになってしまいます。

トラウマとまではいかなくても、蔑ろにされるような恋愛関係や苦痛を伴う自分を押し殺すような性体験、親からの支配的な言動や過干渉、信頼していた人に裏切られた経験や自分自身の失敗による失望など…。
それに対して自分を責める方向で考えてしまったり、同じことが起こるのを恐れて過度に守りの姿勢を続けてしまうと、苦しみを抱え続けるばかりか、かえって同じような状況や人間関係を引き寄せてしまうことにもなりかねません。

肉体的には、感覚を鈍くしたり、逆に過敏にしたりして自分を守ろうとするので、感情に対応する臓器や周りの組織は動きを止めたり緊張して固くなります。
それが神経や筋膜のつながりを通じて体の不調として現れるので、原因不明の痛みや体の重さを常に感じることになるのです。

トラウマ的な感情による肉体の不調

裏を返せば、そうやって硬くなった部分をゆるめて心と身体の動きを取り戻すことができれば、溜め込んでいた感情を消化して前に進むことができるようになります。
そのためにも骨盤内の臓器(大腸、膀胱、子宮、前立腺)に直接つながる性器周りの施術は非常に効果的です。
実際、他の部分の施術では取り切れなかった体の深部の強張りが性器の施術で劇的に改善する例は多くあります。
トラウマが根深い場合は時間もかかりますし、抑え込んでいた感情が表に出てきたりして苦痛を伴うこともありますが、施術に性を取り入れることでできることの幅は格段に拡がります。

事故や暴力、大怪我や難産の経験、その他長期的に続く苦痛など、肉体的なトラウマと呼べるようなものも存在します。
精神的なトラウマと同様に、直後に適切な処理をすることができていないと、本来自分を守ろうとしての一時的な緊張が恐怖の記憶として体に刻み込まれてしまいます。
そうなるとやはり生き方や環境が変わっても不必要な緊張や苦痛が続くことになってしまうので、性器周りも含めて体の深部に残った硬さを取り除いてあげることが大切です。

また、食品や水、空気から人体に取り込まれたマイクロプラスチックや食品添加物のような消化できない化学物質(変化しにくい=陰性の強いもの)も臓器に蓄積されて、特に胎児の生育や精子の量に悪影響を与える可能性を指摘する研究もあります。
タイ古式マッサージの奥義と呼ばれるジャップカサイ(睾丸のマッサージ)やヨクトーン(子宮・卵巣のマッサージ)では、そうした体内に取り残された不要な物質を取り除くのにも性器周りの施術は有効とされています。

少し難しい話が続いてしまいましたが、腸や膀胱、子宮、睾丸など、排泄機能(月経や古い精子の吸収を含む)を担う臓器に働きかけることができることから、性器周りの施術には心身ともに深いデトックスを促す効果が期待できると考えていただくとわかりやすいかもしれません。
長期間排出できずにいる不要な物質や体の緊張、未消化の感情などを手放すことで、常態化している不調を改善し、それらに縛られずに自由に生きることができるようになります。

性エネルギーの本質

ここまで、陰の性質のマイナス面を解消するための性の重要性を語ってきましたが、プラス面にも焦点を当てていきましょう。

最も陰の性質の強い「水」に分類される臓器である「腎」は、東洋医学では成長、発育、生殖に関する働きを生涯にわたって担う生命力の源が宿ると考えられていて「先天の本」と呼ばれます。
これは両親から受け継いだ生命エネルギーを腎が宿しているということです。
腎は食べ物の消化吸収によって得られたエネルギーで補充されながら肉体を成長させ、新たな生命を生み出す力を蓄える役割を果たします。
陰の性質が物質的であるというのは、流動的な陽の性質から得たエネルギーを集中させて新たな物質を生み出す働きを持っているということでもあります。

何も子孫を残すという一事に限ったことではありません。
想像したものを現実に反映すること。つまり理想を実現するということこそが、性エネルギーを含めた陰の本質ということができます。

性に対して何かしらのブロックがある人であれば、そのブロックを取り外すことで生命力を取り戻してより活き活きと生きることができるようになるかもしれません。
逆に自分の性エネルギーをコントロールできずに振り回されている人は、エネルギーの巡りを整えることで、有り余る生命力を様々な分野に活かすことができるようになるかもしれません。

タントラ

古代インドの自然哲学でヨガの源流とも言われるタントラの思想でも同じようなことが語られます。
ヨガに触れたことのある人であれば、チャクラという言葉を耳にすることが多いかと思います。

地に足をつけて現実を生きる
生命力を司る第1チャクラ

自分の力で人生を創造する
自立心を司る第2チャクラ

自分らしさを確立する
自信を司る第3チャクラ

自分や他者に対する
愛を司る第4チャクラ

自由に表現する
表現力を司る第5チャクラ

人生をより良く生きる
智惠司る第6チャクラ

自分より大きなものとつながる
目的を司る第7チャクラ

ヨガの修行によってより高次のチャクラを開花させて、肉体や感情に囚われた人生からの解脱を目指すというのが基本的な考えです。
そしてその土台となるのが第一チャクラに宿る生命力であり性エネルギーです。

