【プレビュー】『原点回帰』~第38節ザスパクサツ群馬VSファジアーノ岡山~

マッチプレビュー

道を切り拓くのは、自分たちのサッカーの徹底と修正力

 前節・千葉戦は悔しい敗戦だったが、自分たちのやるべきことを再確認できた一戦でもあった。千葉の強度は90分を通して全く落ちず、岡山は強烈なプレスに苦戦。前線にロングボールを放り込むも、その後のセカンドボール争いに敗れてしまい打開できなかった。チームとして積み上げてきた部分で上回られたショックは小さくなかった反面、“相手コートでプレーする”を掲げる岡山にとって、千葉の振る舞いは理想的と言える。前線からのプレスで相手をけん制し、中盤でセカンドボールを拾って、試合を優位に進めていく戦い方は本来のスタイルで、今季はそこにボール保持というエッセンスを加えてきた。前節に苦しめられた強度の高いプレーを、いま一度突き詰めていくことが、残り5試合の戦いで重要になる。

 ピッチ内で修正する力も高めたい。今節に対戦する群馬は[4-4-2]から[3-4-2-1]へと右片上がりに可変し、流動的なビルドアップを熟成させてきた。分析を基に“ハメ方”を準備して臨むだろうが、相手の柔軟な対応が上回ってくるかもしれない。そこで期待したいのが、仙波だ。背番号44は戦況を的確に把握し、単独でプレスを微調整できる賢さをもつ。仙波がコーチングを交えながらチームを先導できれば、ペースを握ることにつながる。

 岡山の良さは“良い守備”から“良い攻撃”につなげていくこと。だからこそ、3試合続いている開始10分以内での失点を食い止めたい。そのためには自陣ゴール前での対応をもっとアラートしていくことはもちろん、相手コートでのプレーを増やすアプローチも一つの手。現在は切り札として流れを変えているルカオだが、前線でボールキープできる背番号99の先発起用は有効な選択肢になりそうだ。

コラム

古巣戦でチャンス到来の高木友也。求めるのは結果のみ

 高木友也が沸々と闘志を燃やしながら、今節に向けた準備を進めている。

 岡山に加入した今季は出場機会を十分に伸ばすことができていない。出場した30試合のうち、先発したのは9試合。出場すれば、力強いドリブルでゴールに向かっていき、パンチのある左足を振り抜く。アクシデントの影響で急きょ3バックに入ることもあったが、安定感のあるパフォーマンスを発揮していた。しかし、定位置確保には至らず、悔しさを感じながらシーズンを過ごしてきただろう。そんな中、前節・千葉戦で高橋が退場したため、今節は左WBで先発というチャンスが巡ってきそうだ。

 もっとも、今節に対戦する群馬は、高木の古巣だ。プロ2年目の昨夏に出場機会を求めて群馬に移籍すると、左サイドハーフで12試合に先発して1ゴール2アシストを記録。大槻監督の指導を受けながら、チームを勝たせる経験を積んでプレーヤーとしての自信を取り戻していった。

 自分の力を証明するために、古巣に成長した姿を見せるために、最も手っ取り早いのは目に見える結果を残すこと。古巣戦でやってきたチャンスに燃える背番号2が、全身全霊で左サイドを駆け抜ける。

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