【プレビュー】『積極的な前進で掴め、2連勝』~第5節ファジアーノ岡山VSヴァンフォーレ甲府~
マッチプレビュー
積極的な前進で狙う今季初の連勝
前節の金沢戦を3-0で勝利した岡山。これまでトップ下のポジションを争っていたステファン・ムークと仙波が同時に先発すると、テンポの良いパスワークで相手を押し込んで今季ホーム初勝利を飾った。
特に22分の田中がジャンピングボレーを放ったシーンは崩しが素晴らしかった。それぞれが整理された立ち位置を取る中、仙波とムークが相手ボランチとディフェンスラインの間に立ってプレスをかく乱させる。そして3人に囲まれた状態でも「出せ!」とジェスチャーでボールを要求した仙波が田中から縦パスを受けて相手を交わし、アタッキングエリアを完全に攻略した。確かな技術を有するからこそ、簡単に失わない自信があり、仙波とムークが金沢のブロックを切り崩していったことで勝利につながった。
それを踏まえて今週の公開練習ではゴールに向かっていくプレーを増やすことに取り組んでいる。狭いコートでのパス回しではターンやワンツーといったプレーを果敢に狙い、奪いに来た相手を交わしながらボールを前に運ぶプレーの質を高めていた。
甲府は篠田新監督のもとで前から奪いに行く姿勢を強めている。前線からプレスを仕掛け、ボランチが相手のボランチをけん制する。藤枝との前節では、相手のシャドーにGKからの縦パスをボランチとCBの間でターンされてプレスを一気に裏返されていた。そこでキーマンになるのは、ムークと仙波だ。狭いスペースでもしっかりとボールを受けて前を向ける2選手が相手の急所を突くことができれば、一気にゴールに向かっていける。
岡山は今節に勝利すれば、他会場の結果次第で首位に浮上する。今節初の連勝をホームで達成し、目標地点であるJ2の頂に立ちたい。
コラム
兄と慕う旧友と再会するバイス
今節はヨルディ・バイスがピーター・ウタカとCスタのピッチで再会する。
彼らは2020年に京都に加入すると、2021年にチームを12年ぶりのJ1昇格に導いた。バイスは2年間で80試合に出場し、2021年にはリーグ最少失点に貢献。ウタカはストライカーとして2年間で80試合43得点を記録した。2021年の第24節・町田戦では自陣からバイスが繰り出したロングフィードにウタカが抜け出して得点を決めている。お互いの力を信頼していることを強く感じる連係プレーだった。
バイスにとって3歳年上のウタカは特別な存在だ。今季の開幕前に練習試合で再会したバイスとウタカは熱い抱擁を交わした。じっくりと抱擁する2人は共闘した京都での時間を噛みしめているようだった。バイスはそのときの様子をInstagramに投稿し、ウタカのことを“my big brother”と称している。ウタカも“my brother”で応えた。その他にもウタカの誕生日を祝福するものを含め、ウタカとの2ショット写真がたくさん投稿されており、京都時代の仲睦まじい様子を伺える。
弟にとって兄は越えたい存在だ。今節はバイスがウタカを抑え込み、勝利を引き寄せる。