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【レビュー】『土壇場で逃した勝点3』~第2節いわきFCvsファジアーノ岡山~


試合結果

2024 J2 第2節
3/3 13:03K.O. @ハワイアンズスタジアムいわき
いわき(1-1)岡山
45+1分 田上大地
90+7分谷村海那

スタメン

マッチレポート

アウェイで先制した岡山。
だが、退場と風が響き勝ち切れず。

古巣戦に燃える岡山の岩渕が、勢いよくゴールに向かった。4分、藤田が相手陣内でボールを奪うと、グレイソンのスルーパスに抜け出した岩渕がシュート。これはGK立川の左足に防がれる。8分には鈴木のロングフィードをグレイソンが頭でフリックし、またも岩渕が抜け出す。しかし、全速力で戻ってきた生駒のカバーに遭い、足を振り抜くことができない。背番号19は立ち上がりに迎えた2つの決定機を仕留めることができなかったが、守備でも気持ちの入ったプレーを披露する。33分、左サイドで大西にボールを奪われるも、すぐに取り返しに行く。大西からGK立川へのパスと、そのリターンパスも追い掛け回す。“三度追い”の結果、マイボールにしてCKを獲得した。岡山は岩渕のエネルギッシュなプレーを軸に攻め込むも、いわきの守備を崩すことができない時間が続いた。0‐0で試合を折り返すことがよぎる中、岡山が前半終了間際に均衡を打ち破る。岩渕が蹴り込んだCKが追い風に乗ってゴールに向かい、グレイソンがヘディングシュート。これが田上の背中に当たり、ネットを揺らした。

後半はいわきがハーフタイムの選手交代に伴いシステムを[4-2-4]に変更してスタート。前線に人を多く配置し、岡山の3バック脇にロングボールを流し込んでいく。

岡山は3バックを中心に迎撃するも、向かい風の影響を受けて大きくクリアできない。さらにいわきのロングボールが風に乗って伸びてくるため、予測した落下地点にズレが生じ、難しい対応を強いられる。すると、65分に背後に抜け出した加瀬を田上が倒してしまい一発退場。数的不利を受けて、全員で我慢強く1点のリードを守り切ることを決断する。ただ、短くなったクリアボールを拾われ続け、陣地回復もできずサンドバック状態に。それでもタイトな守備で何とか耐えていたが、ラストプレーで決壊した。山下のFKが飛んでくると、自陣ゴール前は相手GKの攻め上がりもあって混戦に。最後は谷村に同点ゴールを許した。

土壇場で追いついたいわきはホーム開幕戦で勝点1をもぎ取った。一方の岡山は苦しい展開を必死に耐えていたが、最後まで守り切ることができず。手のひらから勝点2がこぼれ落ち、連勝達成とはならなかった。

コラム

昨季何度も見た悪夢再び。
必要なのは仕留める力

昨季何度も見た結末に、ショックを隠し切れない。

65分に田上が退場してから10人で戦うことになった岡山。すぐに柳育がピッチに入ると、自陣に[5-3-1]のブロックを組んでリードを守り切ると決めた。次々とロングボールが放り込まれる中、ディフェンス陣がしっかりと足を運んで跳ね返し、中盤が集中してルーズボールに反応する。自陣ゴール前では各々のマークを明確にし、相手に寄せて自由を与えず。体を投げ出すことでシュートをブロックするだけでなく、シュートを打つ相手選手にプレッシャーを与えて枠外に飛ばせた。向かい風にさらされても、1人少なくても、できることを徹底していた。

決定的なチャンスを作らせないままアディショナルタイムに突入したが、終了間際にFKから失点を喫して勝ち切ることができなかった。最後の最後にセットプレーを与えてしまったこと、タイムアップまで耐え抜けなかったことは残念ではならない。しかし、前半に複数あった決定機を仕留めていれば、1失点は勝敗に影響していなかった。我慢強く守り切ることは大切だが、作り出したチャンスで確実にネットを揺らしていき、試合を決定づける必要性も痛感した。

昨季は第10節までに7試合を引き分けた。序盤戦の足踏みが後に響き、自動昇格もプレーオフ圏内にも届かなかった。過去を越えて昇格を勝ち取るには、序盤戦の勢いが欠かせない。起こってしまった事象は猛省しなければならないが、試合はすぐにやってくる。6日のルヴァンカップ、10日の次節・山口戦では、しっかりと勝ち切って昨季とは違う姿を見せたい。

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