マガジンのカバー画像

三行で足りる生活

141
三行日記です。たまに三行では足りません。
運営しているクリエイター

記事一覧

【3行日記】いずれ落ち葉の舞う季節

【3行日記】いずれ落ち葉の舞う季節

 クラリネット四重奏「落ち葉の舞う季節」を延々と聴いている。散りゆく木の葉の哀愁と、気ままに舞う葉の優美が耳から全身に染みる。主旋律をうたいあげるファーストクラリネットの伸びやかたるや。感嘆に浸りつつ見上げた街路樹には、若葉があおあおと茂っている。

【3行日記】Wait for Tuesday

【3行日記】Wait for Tuesday

 映画「ソイレント・グリーン」を観た。人間は所詮資源であり、資源は使える限り使い尽くすのが正しい。卵パックをリサイクルして再び卵パックにするように、人間もリサイクルして人間の糧とするのが合理的なのかもしれない。

【3行日記】本と暮らしのエディオン

【3行日記】本と暮らしのエディオン

 広島駅前にある蔦屋家電を、高倉は書店だと思っていたし、事実、今日も蔦屋家電で良い本に出会うことができた。しかし会計の際、レジの店員さんがエディオンの制服を着ていることに気付いて、此処はあくまで電気屋なのだということを思い知る。或いは、エディオンが書店だった世界線に迷い込んでしまったのかもしれない。

【3行日記】只今絶賛製氷中

【3行日記】只今絶賛製氷中

 アニメ「BARTENDER 神のグラス」を最新話まで観た。バーテンダーもまた、観察者であり表現者であるらしくて、文章を書く人間としては少々親近感が湧いた。お互い、見えない氷作り、頑張りましょうね。

【3行日記】朝は寝床でぐう

【3行日記】朝は寝床でぐう

 朝活をしようと思って、アラームを30分間早めてみた。今朝はゆっくりと朝ごはんを食べて、勉強をして、なんと洗濯機まで回すことができた。しかし、優雅な時間と引き換えに日中めちゃめちゃな眠気に襲われてしまって、仕事に支障をきたしそうなので、もう二度と早起きはしない。

【3行日記】因習村には鴉が似合う

【3行日記】因習村には鴉が似合う

 麻耶雄嵩著「鴉」を読んでいる。閉鎖された因習村を訪れた青年と殺人事件の物語だ。まるでヒッチコックの映画のような冒頭に心を奪われてしまって、読む手が止まらない。

【3行日記】二ヶ月で取ります

【3行日記】二ヶ月で取ります

 会社の貸出可能図書にLPICの問題集があったので取り寄せてもらった。担当者に貸出期間を聞いたところ、いつまで借りててもいいという前提を置きつつ「まぁ高倉さんなら三ヶ月もかからないんじゃない?」と発破をかけられてしまった。二ヶ月で取ります。

【3行日記】拍手喝采とエンドロール

【3行日記】拍手喝采とエンドロール

 映画「のだめカンタービレ 最終楽章」前後編を一気に観た。やっぱりオーケストラの演奏が好きだ。フィナーレの盛り上がり、奏者は音楽にしがみつくように楽器をかき鳴らし、終焉へ駆け出す。観客は終わりを予感しながら、この時間が永遠に続けばいいと願う。そしてとうとう指揮棒が降り上げられ、音が止んだ瞬間の充足感と、喪失感が満ちる、この時間が一等好き。

【3行日記】七輪焼きとすべきでは?

【3行日記】七輪焼きとすべきでは?

 瀬戸内海を臨む道の駅に、「七輪で焼く魚介BBQ」なるものが食べられるスペースがあった。この絶景を眺めながら食べる魚介はさぞ美味しかろうと思うが、七輪で魚介を焼く行為を果たしてBBQと呼んでいいのだろうか?

【3行日記】オペラ座には住めそうにない

【3行日記】オペラ座には住めそうにない

 阿刀田高著「ミステリー主義」を読んでいる。「オペラ座の怪人とストーリィ性」という章に、ミュージカルにおけるストーリー性の弱さとその必然性に関する記述があった。成程、高倉が舞台芸術に苦手意識があるのは、ストーリー性の優先順位が高い所為かもしれない、と思い当たる。

【3行日記】寝た子を起こすようなこと

【3行日記】寝た子を起こすようなこと

 数十年前に亡くなった叔母の部屋に、叔母直筆の小説原稿がある。衣装ケース一杯ぶんの原稿、処分するのも忍びないので、活字におこして遺稿集を作ることにした。叔母は、叔母の小説を高倉が書き起こすことを歓迎するだろうか、と、答えが出る筈もないことを考えながらキーボードをたたいている。

【3行日記】国境線で触れている

【3行日記】国境線で触れている

 「違国日記」を纏めて読んだ。日常を蔑ろにせずに、きちんと生きる人の物語だった。
 痛みも苦しみも寂しさも、誰と共有することもできない。それでも、誰かと触れている国境線が、私の輪郭になるのだろう。

【3行日記】HAPPY CERIAL LIFE

【3行日記】HAPPY CERIAL LIFE

 英語の発音がうまい母のもとで育った高倉にとって、「cerial」は長いこと「セリオ」だった。「シリアル」と「セリオ」が同一人物だと知った時には「RIALLY?!?!?!?!?!?」って叫んじゃったものだ。

【3行日記】こんな近場で異世界転生

【3行日記】こんな近場で異世界転生

 近所の駅周辺で祭りが開催されていた。ブラスバンドによる「テキーラ」が響き、屋台から佐世保バーガーのいい香りが漂い、三日月宗近とアーニャと猫々がトルネードポテトを食べながら歩いている。ちょっとした異世界に迷い込んだ気分だ。