【プレビュー】『無失点に抑えたい守備と期待の高まるセットプレー』~第10節ベガルタ仙台VSファジアーノ岡山~

マッチプレビュー

無失点に抑えることが勝利の土台

岡山は前節・熊本戦をスコアレスドローで終えて、5試合未勝利となった。勝てない状況が続いているが、ポジティブな要素もある。前節は第4節・金沢戦(〇3‐0)以来となる無失点で終えることができた。特に前半は相手に押し込まれて際どいピンチを作られたが、守備陣を中心にゴール前で集中した対応を見せる。21分にはGK堀田が抜群の機動力を発揮してゴールを死守した。まずは右サイドから上がったクロスを弾き、ルーズボールを拾ってシュート体勢に入った相手の足元に飛び込んでボールを掻き出し、すぐに体勢を立て直してシュートを止めた。さらにヨルディ・バイスと柳も危険なスペースを埋めてクロスを跳ね返し、全員がこぼれ球に早く反応してギリギリのところで食い止めた。自陣でブロックを構える守備はチームのスタイルに反するかもしれない。しかし、全員で粘り強さを発揮して失点を防ぐことができたのは自信になったはず。また、後半に攻勢を強めている現状を考慮すると0‐0で試合を進めることが勝利の確率を高めることにつながるだろう。

今節に対戦する仙台はFW陣にケガ人が出ているが、若くて勢いのあるアタッカーがいる。特に最前線の山田寛は、CBの間に立って駆け引きをしながら常に相手の背後を狙う。第8節・甲府戦では鋭い動き出しで相手DFの背中側から抜け出してネットを揺らした。23歳のFWが仕掛けてくる駆け引きに対して、34歳のバイスと28歳の柳が経験を生かして抑えられるか。また、GK堀田にとって中学、高校時代を過ごした仙台は古巣になるため、強い想いを持って臨むだろう。守備陣を中心に失点をゼロに抑えることが、6試合ぶりの勝利を手繰り寄せる土台となる。

コラム

今節も期待の高まるデザインされたセットプレー

岡山のセットプレーはゴールの匂いがぷんぷんする。

それは186cmのヨルディ・バイス、188cmの柳、190cmの櫻川、191cmと高さのある選手が多いという理由もあるが、彼らが連係してフリーでシュートを放つ場面を作れているところにある。

第8節・藤枝戦では22分に右CKから河野の正確なボールを柳が豪快なダイビングヘッドで合わせてネットを揺らした。一見、キッカーの河野とシュートを放った柳の関係性で奪った得点に見える。しかし、櫻川が相手2選手をブロックしたことで、柳がフリーでファーサイドからゴール前中央に走り込むことができた。第9節・熊本戦では25分にショートコーナーから河野が鋭いクロスをファーサイドに送ると、またしても背番号5がフリーで飛び込んだ。これは惜しくも枠を外れるも、ここでもバイスとルカオ、さらに高木が相手を力強くブロックしてチャンスを演出していた。

今節に対戦する仙台はセットプレーでゾーンディフェンスを採用している。各々が担当するスペースに入ってきたボールをクリアする中で、相手をマンマークする選手はいない。つまり、岡山の選手は自由に走り込んでいけるため、今節もデザインされたセットプレーに注目したい。

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