優しい人になりたい
優しい人になりたい。
初めて思ったのは、優しい人を好きになったとき。
私は人を好きになると、すぐその真似をしたくなります。
その人の身につけるもの、口癖、好きなもの、何だってとりあえず真似して、うへへ💛と喜びます。
でも優しい人に、「優しいね」と言ったら、「そんなんじゃない」って否定されることも多くて、難しいなぁと思いました。
「そうしたい」という気持ちのままに動いたのに、優しいね、と言われると、別方向から評価された気がするからかな?
でも優しい人は、いつだって、ちゃんと優しい。
仕草や表情、ちょっとした言葉や行動に、優しさが溢れている。
それに比べて私は、優しいつもりで違った……?みたいな思い出が多い。
忘れられないのは小学生の頃、幼馴染の男の子が、砂場で数人に蹴られているのを目撃した日のこと。
私はその場にあったほうきを掴んで、「こらあああ!!」と、走って行って、悪ガキたちをボコボコに叩きました。
抵抗してくるので、砂まみれになりながら、必死でほうきを振り回して。
悪ガキたちが去り、幼馴染の男の子を見たら、砂だらけです。
何なら私の振り回したほうきで、余計に砂を浴びたかもしれません!
「だいじょうぶ?」と手を伸ばしたら、彼はバッと立ち上がりました。
そしてグッと私を睨んで、去って行きました。
う……思い出しても、切なくなります。いけないことをしたようです。
どうすれば、良かったのでしょうか……。
二番目に思い出すのが、中学生の時、派手な女子グループのリーダーが、急に全員から無視された日のことです。
私は自分をオタク系だと思うのですが(そうありたい)、派手グループに入れと引っ張られることがよくあり、一応片足だけ所属していました。
いつも通りグループで帰る時、リーダーがいないことに気付きました。
「あれ?リーダーは?」と聞くと、普段、笑顔の可愛い女子が、一転して悪い顔で、「リーダーはダサいくせに仕切るから、仲間から外した」と。
そう言われて改めて見ると、確かに派手グループの皆さまは、髪形もオシャレで、短いスカートの似合う、アイドルのような方ばかり。
その時チラッとこちらを見て、ひとり階段へ向かうリーダーが見えました。
「私もダサいから、外して!」と言って、私はリーダーを追いかけました。
私だってリーダーが好きだったわけではないのに、こういうのを偽善っていうのかもしれません。
でも初めて二人きりで電車に乗ると、リーダーは思ったより背が低くて、可愛い赤いリボンで、髪を結んでいることに気付きました。
いつもより小さな声で話し、笑う彼女を、私は前より好きになりました。
でもある日、登校すると。
リーダーは派手グループに戻っていて、私が標的になっていました。
ドラマの世界みたいですが、靴箱は砂だらけ、カバンに付けたキーホルダーなどが盗まれ、ブラウスのボタンは外され、「ブスのくせに調子に乗るな」と、どこを歩いていても罵声が飛んでくる日々。
卒業まで断続的に続いたので、かなりつらかったです。
どうすれば、良かったのでしょう?
たぶんリーダーは、私よりもっとつらかったと思います。
正解は分からず……時が戻っても私はやっぱり、同じことをしてしまう気がします。
卒業式の前日、あれから一度も話すことのなかったリーダーから、電話がありました。
「ごめんなさい」と、ただ何度も謝り、泣いていました。
「いいよ」と言いました。
本当に、いいよ。
別にリーダーのためにやったわけじゃない。
代わりに私が仲間外れにされたのも、リーダーのせいじゃない。
あ、この思い出に対してもし、「優しいね」って言われたら、私も「そんなんじゃない」って言いますね(笑)。
なんでしょう。
なんでしょうね。
正解とか、分からないことは多いけど、今日の結論は。
その場にいるだけで優しさが溢れるような、そんな本物の優しい人に、私はなりたい、です。
長々と読んでくださって、ありがとうございます💛
今日もあなたにとって、素敵な一日になりますように💛
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