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「メンタルの強い人」が無自覚でやっている5つのこと

 ロシアがウクライナへ侵攻し、日本のムードが一気に暗くなった。「テレビで報道を見ていると涙が出てくる」といった、メンタルを追い込まれていそうな言葉も聞きます。

◼︎暗いムードのときは「心を守れ!」
暗いニュースが起こると、ついそのことで頭がいっぱいになってしまう。現状では日本が戦争に加担する可能性は低いが、「徴兵制になったらどうしよう」と、議論をすっ飛ばした不安が頭によぎる。こういった状態が続くと、メンタルはもたない。

そういった「心のピンチ」で役に立ったのが、「レジリエンス」という考え方。レジリエンスとは、心の回復力を意味する言葉だ。

「心が強い人」とは、傷つかない人のことだと勘違いしてしまう。確かに、中には鈍感力を活かして人生で傷つくことなくやっていける人もいるかもしれません。しかし、大多数の人は傷つきやすく、もろい。そこで大事になるのが、回復の速度。

 どんなにショッキングなニュースに襲われても、ストレスがかかっても、レジリエンスがあれば、復活できる。大事なのは、傷つかない心を育てることではなく、傷ついても復活することなんです。

◼︎レジリエンスを高める5つの方法

 (1)さまざまな視点で物事を考える

 まず、「もうだめだ、日本は戦争になるんだ」「コロナで日本は壊滅する」といった意見が思い込みであると気づくことだ。

 日本は戦争になるかもしれないし、ならないかもしれない。コロナで日本は壊滅するかもしれないし、しないかもしれない。この「しれない」という可能性をたくさん持っておくことが、心理的安全性につながる。

 もし、日本が戦争に巻き込まれず、コロナの影響もさして受けないのなら、大事なのは日常を穏やかに生きることだ……といったように、冷静な視点を取り戻せるからだ。

 (2)気持ちの切り替えスイッチを持つ

 落ち込んだとき、自分をご機嫌にする「スイッチ」を意図的に作ろう。そうすると、いざ衝撃的な事件が起きても、心は平穏を取り戻しやすくなる。

 「つらいときだけ、カロリーの高いおやつを食べていい」
「ヨガの呼吸法で、精神を統一する」
「とりあえず走って、気分転換」

 といったように、自分の中で心がリセットされる行動を把握しておこう。そして、今後は意図的に落ち込んだときだけ「スイッチとなる行動」を発動する。そうすると、落ち込んだときもメンタルの復帰が早まる。

 (3)周りの人に頼る

 追い詰められていると「人に頼る」という発想が消えてしまう。しかし、レジリエンスがある人は、すぐ人に頼る。自分の心の負担を、人と分かち合えるのだ。

 もちろん、同じ人に延々と相談をするのは迷惑かもしれない。だが、たくさんの人に相談をすることで柔軟なアドバイスをもらえる。最初に述べた「さまざまな視点で物事を考える」きっかけにもなるうえ、具体的な支援も得られるかもしれない。

 また、自分の弱さ、つらさを見つめること自体が「強さ」につながる。お金がない、学力が足りない、どうやら仕事では無能らしい、家族から嫌われている……といった、認めたくない事実を認めて人に頼る力を持つこと自体が、メンタルの補強につながる。

 (4)チャレンジを続ける

 人に頼り、多角的な視点を持てば、再チャレンジするエネルギーを蓄えられる。そのときにまたチャレンジすることで、成功確率は上がる。起業や難関資格の取得など、偉業を成すひとの大半は一発で成功した人ではなく、「チャレンジをあきらめなかった人」だ。

 「できるまでやってみよう」という言葉を口に出すだけでも、レジリエンスが鍛えられる。私もレジリエンスが低かったころは「絶対に無理だけどやってみるか」と、よく声に出していた。そして、繰り返しやってみる経験を通じ、解決策が見つかることもあった。

 (5)自分の長所を理解する

 メンタルが弱ってくると「自分には何もいいところがない」と思い込みたくなる。だが、それも偏った思考だ。頭では「長所がない人なんていない」ことくらい、誰でもわかっているだろう。

 「私はいつも財布やカギを家に忘れるおっちょこちょいだけれど、それでも慌てないどっしりした心があるのはすごいことだと思う」
「いつもネガティブ思考だけど、自分みたいな人間がストップをかけなかったら、ベンチャーの大半は潰れてしまうはずだ」

 と、自己分析においても多様な視点で長所を発掘してみてほしい。そうすることによって、自分への信頼が増し、レジリエンスが生まれる。世間は暗いニュースにあふれている。だが、それに飲み込まれて先に倒れては、本末転倒だ。自分が生き残る可能性を増やしたいなら、むしろ心をどうやって安全に保つかを考えてみてほしい。

 「コロナの飲み薬が、もうすぐ承認されるかもしれない」

 「ロシアとウクライナの間で交渉がまとまって、戦闘は終わるかもしれない」

 そう、すべては「かもしれない」の未来なのだ。ネガティブな思想を止められないなら、せめてポジティブな可能性も考えておこう。情勢はそこまで明るくないかもしれないが、暗すぎるわけでもないのだから。

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