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不登校もひきこもりも終わりではない

息子二人が不登校になったとき、酷い絶望を感じた。
引きこもりになった時は、勿論もっとしんどかった。。
「ここが地獄の風景なのか。」と思ったものだ。自分の吐く息が黒いように
感じられ、心も体も鉛のように重く、目を閉じると青白く脱力した息子が湖の底に真っすぐ沈んでいきそうになっている。
私は水面から必死に息子の手を放すまいと力をこめて握っている。
なんとかイメージの中だけでも息子を引き揚げようと必死で引っ張るのだが、全く上がらない。
僅かに体が持ち上がっても、高校生の息子の身体を母親一人の力では持ち上げられない。本人が目を開き、自分で這い上がらないと助からないのだ。

今まで経験したトラブルとは違う、笑って済ませられた子供同士のいざこざとは今回ばかりは違うのだと、母親の直観が警報音を鳴らし続ける。
そしてその勘は間違いではなかった。
カウンセラーにも、担任の先生にも相談してみた。
しかし答えは見つからなかった。
全く事態を正確に把握出来ていなかった私は相当間違った対応をしたと思う。
本当に可哀そうなことをした。。
あの時、間違えなければ・・・。何度も思った。でも、何年も経った今だから言えることだけど、誰かにこうするとなんとか
乗り切れるという方法を教わって不登校から一時的に逃れても、根本的な問題解決にはならなかっただろう。

いじめや進路や家族のこと。子どもの身体の中に蓄積してしまった疲労を、家族全員がそれぞれ自分の問題として向き合って手放していく必要がある。
息子のどちらかでも、あのまますんなりと東大やらそこら辺の大学に進学して、何も問題を抱えていないフリをして進んでいたらどうだろうかとたまに思う。
昔の私はそれでいいと思っていた。
でも、今現在の私は違う。絶対に嫌だと断言出来る。今の方がいい。

不登校、引きこもり・・・
地獄の中をさ迷っているご本人。そして親御さんが沢山いると思う。
痛いほどその気持ちが理解出来る。
その暗闇は永遠に続く地獄ではなく、再生の扉へ続く道でもある。
びっくりするほど幸せな未来だってまだ閉ざされたわけではない。


ただ、ひとつ思うのは、一刻も早く。急いだほうがいい。
本当に深刻な事態であることを、親が一秒でも早く理解することだ。
中途半端な理解だと地獄の扉が開いてしまう。
のらりくらりと頷くことしかしてくれないカウンセラーなら他に変えてもいいかもしれない。薬だけ出そうとする医師には本当に必要なのか質問してほしい。
別れたあとで今会ったことを後悔するママ友なんて切っていい。
耳が痛くても本当にわが子を助けてくれるカウンセラーや医師、
第三者に助けを求めて、家の中を元気が出る場所に変え、何があっても
どうせ大丈夫なのだと信じるのだ。

五年間見てほしい。そんなに?そんなに、だ。

五年経った時、振り返ってこれで良かったと思える時は来る。



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