どんな依頼でも手段は選ぼう!

 ハッハーハ!!やあやあ皆さんこんにちは!私は祓屋!

 え、いつもと口調違う?嗚呼、君達が言ってるのは別の人じゃない?あれでしょ?武士みたいな口調の人でしょ?残念!私はその人じゃないよ!私は二人目さ!!うーん、言わば助手みたいな?まあ仕事内容は同じだけどね!

 違うことと言ったら、もう一人の方は仕事の為には手段を選ばないけど、私は選ぶことかな?

 私と君達がここで出会ったのも何かの縁!だから、私の仕事ぶりを皆んなに魅せてあげよう!!

 とゆーことで!私は依頼人の家に来ているよ!!依頼人は一人暮らし!女性みたい!

「ハッハーハ!!初めましてお嬢さん!依頼内容は何ですか!!」

 私はインターフォンを鳴らしながらそう言った!

 数秒して、中から女性が出てきた!依頼主のようだね!!

「祓屋さん、中へどうぞ」

 女性はドアを半開きにしながら外を覗く様にして言ってきた。アレ、もしかして怯えられてる!?

 それを聞くタイミングを逃した私は、女性に案内されるがまま中へ入ったよ!

「へえ!ここがお嬢さんの部屋!?」

 私がそう聞くと、女性は小さく頷いた!そして何か喋り始めた!!

「今回の依頼内容ですが……その私、変な人に付き纏われてて……たまに家にまで来るので……」
「ふむふむ、追い祓って欲しいのかい?」

 女性はまた頷いた!

「Понял!だけど何で私達に依頼したの?警察でも出来そうだけど……」
「……お前なんかに付き纏いなんて無いから警察に相談するのなんて意味ないって家族にも言われてて…」

 わぁー!そうだ思い出した!!前に依頼してくれた人も同じこと言ってたなぁ!付き纏いされていると思う=自惚れって何なんだろう!?警戒心強いのは良いことじゃん!

「Ну, неважно!依頼は承ったよ!祓ったら連絡するね!」
「はい……お願いします」

___てことで所変わって私が今いるところはさっきの家の屋根の上!!バレない様に伏せているよ!静かにしなきゃいけないのも辛い!

 付き纏いかぁ、盗聴器しかけられてたらさっきの会話丸聞こえだけど大丈夫なのかな!?これで「今日は来ません」だったら私すっっごい暇な時間過ごして終わりだよ!!えそんなの絶対ヤダ!

 依頼主は怖いだろうけど、早く来ないかな付き纏いさん!早く依頼をこなしたいよ!

「そろそろここで伏せるのも体が痛くなってきたなぁ……!」

 私はそう呟いて体制を変えようと起き上がろうとした!(叫ばなかったよ、偉くない?)……だけどそれは「しようとした」に終わっちゃった!!
 ……誰かに踏まれてる!?

「祓屋さん、初めまして」

 背中から男性の声が聞こえた!

「もしかして、この家の人を付き纏ってる方かな!?」

 すると、男性は私の背中に足をめり込ませて言ったの!そして地味に痛い!!

「俺が彼女を愛しているからだ!」
「本人確認をしただけだよ!!違う人を祓えないでしょ?!」

 てか理由になってるのかなそれ?

 私がそう言うと、男性は鼻で笑ってきた!!

「余裕そうにしてんなぁ、俺がこのままナイフで刺したら終わりだろ?」
「うーん!確かにそう!私はもう一人とは違って、肉体はそこまで強くないからね!!」
「祓屋の名前は聞いたことあるし、複数人でかかって行っても返り討ちにされるってのも知ってたが……お前は名前だけで実力はねえな」

……わぁ、酷い!手段を選んでるだけでやられてる訳じゃないよ私!?どうやって君を祓おうか考えてるんだよ!?

 でももう良いや!決まったし!

 その時後ろから金属音が聞こえた。よく見えないけど、さっき言ってたし多分ナイフかな!?

「取り敢えずお前は二度と仕事出来ないようにさせてやるよ」

 男性はそんなことを言った。だから私は応えた!

「ハッハーハ!!足を怪我させてしまうね!!」

 私は空いてた手で、私はアピアリングケーンを展開させた!


「イッ…がアアアア!」

 私が展開させたアピアリングケーンは、見事に男性の脹脛に命中!男性はその痛みに悶えているみたい!!いやあコレ使い方間違えると怪我しやすいんだよねぇ。

「君はこのナイフで私を殺そうとしていたの!?」

 私は立ち上がりながら、悶えてる男性に向かって言った!

「テメェ……!」
「アレ、形勢逆転したのに威勢が良いね!良いことだ!」

 うんうんと頷きながら、私は男性の持っていたナイフでその背中を刺した。垂直、綺麗!

「ガァア!」

 これは多分致命傷って奴かな?知らないけど!

「哀れな君に教えてあげる!もう一人の祓屋はね、依頼のためには手段を選ばないんだ!でも私は選ぶんだ!君を祓うにも、手段を選んだんだよ?」
「なら助けてくれ……!命だけは……!!」

 さっき私を罵ったのに!頼む人の態度じゃなかったなぁ!何気に傷付いたんだよ私?……ふふ、良いけどね!だって、

「君は何か勘違いしてないかい?私は手段は選ぶって言ったけど、それは殺すとか殺さないじゃない。“綺麗に殺る”って意味さ!!」

 男性の顔は一瞬で青ざめた!中々面白い光景だね!

「それでは、第二の人生がアレば良いね!!」


「お嬢さああああん!!終わったよ!」

 祓い終わった私は、玄関からまたお嬢さんを呼んだ。

「聞こえていました……ありがとうございます」

 女性は玄関から出てきて、はにかみながらそう言った!

「やはり貴方に依頼して正解でした……」

 え、そうかな!?殆ど君怯えてなかった!? 

「貴方みたいにフリーに接してくれると、変に気を使わずにいられるので……」

 曰く、私の性格はこの女性にとって安心するものだったらしい!無理に返答する必要も無く、でも会話は進むと言う、気を使わない関係っ言うのが良かったみたい!詳しいことは覚えてないけどね!

「今日はありがとうございました……これ、お礼ですが……」

 女性がそう言って取り出したのは、私が何気に食べたかったチョコレート!!

「わあ、依頼料まで貰ってるのに良いのかい!?」
「はい……これくらいしか無いですけど……」

 “くらい”何て思わないけどね!でもご好意に甘えて貰おうかな!もう一人の子にも分けてあーげよ!

 さて!私の仕事ぶりはどうだったかな?少なくとも「手段を選ぶ」の意味は分かったよね!!汚くなるのって、私好きじゃないからねぇ。奇術師としての名も汚れちゃうよ!まあもう一人の方は全く気にしないんだけどね!

 それではここまでありがとう!またのお越しを!

До свидания!!


翻訳

Понял→了解しました
Ну, неважно.→まあ、それは問   
      題ありません
      (まあ、良いやの
      ニュアンス)
До свидания.→さようなら

「て感じだよ!私はもう一人の祓屋にもチョコレート分けて来るね!!」

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