性だけではなく、食事や睡眠など、生命を維持するために必要なことや、見たり聞いたり触れたり、五感を通じて得る感覚を大切にすること。
つまりまずは自分の肉体を使ってしっかりと現実を生きること。

それによって、自立心や自信を得て、自分や他者への愛を育み、自己を表現し、智恵を得て、自分より大きなものとのつながりを自覚して生きる。
それがヨガの本質であり、修行僧ではないぼくたちにとっても大切なタントラの智恵です。

ヨガや瞑想だけではなく、日々の生活の中での行動や思考のすべてがそこに通ずるものです。
ただ人それぞれ、肉体的・精神的・社会的なしがらみによって様々な制約を抱えています。

整体やリラクゼーションの施術はそれらから解放されてより自由に生きるためのきっかけを作る手段の一つです。
そこで生命の重要な要素であり、生命力の根源ともされる性を取りこぼしてしまうのはあまりにも勿体ない。

「健全な施術」において排除されてしまっている性をなるべく自然な形でリラクゼーションと再融合させることで、人の持つ自由な可能性を解放するきっかけをつくるというのが月見想という試みです。

結び

だいぶ長い記事になってしまいましたが、ここまでお読みいただきありがとうございました。
性と心身の関係性について、なんとなくでもご理解いただけたでしょうか?

最後にこの記事でご紹介した性とリラクゼーションを融合させることのメリットをまとめさせていただきます。

  1. 心身のより深いリラクゼーションを可能にする
    施術の中で取り残される部位を減らすこと、自然に起こる性的な反応を否定せずに受け入れることで、心身をリラックスさせる妨げとなる要素を取り除くことができます。お客様とセラピストの間のタブーをなくしてしっかりコミュニケーションを取ることで、安心して身を委ねられる信頼関係を築き、不快感や誤解、セクハラなどの発生の防止にも繋がります。

  2. 今まで取りきれなかった慢性的な緊張や強張りを取り除く
    性器周りに集中する感覚神経を刺激したり、骨盤底筋を含むインナーマッスルをケアすることで、肉体の深部のつながりを通じて慢性的な緊張や痛みの解消が期待できます。眠っていた感覚や体内の動きを目覚めさせ、自律神経や内臓機能、ホルモン分泌の活性化も相まって、内側から自然と心身が整っていく状態を作ることができます。

  3. 心身の深いデトックスを促す
    性器周りの施術を通じて、体内に蓄積された精神的・肉体的な「不要なもの」を排出し、心身のデトックスを促進します。過去のトラウマや未消化の感情を解消することで、今の自分自身を受け入れて不必要なしがらみから解放され、より自由に自分らしく生きることができるようになります。

  4. 生命エネルギーを活性化させる
    肉体的・精神的なブロックを取り除き、生命力の根源である性的なエネルギーを適切に活用するための土台を整えます。内側から湧き起こる活力や自立心、自信を得て、良好な人間関係の構築や自己実現など、理想の人生を創造していくために必要な生命エネルギーの解放のきっかけを作ることができます。

  5. その他のメリット
    この記事では直接触れていませんが、ストレスの緩和や睡眠の質の向上、新陳代謝の活性化など他にも様々なメリットを挙げることができます。性器以外の施術とも重なるものではありますが、性の要素も取り入れることでより効果的なアプローチができることは間違いないかと思います。
    もちろん、女性ホルモンのバランスや骨盤内の血流改善による女性機能の向上、勃起不全や早漏・遅漏の改善、精子の質や量などの男性機能の向上、生理不順や生理痛、PMSの緩和、性交痛や不感症の改善、感度の向上や性依存からの脱却など、生殖器系の悩みの改善や性生活の充実にも繋がることが期待できます。

今回の記事でお伝えしたとおり、生殖器は他の体の部位と同様に大切でケアされるべきあなたの一部であり、人間の肉体と精神の深部・中心に位置するため、あなたの性との向き合い方は根源的なレベルで心身に強い影響を及ぼします。

もしこの記事を読んで共感いただける部分があったり、もっと深く探求したいと感じていただけたら、当店のnoteやSNSをフォローしていただければ幸いです。
これから様々な発信を続けていきたいと思っています。

そしてよろしければ、ぜひ一度当店の施術を体験してみてください。
リラクゼーションと性の調和を目指す新たなアプローチで、あなたが心身を解放してより自由で自分らしい生き方を手に入れるきっかけとなることができれば嬉しいです。

noteの最後に公式LINEとXのリンクを貼っておきますので、興味はあるけどまだ迷っている、不安があるという方は、まずはご相談だけでもお気軽にお問い合わせください。

月見想マネージャー 日影想弥

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?