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相法早引現代語訳

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江戸時代に活躍した観相家水野南北が、初学者のため『南北相法』のスタンダードな内容を再編集した書を現代語訳しました。この本は南北翁の師である水野海常の追善供養のため、人相術を学びた…
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#相法

相法早引58(胸を論ず)

相法早引58(胸を論ず)

・胸が広い者は内心が丈夫で、思慮深い。逆に、胸が狭い者は諸事において忙(せわ)しく、思慮が浅い。

・骨が露わになっているような胸の者は心気が弱く、運が悪い。病人や老人は考慮に入れない。老人で鳩尾(みぞおち)にしこりがある者は、未だ運が尽きていない人である。

・胸は肝気の勢いが現れる。若者は胸に勢いがあるのが常である。

・若者で胸が落ちくぼみ過ぎて、腹が出ているように観える者は、気は豊かだが大

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相法早引29(養子の相を論ず)

相法早引29(養子の相を論ず)



↑養子へ行く相

・図の如く、両眉の間から鼻の中程までの内に、疱瘡(ほうそう、≒天然痘)の痕のような傷がある者は、必ず養子へ行く相である。痕の数が多い場合は判断しない。一つから4つまでは、判断する。

・印堂の上が少し低い者は、養子に行った先では己の一存を通そうとする。

・養子の相があったとしても、短気の相や目上に背く相がある者は、養子に行くと万事が悪化し、家産(≒財産)を損なう。

・養子

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相法早引28(普請/土木建築工事を好む相を論ず)

相法早引28(普請/土木建築工事を好む相を論ず)



↑駅馬、地庫、地閣

・地閣の辺りにほくろがある者は、普請を好む。下賤な者の場合は、家に縁が薄い。己の心が家に落ち着く、という事がない。

・駅馬が健やかで、何となく斐(あや)がある者は、普請を好む。
*斐…綾模様、文模様の事だと思われる。綾模様とは、斜め線が織り成す模様の事である。

・眉頭の毛が立っている者は、身の上(≒運命)がしっかりと定まらない。もし、身の上が定まっている者は、家庭内の

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相法早引27(家を二軒持つ相を論ず)

相法早引27(家を二軒持つ相を論ず)

・地庫の後方の肉付きが縦に分離するように、筋(すじ)が頤(おとがい、あご)まで廻る者は、必ず二軒の家を守る人である。

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相法早引26(孤子/一人っ子の相を論ず)

相法早引26(孤子/一人っ子の相を論ず)

惣領(=長男)にも弟にも観えない者は、必ず孤子である。

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相法早引25(親の家を継ぐ相を論ず)

相法早引25(親の家を継ぐ相を論ず)



↑官禄

・官禄(=額中央)の肉付きが良い者。

・頬の肉付きが良い者。

・耳の中の郭が出ていない者。

以上の内、一相でもある者は、たとえ末っ子であったとしても、必ず親の家を継ぐ。もし、親の家を継がずとも、親族に頼られる存在となり、必ず惣領(=長男)と同様に扱われる。また、弟で親の家を相続する者は、必ず以上三相の内の一相を備えている。俗に「垂れ頬(たれほほ)」と言い、下停(≒顎)の肉がゆる

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相法早引24(弟の相を論ず)

相法早引24(弟の相を論ず)

・上停(=額)が狭い者。

・眉が硬い者。

・髪際が濃い者。

・顔一面がせせこましい者。

・耳の中の郭(かく)が出ている者。
*この観方では、耳を家の表象としている。つまり、耳の中の郭が出ている場合、「家から出る=家を継ぐ者でない」と観る。ゆえに、惣領(≒長男、家を継ぐ者)であっても耳の中の郭が出ていれば、家業を継がずに実家を離れる、と観る。また逆に、次男や三男であっても、耳の中の郭が出てい

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相法早引9(発達無き相を論ず)

相法早引9(発達無き相を論ず)

・眉、目、耳、鼻、口に悉(ことごと)く障りがあって、正しくない者は、決して発展しない。

・胴体(=体)が小さい者。

・頭が小さい者。

以上の二相も発展し難い。

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相法早引7(道徳の相を論ず)

相法早引7(道徳の相を論ず)

・上分の相があり、鼻が豊かで小鼻が怒り、準頭(せっとう、=鼻先)が丸く、顴骨が目の下から高く上に向かって引き付いている。また、胴体が大きく豊かで、臍は上に付いているように観える。このような相がある場合は、必ず道徳の人(≒善悪正邪を知る人)である。

・前述した道徳の相があって、鼻が天停(=額)へ貫く人は、その徳が天(≒君主、上司)に通じる。

・道徳の相があったとしても、鼻が天停へ貫いていない人は

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相法早引6(有徳の相を論ず)

相法早引6(有徳の相を論ず)

前述した上分の相があり、鼻が豊かで天停(てんてい、=額)へ貫くようであり、準頭(せっとう、=鼻先)が豊かで丸く、土星(どせい、=鼻)は十方によく通じ(≒広がり)、四岳(しがく、=額、右頬、左頬、顎)は中央(=鼻)を守っているように観える。以上のような相があれば、必ず徳のある人である。もし、平民にこの相があっても、下手におごり高ぶる事がない時は、吉である。以上に述べた「土星が十方に通じ、四岳が中央を

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南北相法早引1(忠孝五常の相を論ず)

南北相法早引1(忠孝五常の相を論ず)

浪花 水野南北居士著
南都門人 半田周造挍

・眉が高く、眉の長さが目より長く、眉の毛並みが豊かかつ左右均等で、眉毛に潤いがある者は、必ず仁(じん)がある。

・眼が大きくなく、長く豊かで正しく、清く、自然と神気があるように観える者は、必ず義(ぎ)がある。

・鼻が豊かで、肉付きが良く、形が正直(せいちょく)で、鼻先に丸みがある者は、必ず礼(れい)がある。

・耳が小さくなく、薄くなく、形が正しく

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