箱やで。大阪のお寿司は四角いんや。
商店街や繁華街を歩くと、必ず一軒や二軒、回転寿司屋さんを見かける気がします。お寿司は高級なイメージが強い反面、回転寿司なら、けっこう気軽に食べることもできますよね。
🍣日本のファストフード
ハンバーガーがアメリカンなファストフードなら、お寿司は元祖日本のファストフード。高級なお寿司屋さんの非日常な魅力もすてきですが、短時間で好きなものを食べて、お財布にも優しい回転寿司はやっぱりなくてらならない気がします。
そんなお寿司ときいて頭に浮かぶのはきっと、お刺身のようなネタがどんと載って、職人さんの手できゅっきゅと握られた、握り寿司ではないでしょうか。
もちろんお寿司好きな自分としても、ふだん食べることが多いのは、そのお寿司。
🍣関西の箱寿司
でも、ふと懐かしくて食べたくなるお寿司があります。
それがこういうの。いわゆる、箱寿司と呼ばれる、押し寿司の一種です。関西ではいまも親しまれているお寿司ですが、上京してからはなかなか見かけないので、たまに無性に食べたくなる、そんなひと品。
大阪寿司と呼ぶと、箱寿司に太巻き寿司なんかを盛り合わせて、出前の握りみたいな木桶にはいったものを思い出します。
今回は懐かしい箱寿司をつくってみたお話です。
🍣酢飯は塩なし
まずは酢飯から。温かいごはんにお酢と砂糖を同量あわせて、ごはん粒を潰さないよう、さっくりと混ぜ合わせて冷まします。
塩をひとつまみいれてもいいのですが、ふだんあまり塩を使わない調理になれてしまったので、今回も塩はなし。
あとで載せる具にしっかり味をつけるので、物足りないということありません。
🍣甘くて懐かしいそぼろ
さて、いよいよ具をつくります。
大阪の箱寿司というと、まずは鯖を使ったバッテラ。
それと双璧なのが、甘辛いそぼろのお寿司だと思ってます。お砂糖たっぷりの味付けで、桜でんぶがピンクじゃなくて、茶色くなったみたいな感じといえば、イメージが伝わるかもしれません。自分が子どもの頃食べた箱寿司って、この2種類の盛り合わせの記憶です。
おとなになってから、あれってなんのそぼろだったんだろうと思ったこともあって、訊いたのか調べたのか、いつからか自分のなかでは穴子だと思ってました。
ところが今回あらためて調べてみると、どうやら鱧だったみたいです。地域的にも実家はザ・京都文化圏なので、おそらくそうだったんでしょうね。
ただ、鱧は季節がある上、地元以外ではなかなか手に入りません。そして、そもそも高級魚。高い、お高いです。
そんな鱧を簡単に入手して、よもやそぼろにするのはなかなかのハイ・ハードル。跳ぶのすらためらわれる高さです。
🍣そぼろの素材はこれ
でもあきらめませんよ。というわけで、トケイヤkitchen流の押し寿司のそぼろはこれ。
🍣材料(1人分)
・ツナ缶…1缶
・みりん…大さじ1
・砂糖…大さじ1
・醤油…大さじ2
ツナ缶を使います。
ツナ缶の水気を切って、みりん、醤油、砂糖と一緒に火にかけます。
よく混ぜながら、煮詰めていき、水分がほぼなくなったら冷まします。
🍣お寿司押します
ここからがいよいよ押し寿司づくり。
そぼろにしっかり味がついているので、酢飯に塩はしていません。
続いて蓋のできる小さな密閉容器を準備します。箱寿司なので、形は直方体なやつです。
ラップフイルムを敷いて、その上にツナそぼろを敷き詰めます。ラップは最後、全体を包む感じにするので、端がたっぷり余る大きさにしておくのがポイント。
その上に用意した酢飯の半量を広げます。
のりを敷いて、残りの酢飯をつめていきます。
上からしゃもじできゅっきゅと押して、しっかり固めます。
ラップフィルムの両端をたたむようにして、酢飯を包み込んだら、その上に四角くたたんだキッチンペーパーをのせて、しっかり蓋をします。
このまま冷蔵庫にいれて、蓋で押した状態で休ませて、形をととのえます。
🍣即席ガリ風のしょうが
さて、箱寿司を休ませている間に付け合わせづくり。お寿司といえば、やっぱりガリがほしいですよね。
今回つくるのは、そんなガリ風のお手軽な、しょうがの即席漬けです。
🔴材料
・しょうが
・みりん…大さじ1
・梅干し…1個
千切りにしたしょうがをみりんと、種をとってたたいた梅干しで和えます。
そのまま瓶にいれて、冷蔵庫で冷やします。
🍣お寿司押せたか、四角いか。
2時間ほどたちました。
そろそろ箱寿司がいい感じになってるはず。
容器からひっくり返して取り出します。
箱寿司なので、四角く切り分けるのがポイント。
ツナの箱寿司できました。
30分ほど漬けたらしょうが漬けもOK。
ほんのりピンクです。ひと晩漬けると、もっと鮮やかなピンクになるので、多めにつくっておくとお寿司のときに便利です。
ひと口サイズのツナの箱寿司。
🍣四角やで。四角いんや。
食べると、懐かしい甘じょっぱい味が口の中に広がります。
いつもの生魚のネタをのせた握り寿司とは、またひと味違ったおいしさは、きっと想い出の味だからなのかもしれません。
大阪のお寿司は四角いんや。箱寿司、ゆうくらいやしな。まあよかったら、いっぺんつくってみてや。
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