ワイン🍷オークションの下見に初めて行ってきました①

皆さん、ワインはお好きですか？ 愛好家の方であれば、家でワインセラーを持っている方も、割といらっしゃることでしょう。

私、先週にワインオークションの下見会に初めて参加してきました。百聞は一見にしかず、色々な驚きと学びがあり、私の新しいトウシのトビラが開きましたのでNOTEしておきます。

現代では、例えばインターネット証券などで、クリック一つでスマホから、金額100円から「資産」が買える便利な時代です。魚や青果などセリは幅広く残っているものの、かつて証券取引所で手サインを送っていた「場立ち」の人も完全に消えてしまい、人々が集まり「資産」を交換する取引所とは何なのか、オークションとは何なのかが実体験として学びにくい世の中になっています。今回、それらのそもそもの原点に触れることはとても有意義でした。

参加した下見会はTopLotという会社が主催しているオークションのもので、東京の虎ノ門で年４回ほど開かれています。会社のHPは下です。

ワインオークション - TOPLOT

TopLotは、大手のオークション会社の主要メンバーが独立してできた会社で、現在はワインのオークション事業を中心にやられていますね。日本では、美術やアートは片手ぐらいの会社がしっかりしたオークションをやっていますが、ワインオークションハウスの数は少なく、現在はこのTopLotぐらいかと思います。下見会の雰囲気はこんな感じです。

壮観！！いやはや、すごいワインボトルの数ですね。全部合わせると時価推定2億円とか。。。

スケジュールとしては、下見会が１日、オークションが２日間で行われていまいた。今回は3000本以上が出品されて、下見会には半分程度が並んでいます。

数千本の色とりどりのボトルの中には、普通のボトルの倍の大きさのマグナムボトルや、さらに大きな4倍サイズのダブルマグナムのボトルもあります。巨大ボトルは元々の生産量が少ない上に、通常サイズのボトルよりゆっくりと熟成して美味しくなる、と言われています。大きめサイズのボトルを家に置いている人は殆どいないと思いますし、なかなかマグナム以上にはお目にかかれないので、お店などでマグナムが開けられる時はテンションがそれだけで上がりますね。

ダブルマグナムボトル

オークションを紹介した冊子の目次はこんな感じです。見ての通り、米国からスタートして、ドイツ地方、イタリア、オーストリア、スペインなど、各地方までのコレクションが並んでいます。ボルドー、ブルゴーニュは複数に分かれていますね。そして有名なコレクターからの出品となる場合は、〇〇氏コレクションとなっています。

オークションは二日に渡って長々と続きますが、この目次を見て、自分が興味のある時間帯のセリに参加することは可能とのこと。それでは、以下に私が当日に驚いたことなどを中心に書いておきます！！

・その数がすごい！保有者の生存中に手放されたワインが多い

1500本ほどのワインが並べられていましたが、これらをここに運んで陳列するだけで、相当大変だっただろうなと。。。

TopLotの目利きのスタッフ達が、日本全国の独自ネットワークから、オークションの出品に資するとしたものだけがここに集まっています。この規模で年４回も開催している訳でして、日本だけでも相当な数のワイン愛好家がいる、そしてすごい数のファインワインが個人で保管されているのだなとリアルに感じることができました。

ワインは一本づつ、ビニールで包装されてロット番号がついています。そして、ワインの品質維持を考えて部屋にはクーラーがかなり効いています。ある意味で冷蔵庫の中にいる感じなので、半袖などで行ってしまうとちょっと寒過ぎるかと思います。

話を聞いている中で面白かったのは、アートや美術品は保有者が他界したタイミングでオークションに出てくることが多いが、ワインは生存している間に出てくることが多いということ。毎日のように飲まれるワイン愛好家の方は、どこかの段階で健康上の理由で飲酒にドクターストップがかかり、そのコレクションを泣く泣く手放される方が多いのだとか。

・主に一本づつの単位でオークションにかけられる

ファインワインは12本１ダースを木箱で買う文化があります。良く言われるのは、３本は自分で飲んで味見をして、３本は誰かにプレゼントする。残り６本は保管して、将来の特別な日に開けるために保管する、です。

ただし、オークションでの多くの出品は一本づつでなされていました。カタログ本やネットで見れますが、それぞれ一本づつの産地や畑や年やブランドなどが、全て記載されて出品されています。

参考価格も書いてありまして、それは一本あたり3万円〜300万円（1番高いのはロマネコンティでした）、中心価格帯５〜10万円になると思います。この本を作るだけで大変だと思いましたし、よく聞く有名なワインの名前と価格がざっと一覧できるので眺めているだけで楽しいですね。

下は1ページ目でカリフォルニアのオーパスワンのページです。

もちろん２本、３本、12本でとかの出品もありますが、基本的にはより小口にして提示した方が、より多くの購買者が参加できる、そして売主のためになる、という背景があるようです。

・出品は、日本のコレクター約100名の方から

今回の3000本の出品元は、酒販業者さんではなく個人の方からの出品が殆どとのことで、これも驚きでした。

ワイン愛好家の方達は、コレクションの本数が、自分が飲める範囲を超えてどんどん増えてしまう、とよくお聞きします。多品種少量であるワイン独特の魅力に加えて、人間の収集癖や流通の特徴などが複雑に絡み合っているようです。ワインは醸造酒という芸術品であり世界に２本と同じものは存在しません。同じブランドと年数であっても、紹介されたその時を逃すともう2度と巡り会えないということもあるでしょう（基本、全てが限定品ということ）。また、販売者に良いワインを先んじて卸してもらうためには、常日頃から何か買っておかなければならないという誘因もあるようです。

後編へ続く

※ご参考↓ 　過去、ワイン投資とは何？という初心者向けの記事を全５回で書いています。興味ある方は覗いてみてください。