月影 羽

月影 羽です。 文豪が好きです。文豪は、忠実はもちろん、ゲームやアニメのキャラクターに…

月影 羽

月影 羽です。 文豪が好きです。文豪は、忠実はもちろん、ゲームやアニメのキャラクターになっている方々も好きです。 自作の小説には #月影ノベルワールド というハッシュタグを付けていますので、ご覧下さい。

マガジン

  • お菓子な川流れ

  • おしまい

    私が以前書いた物語を添削しながら連載しております。 完全なる不定期更新なので期待しないでください。 昔話をイメージした物語、いつも喧嘩ばかりの狐と狸がお爺さんとお婆さんのためにあーだこーだします。

最近の記事

暇詩(Twitterでハッシュタグ検索すると出てきます)

夕焼けと 言うには暗し 夕闇と 言ふには明し 午後五時の なかなかなる 空の色 すずろにそれが 麗しきかな

    • お菓子な川流れ 2こ目

      「強い方が正義」  暫く川を流されていて、ぼんやりしていた時。ふと頭を横切ったその言葉。昔、誰だかに教えてもらった。  当時の私は納得出来なかった。正義に強いも弱いも関係ない。一人一人の正義があるんだって、そう思っていたから。  だけど、そうだね。  今納得いった。私は、村人らの正義に負けちゃったから、こんな川に流されているんだよね。強かったら、私は最後まで自分の正義を貫けていたんだ。  貴方の言葉は正しかった。  正直悔しかったんだ。何で私がこんなお菓子な罪を背

      • お菓子な川流れ

        「縄を切れ」  村長さんの合図で、ボートを繋ぎ止めていた縄が切られた。ボートはゆっくりと川を泳ぎ始めた。  私はこっちを見つめる村人らを一瞥すると、目線を上にし、小さなボートに寝転がった。もうあの人達を見ることはないんだな。そう思っても、あまり悲しくはなかった。  すると、甘空が目に入って来た。空に浮かぶ綿飴が集まってきた。綿飴も普段は白いのに、こうやって集まるととっても暗い。  甘空はポツポツといいながら、味のない甘水を落として来る。  私はただぼーっとそれを眺め

        • 月を観たのはぼくだけ

          「お母さん!月は動くんだよ!」  5歳にもなる息子は、月を見ながら無邪気にそう言いました。 「そりゃぁ月だもの。動くわよ」  私は、クスリと笑ってからそう返しました。 「お母さん!月はね、下の方にいると赤くて、上の方だと黄色いんだよ!」 今は夏。月が低い位置にあると赤くなり、高い位置にあると黄色く見えるのはよくあることでした。  ですが、息子はそれが人類最初の発見の様に、さっきから私に報告してきます。 「ねえねえ、お母さんは二つとも知ってたの?」 「知ってたわよ。

        暇詩(Twitterでハッシュタグ検索すると出てきます)

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        • お菓子な川流れ
          2本
        • おしまい
          4本

        記事

          どんな依頼でも手段は選ぼう!

           ハッハーハ!!やあやあ皆さんこんにちは!私は祓屋!  え、いつもと口調違う?嗚呼、君達が言ってるのは別の人じゃない?あれでしょ?武士みたいな口調の人でしょ?残念!私はその人じゃないよ!私は二人目さ!!うーん、言わば助手みたいな?まあ仕事内容は同じだけどね!  違うことと言ったら、もう一人の方は仕事の為には手段を選ばないけど、私は選ぶことかな?  私と君達がここで出会ったのも何かの縁!だから、私の仕事ぶりを皆んなに魅せてあげよう!!  とゆーことで!私は依頼人の家に来

          どんな依頼でも手段は選ぼう!

          先生と言う名の生き物は存在しない

          「なあ、あの先生の授業つまんなくね?」  荷物を片して教室を出たときに、不意にそんな言葉が聞こえてきた。  しかし私は気づかないふりをして歩いて行った。来たくもない学校に来て、会いたくもない私に会って、受けたくもない授業を受ける。愚痴ぐらい容認しなかったら、生徒が潰れてしまう。  と言うか愚痴に対して態々文句を言う奴っているのだろうか?  そんなことを半分、次の授業のことを半分くらい考えながら私は、次の教室に行った。  チャイムと同時に教室に入り、号令をさせてから授業を始

          先生と言う名の生き物は存在しない

          翻訳

          「私あの人のようになりたい」 「無理だ。お前ではあの人のようになることはできない」 「私あの人のような作品をつくりたい」 「無理だ。お前ではあの人と同じような作品はつくれない」 「……なら、私あの人を超えたい」 「無理だ。お前は一生あの人を超えられない」  お父様はいつもいつも私を否定する。人に憧れを持つことの何が悪いっていうのか。そしてなぜそれが無理なのか、その根拠が全く分からない。  お父様はいつも言葉足らず。肝心なところは言わずに、自分で考えさせるのは良いことかも

          神耗(しんこう)

           彼は肯定した。 「私って生きる価値無いよね」 と言われれば 「人間誰しも生きる価値なんてないさ」 と言い 「価値の無い私って生きても良いのかな」 と言われれば 「価値が無いから生きちゃいけないなんて決まりはない。生きたいなら生きれば良い」 と言った。 とまあ、彼はこんな具合でその人の人格、行動……その人自体を肯定していた。他にも色々あるが、端折らせてもらおう。  そんな彼は一部の人からは「イエスマン」と貶され、一部の人からは「自分を肯定してくれる」と好か

