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サスペンス?ホラー? 「嗤う淑女」を読んでみた

敵か味方か。

困っている人に近づき、救いの手を差しのべたと思わせて、そこから破滅へ導く。

誰もが持つ、日常・他者への細やかな不満を大きなものへと膨らませ、事件へと発展させる。

人の弱み、コンプレックス、劣等感に付け込む卑劣さ

自分の思い通りに相手をコントロールしてしまう人心掌握術

清々しいほどの悪、ダークヒーロー的存在の女性が主人公の物語です。

ほのぼの、主人公が成長していくストーリー、心暖まる、などの要素が一切なく、サスペンス・ミステリー要素に全振りしている作品。

人の感情の変化、

ハラハラドキドキの連続、

こんな感じの小説が好きな方にオススメです。

中山七里さん安定のどんでん返しもあり、最初から最後まで一気に読みきれる作品!


○ざっくりストーリー

学校でいじめられている恭子のもとに、従姉妹の美智留が転校してくる。

いじめの解決、難病に罹った恭子へ救いの手を差しのべたことで、恭子は美智留に忠誠を誓う。

この忠誠心が災いし、恭子は美智留と二人だけの秘密を作ってしまう。

その後、生活アドバイザーとして家計などのアドバイスをする仕事を始めた美智留と助手として働く恭子。

相談にきた客は、美智留の真摯な対応に心打たれ、美智留のアドバイスに全てを委ねてしまい、傾向した考え方から予期せぬ方向へと事が進んでしまう。

美智留は天使か悪魔か。

彼女の本当の狙いは何なのか。

壮大な悪を前に、最初から最後まで翻弄される様子に息をのむ。

○感じたこと

人は追い詰められると、考えもしないような行動を平気で起こしてしまう。

1人で塞ぎがちな状況の人は、盲目的な状況に陥ってしまい、騙されたり、利用されたりしても、相手を信じきってしまう。言わば洗脳。

悪意ある人は、こんな状況を巧みに利用して相手を掌握するんだなと感じました。

良いことでも犯罪のような悪いことでも、緻密に考えて実行されていく

感心すると同時に怖くもなりました…

○まとめると

完全に悪に振り切った主人公のストーリー。

どうやって主人公の人格が誕生してしまったのか。

どうやって人は騙されてしまうのか。

人の感情の変化を感じられる、サスペンス・ミステリー作品。

どこか救いようがあれば良いが、それもほぼなし。

ぶれないストーリー展開も魅力。

少しネタバレになりますが、中山七里さんの他作品の登場人物が出てきたりします。

ファンとしては、そんな所も注目ポイント!


最後までお読みいただきありがとうございました。


おしまい。

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