マガジンのカバー画像

パッション・アセットの世界を知ろう

13
アート、ワイン、ウイスキー、木材、時計からベンチャー投資まで。社会を彩る知られざる「情熱の資産」について語ります。
運営しているクリエイター

記事一覧

MissSAKE候補者への「お金と投資の授業」から私が学んだこと

MissSAKE候補者への「お金と投資の授業」から私が学んだこと

先月のことになるのですが、一般社団法人MissSAKEの2024年の候補者の方、16名に「お金と投資の授業」をしてきました。

MissSAKEさんは、日本酒の海外普及を進める団体でして、外務省や経産省などの後援を受けて、かれこれ10年以上、日本酒の積極的な広報活動を世界に向けて行っています。

毎年、各県の代表から、その年のグランプリンを1人決めますが、選考は半年にも及びます。その期間に、お酒、

もっとみる
ワイン🍷オークションの下見に初めて行ってきました②

ワイン🍷オークションの下見に初めて行ってきました②

同記事の後編です。前編はこちら。

先週にワインオークションの下見会に初めて参加してきました。百聞は一見にしかず、色々な驚きと学びがあり、私の新しいトウシのトビラが開きましたのでNOTEしておきます。

・多品種少量であるワインの魅力の奥深さ

基本的にワインは多品種少量生産です。シャンペンなどでは大手資本がはいっていてブランド化されているネゴシアン物(桶買いもの)も多くありますが、一般的には畑自

もっとみる
ワイン🍷オークションの下見に初めて行ってきました①

ワイン🍷オークションの下見に初めて行ってきました①

皆さん、ワインはお好きですか? 愛好家の方であれば、家でワインセラーを持っている方も、割といらっしゃることでしょう。

私、先週にワインオークションの下見会に初めて参加してきました。百聞は一見にしかず、色々な驚きと学びがあり、私の新しいトウシのトビラが開きましたのでNOTEしておきます。

現代では、例えばインターネット証券などで、クリック一つでスマホから、金額100円から「資産」が買える便利な時

もっとみる
アートオークションの下見会に初めて行ってきました。

アートオークションの下見会に初めて行ってきました。

知人の画商の方にお声かけを頂いて、アートオークションの下見会に初めて行ってきました。SBIがやっている以下のオークションです。

この画商さんの勉強会で「普通の人がアートを買われるならオークションで買われるのがいいですよ」という僕にとっては意外な発言を聞いたのがきっかけです。デパートは本物間違いないけど2~3倍の値段、ギャラリーは様々な作品から選ぶことができないし値段が不透明。それならオークション

もっとみる
ワインが投資になるって聞いたのですが・・・⑤

ワインが投資になるって聞いたのですが・・・⑤

前回記事はこちら↓

ケイ:なお、①のワイン投資においては、業者からワインを購入する時、売却する時、共に、ワインの流通業界における「卸値」で取引をするのが基本です。具体的には、ワイナリーの出荷価格に5〜10%程度の卸業者のマージン(利益)を乗せた価格に、倉庫までの輸送量や各種税金などを加えた金額が、個人の投資価格になりますね。その後の保管料は、場所によって異なりますが一本100円/年〜といったとこ

もっとみる
新NISA"から見える「京都・西陣織」、我々に必要な投資リテラシーとは何なのか?

新NISA"から見える「京都・西陣織」、我々に必要な投資リテラシーとは何なのか?

先日に東洋経済オンラインからリリースされた前編と中編に続き、第3弾の記事をリリースしました。

新NISA"から見える「京都・西陣織」復活、3つの解
日本人が今こそ磨きたい「投資リテラシー」は?

