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ソルトレスなクッキング~塩少なめの料理作り~

🧂厳密にはレスではないけれど

トケイヤkitchenのレシピでは、箇条書きにした材料に「塩」と明記したものが、あまり多くありません。

ただこの記事のタイトルにした「ソルトレス=saltless」というのはちょっと大げさで、塩味(えんみ)を避けているわけではありませんし、塩分がまったく入らないわけでもありません。

ただトケイヤkitchenのレシピを見ていただくと、「塩」そのもそのが材料としての記載にないレシピがちらほらとみられると思います。

それはどういこうとかというと…。

🧂海の水の中で生まれた生命

私たち人間に“塩”は欠かせません。
人間の体の中にある体液には、海水に似た構成比の成分が含まれているそうです。

個人的な意見ですが、もともと海の水の中で生まれた生命が大型化し、そして陸に上がって、そして長い時を経て今の私たち“ヒト”に繋がっているのだとしたら、これは生命というもの、ヒトという存在そのものの根幹にある神秘なのかもしれないという気がします。

そんな根本的な人間の体のつくりはともかくとして、塩味は私たちの味覚に美味しさを与えてくれる要素だと思います。

たとえば料理をひとくち口にして物足りないなと思ったら、塩を足してはいないでしょうか。
調理中の煮物、炒め物はもちろん、できあがった一皿に対してもそんな体験がないでしょうか。
少しピンボケに感じた料理も、ひとふりの塩で劇的に美味しく感じるようになることはあると思います。
事実、飲食店のテーブルにも塩を入れた小瓶が用意されていて、もし味付けが好みより薄く感じたらそれを使ってください、という形です。

塩は体の構成そのものの一部であり、最小限の追加で味覚を満足させる魔法のパーツでもあるのです。

🧂ある日、ふと…

では、なぜ「ソルトレス・クッキング」というタイトルの記事を今書いているのか。
実は特に意識して料理をしていたわけではありません。
ある日ふと気づいたんです。

それは自分が毎日作っている料理をブログで公開するようになって、きちんと分量をはかって料理するようになってからのことでした。

🧂何かが補っていた

日常的に料理する習慣がついて、いわゆる自炊をするようになってからというもの、基本的には料理は実家で食べていた料理をベースにした目分量での調理でした。

そのうち料理が楽しくなり、徐々に外で食べたものを再現するようにもなり、今この“トケイヤkitchen おもてなし”で紹介しているような、ちょっとよそゆきの料理も作るようになりました。

毎日食べる家庭のお惣菜とは違って、何か月かに一度しか作る機会のない料理も多いので、より詳しく分量のメモをとるようになって気付いたのです。

思ってたよりはるかに単体の塩という素材なしで完結しているレシピが多いことに。

ちなみに塩分の摂取に対して否定的な考えもなければ、体調や体質の問題で制限があるわけでもありません。
ただ普通に作っていたら、そういうレシピが多いことに気付いたのです。

それからあらためて見返してみると、さらなる気づきがありました。
塩を使っていないわけではない、ほかの何かの素材がその役目を補っていたのです。

🧂満足のいく味のまとまり

このマガジンでメインに紹介させていただくフランス料理であればバター。
トケイヤkitchenでは家庭でも用意できる材料をメインに使ったレシピを紹介したいと思っているので、バターは本格フレンチのレシピに多い無塩バターではなく、普通の有塩のものを使っています。

たとえばコンソメパウダー。チーズ。スパイスミックス。
マヨネーズにケチャップ。

和食なら醤油、麺つゆ、ポン酢しょうゆに味噌、出汁の素。
中華の豆板醤や甜面醤、エスニッくのナンプラーなども同じです。よく使う調味料や出汁にも塩分は含まれています。

また、野菜の下ごしらえに塩揉みをして、余分な水分を絞るために使った塩をそのまま塩味として使うこともできます。

だから塩を足さなくても、その塩味がもたらす満足感を満たす味のまとまりができていたようです。

🧂「使わない」ではない「ソルトレス=saltless」

「塩を使わない」ではなく、塩分のある材料をひととおり使って作ってみて、あとひと味ほしいときに、塩そのものの力を借りる。
そんな調理が自然と身についてきたのだと思います。

「ソルトレス=saltless」というちょっと過激なタイトルで書いた記事ですが、「無塩分調理」ということではありません。

そんな料理をしていると逆に塩の味の効果的な使い方がわかってきて、どうしても足りない最後のあとひと味を塩の力で解決するようになったのかもしれません。

🧂おわりに

そんなわけで、トケイヤkitchenのレシピの素材蘭に「塩」のひと文字がなくても、「味が足りないんじゃないの?」と思う前に、まず一度安心して作ってみていただけたらと思います。

最後のひと塩は出来あがってから。
あと少し味が足りないと感じたら自由にプラスしていただければと思います。

トケイヤkitchenのレシピにも塩分は含まれています。
でも、ずばり「塩」そのものをたっぷり使うことは比較的少ないと思います。

少しでも塩の量を減らして美味しいものを食べたいというときには役に立てるかもしれませんし、もしかしたら今までの料理から少し塩を減らしてもじゅうぶん美味しかった、と気付いていただくきっかけになれるかもしれません。

日常生活の中で、慣習や固定観念のようなものをいったん横に置いてみると、塩に限らず、絶対必要だと思ってたものが、意外になくてもよかったり、かわりのきくものだったり…そんなことがあるかもしれませんね。

ぼんやりと考えていた料理に関しての気づきを、あらためてこの記事にまとめてみて、自分自身も料理に関することばかりではなく、日ごろの自分を見直してみようというになりました。

といいつつも私は相変わらず、好きすぎて捨てられない本の山と作りすぎて冷凍庫を埋め尽くして溢れそうな自家製の冷凍食品に埋もれた日々を過ごしています。

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