不穏な朝の気持ち【エッセイ】
健康診断のため、いつもと違う街を訪れていた。
どこか懐かしい感じのする街並みを眺めながらぼんやりと歩いていたら、急に猛烈な不安感に襲われた。
春の陽気のせいなのか、イヤホンから流れるニガミ17才の、どこかしら不穏な音楽のせいなのか。
自分が輪郭を失い溶け込んでしまうような、もしくは反対に“自分だけ”がくっきりと浮かび上がってしまうような感覚があった。
さみしさとか、孤独、が近いのだと思う。
こういうふとした瞬間に喰らう揺り戻しからはいつになったら解放されるのだろうか。
そうこ