【プレビュー】『チーム力の底上げ』~天皇杯2回戦~

マッチプレビュー

若い選手の躍動でチーム力の底上げを

シティライトスタジアムに北九州を迎える天皇杯2回戦は、これまで出番の少なかった選手の奮起に期待したい。

今季の岡山には10人の新たな力が加わった。その内、25歳以下の選手は7人。若い選手が切磋琢磨して成長することでチーム力を高めていく狙いを読み取ることができる編成となっている。大卒2年目の6選手は練習からしのぎを削っており、前節・徳島戦では田部井が同期から受けた刺激を原動力にJ初得点を決めた。彼らをはじめ若い選手は横のつながりが非常に強く、練習前は頻繁にコミュニケーションを取り、試合後は一緒にグラウンドに残ってシュート練習やパス練習に励む。互いの力を高め合う循環が生まれてきている。

若い選手たちは練習場で確実に力を蓄えているが、公式戦の出番が限られている選手もいる。成長するためには練習で上達して好プレーを見せることも大切だが、公式戦でしか味わえない緊張感の中でプレーし、自分の力を発揮することも大切だ。中3日で東京Vとのリーグ戦を控えているため、天皇杯2回戦はここまで出場機会の限られた選手たちの腕試しの場となりそうだ。特に練習で鋭いシュートを打ちこみ続けている山田恭、川谷はゴールに向かう姿勢を前面に出してチャンスを作っていき、アピールしていきたい。

若い選手が自らの力を証明して勝利することができれば、当事者意識が強くなりポジション争いの激しさも増す。出場機会に飢えている選手の活躍で北九州を下し、チーム力の底上げを図る試合にしたい。

コラム

岡山をプロの出発点に選んだ野口と福元が見せる新たな姿

北九州との天皇杯2回戦では、2選手の新たな姿を見ることができるかもしれない。

1人目は野口竜彦。大卒4年目の背番号25は、強烈な左足を武器にサイドアタッカーとしてプロの門を叩いた。1年目はリーグ戦27試合に出場してプロ初得点も決めたが、以降は公式戦から遠ざかっている。負傷離脱する期間もあったが、買われて様々なポジションでプレーするようになり、今季もプレシーズンでは左SB、両SH、ボランチ、アンカーと様々なポジションでプレー。器用さをアピールする中、開幕後はCBで練習を積んできた。左足は配球面で生かしつつ、チアゴ・アウベスやルカオをはじめ強力なFWとマッチアップして守備力を鍛えている。いろんなポジションでプレーすることによって養ってきた対応力はCBで生きるはずだ。

2人目は福元友哉。鋭い動き出しが武器のストライカーは、推進力のあるサイドプレーヤーへと変貌を遂げようとしている。182cmの高さと上下動できる運動量を生かし、SBやWBにチャレンジ中だ。

自ら希望したポジションではないかもしれないが、新たな可能性を示すことにもつながる。岡山をプロの出発地点に選んだ2選手。コンバートされた新たなポジションでの逆襲が始まる。

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