          神耗(しんこう)

          天才なのはその子じゃなかった

           私の友人には天才がいる。その子は私と同じ中学二年生だ。その子はいつもテストで全教科満点、通知表もオール5。全国模試でも1位。(任意で結果を見せてもらった)  本人にいうと無視される。学力を褒められるのは嫌いなのだろうか?  今日は図書館でその子に勉強を教えてもらっていた。私から見て天才のその子に教えてもらうのはついていけるか心配だったけど、その子は私にも分かりやすく、丁寧に教えてくれた。  何気に先生より分かりやすいと思う。もう先生の授業受けないでこの子の授業受けてい

          天才なのはその子じゃなかった

          猫の前でも手段は選ばぬ

           私は祓屋。人を祓う仕事をしている。その為に手段は選ばぬ。  今は、先刻承った依頼をこなす為に或るアパートの前の駐車場に来ている。その駐車場にはあまり車は止まっておらず、暖かい光が砂利を照らしていた。  私は換算機の真横にあるベンチに腰掛け、茶を啜っていた。  かれこれ20分くらいだろうか。ここに来てから対象者どころか人が一人も来ない。来ると言ったら人馴れした猫くらいだった。  この猫は私の飲んでいる茶を欲しがっているのか、にゃーにゃーと鳴いては私によじ登ろうとする。

          猫の前でも手段は選ばぬ

          依頼であれば手段は選ばぬ

           私は祓屋。この名を言うと陰陽師を連想されたりするが、そうではない。私が祓うのは“人”だ。   不良を祓ったりテロリストを祓ったりモンペを祓ったり……依頼されればどんな人間だろうと祓う。  そこに手段は選ばぬ。不良ならば痛め付け、テロリストなら殺す。モンペは面倒だが口論。面倒だが。  この仕事は時に人も殺すが、殺し屋ではないのて勘違いせんでほしい。殺し屋は悪魔でも手段だ。故に〇〇を殺して欲しい等の依頼は断っている。  この祓屋をやっていて面白いのが、以前に私が祓った奴が

          依頼であれば手段は選ばぬ

          意味なんてありません

           ここは戦いの世______どうもみなさん初めまして。名前は捨てたので自己紹介がしづらいです勇者(?)です。  自分の仕事は魔王を倒すこと……ではなく、最近荒れ狂っている魔物を倒すことです。魔王はいません。  そして自分は強いです。強敵もワンパンです。  そんな自分には大切と思う人がいます。最近できました。その人も同じく勇者で、自分ほどとまでは言いませんが、かなり強かったと思います。  そんな彼はよく言います。 「お前は強いな!俺も頑張らなくちゃな」  彼は本当に努力家

          意味なんてありません

          原因は手品ではなく貴女でした

          「ハッハーハ!!どうかなこの手品!面白いかい!?」 「貴女の叫び声がもう少し静かだったらもっと面白かったよ」 「えーそんな酷い!!」 「貴女は叫ばないと死ぬ病気でもあるの?」  自分は今道化師を名乗る女の手品を見ている。その手品は本物の魔法じゃないかと思う程の出来で、全く見破れない。  手品に興味なかった自分も驚いた。  しかし、この女の叫び声は矢張り煩い。ここはサーカスでもなく、単なる土手なため通行人の目も痛かった。こいつは気にならないのだろうか。  翌日、別に来

          原因は手品ではなく貴女でした

          父上、お手伝いしましょう。

          「父上、母上はどこでしょうか!」 「今朝からお見えになる黒い方々は誰なのでしょうか」  妻が死んだ翌日、葬式の準備で忙しいそんな時、息子と娘が聞いてきた。俺は二人が、死について何も知らない、そんな二人が哀れに思え、そして憎たらしく思え、あえて真実は語らないことにした。 「母上は神の手伝いをしているのだ。今朝からいる黒い人達はその関係者の方々だよ」 「なるほど!母上はいつお戻りになるご予定ですか!」 「さあ、神も忙しいと仰っているからね。もしかしたら当分は帰れないよ」 「そ

          父上、お手伝いしましょう。

          貴方のアバターはコンクールで銀賞を取りました。

          「期待しているからね」  親や先生にそう言われて臨んだコンクール。自分はこのコンクールに向けて、特にこれと 言った努力をしなかった。学校で設けられた時間以外に練習はしなかったし。  故に、期待されても普通に困る。このコンクールはポイント制で、70点以上なら全員銀賞がとれ、80点以上なら全員金賞が取れるという仕組みだ。銅賞は忘れた。  自分の結果は既に帰ってきた。___結果は銀賞。まあ、予想は出来ていた。というか銀賞とれるだけ凄いレベル。先にも言った通り、努力しなかったの

          貴方のアバターはコンクールで銀賞を取りました。

          おしまい「4話」

           幸夫郎は、いつも通りお爺さんのお手伝いをする為に畑に来ていました。幸夫郎の足取りは軽く、時々大粒が見える霧雨を捕まえようとしたり、いつの間にか出来ていた小さい水溜りを蹴ったりしていました。……しかし、畑に着くと、その足は重くなったようにゆっくりになり、やがて止まりました。 「なんだ……こりゃあ」  今まで頬を上にあげて、遊びに行くのが楽しみな子供の様だった顔が一転。瞳全体が見える程に目を見開き、口も半開きで震わせ、霧雨を掴もうとしていた手は行き場を無くしたかの様に空中を

          おしまい「4話」