西陣織の素晴らしさと、産業として非常に厳しい状況におかれている中での進むべき道を考えてみました。

“たとえわずかな金額でも、個人が何らかの意思を持ってお金を振り向けることが、社会を大きく変える可能性が

もっとみる
ワインが投資になるって聞いたのですが・・・④

ワインが投資になるって聞いたのですが・・・④

前回記事はこちら↓

ケイ:そして、先々のファインワイン価格がどうなるか、皆さんが一番気になるところかもしれませんが(笑)、その根本は「投資の本質」に戻ります。ファインワインが、世界中のより多くの人に受け入れられ「人々の豊かさと幸せ」を増やしていくのか、ですね。ファインワイン産業に魅力を感じるのであれば、消費者として「飲む」という形での参加に留まらず、ファインワイン産業に「貯蔵する事業家」として参

もっとみる
1500年の伝統がある「西陣織」は消滅してしまうのか?

1500年の伝統がある「西陣織」は消滅してしまうのか?

先日に東洋経済オンラインからリリースされた前編「世界が憧れる京都「西陣織」はエルメスになれるか」に続き、第二弾の記事をリリースしました。

中編:「1500年の伝統「京都・西陣織」まもなく消滅するか」
    世界も憧れる「日本の伝統工芸」の"最大の危機"

誉田屋源兵衛10代目と4時間ほどお話しさせてもらい、西陣織の素晴らしさを理解しました。ただし、産業として非常に厳しい状況におかれていることも

もっとみる
世界が憧れる京都「西陣織」はエルメスになれるか

世界が憧れる京都「西陣織」はエルメスになれるか

先日書いた記事、「西陣織はパッションアセットになるのか?」で頭出しした京都で西陣織の取材に行ってきました。いやはや、紛れもないパッション・アセットでした!!

誉田屋源兵衛10代目と4時間ほどお話しさせてもらい、昼飯には出前の鍋焼きうどんを食べながら、織元と工場の見学というフルコースでご案内をいただきました。もう言葉にできないぐらいの情報量で、感動したことも多く、とにかく勉強になりました。下の方で

もっとみる
ワインが投資になるって聞いたんですが・・・③

ワインが投資になるって聞いたんですが・・・③

前回記事②はこちら・・・

ケイ:あるフランス人のワイン卸の業者に聞いたら「あるワイン投資家が1ダース12本を買うと、10本は投資に回し、2本はギフトとして配る。その後、毎年1本づつ飲んでいくイメージです」とのこと。世界の富裕層に向けた調査では、富裕層の3割弱がワイン投資を行なっているとされていますが、その内の7割が「お金のためだけにワイン投資を行なっていない」と答えています。つまり、自分で楽しん

もっとみる
西陣織はパッションアセットになるのか?

西陣織はパッションアセットになるのか?

今度、西陣織の有名な作家さんに取材をさせていただくことになり、京都の西陣織の博物館や美術館に事前リサーチに出かけてきました。各先で学芸員の人を捕まえて質問攻め、機織り機で30cmの作品作りを体験して、工場で職人さんとも話させてもらいました。

ところで、パッションアセットという言葉、皆さんご存じですか?「情熱の資産」という日本語訳になりますが、作り手の情熱や、保有する方の情熱などが注ぎ込まれている

もっとみる
「ワインが投資になる」って聞いたんですが・・・①

「ワインが投資になる」って聞いたんですが・・・①


当マガジン「パッション・アセットの世界」では、アートやワインなどの情熱の資産から、え、こんなものまで投資??と思えるような我々の世界の投資を取り上げていきます。

ワインが投資になるって聞いたんですがの、全5回の連載の初回は、ファインワイン産業の仕組みについて、私こと「ケイ」が同僚の「アキラ」の質問に答える形で、ワインへの投資について詳しく解説します。

ワインの世界市場とファインワインアキラ:

もっとみる
「ワインが投資になる」って聞いたんですが・・・②

「ワインが投資になる」って聞いたんですが・・・②

前回記事①はこちら・・・

アキラ:なるほど。投資家という今まではワイン産業にいなかったプレイヤーを呼び込むことで、ファインワインという産業を発展させることができた訳ですね。そして消費者においても美味しいワインを飲む機会が広がる。

ケイ:はい。元々、ファインワインのエコシステムは、5大シャトーで有名なフランスのボルドー地域のワイナリー、イギリスの有力ワイン商人達、そして資金的に余裕がある欧州の貴

もっとみる