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息子の音楽フェスデビュー【FM802 Rockin’Radio! -OSAKA JO YAON-】

夫とは軽音サークルで出会った。
ふたりとも邦ロックが好きで、以前はよく一緒にライブに行っていた。
結婚後コロナが流行しその後息子も産まれて、ライブからは遠のいた生活を送っていた。

今年の3月にわたしが単独でZAZEN BOYSのライブへ行ったのをきっかけに、夫のライブ欲がむくむくと湧き出てきたらしい。
ある日突然「ロッキンレディオのチケット取るわ!」と言い出した。
1人で行くのかと思いきや家族3人で行くとのこと。
息子はライブ予定日まだ1歳。いけるのか…?と正直思ってしまった。

相談した結果、
大阪城音楽堂でのライブは何度か行ったことがあり、勝手がわかっていること。
迷惑になりにくい後方立ち見席があること。
再入場が可能で息子の状況によって出入りできること。
などが決め手となり、覚悟を決めて行くことにした。

出演アーティスト
Kroi/サバシスター/Chilli Beans./BREIMEN/NEE(出演キャンセル)/離婚伝説/ヨナツメ(OA)

離婚伝説が最近アツイ。
シナぷしゅの今年2月のつきうたも担当していたアーティストで、新しいのに懐かしい音楽性に伸びやかな歌声が心地よい。
「愛が一層メロウ」という曲は、息子も「あいめろう!もういっかい!」と何度もリピートを希望してくるくらいお気に入りになっている。
生演奏が聴けるのを家族みんなとても楽しみにしていた。



ライブ当日は晴れ時々くもりといった天気で、雨の日が続いていた中、恵まれた気候となった。日差しが抑えられて野外で過ごすにはちょうどよかった。
いざ、家族でフェスデビュー。
従来とは異なり持ち物にはおしりふきや抱っこ紐、息子のおやつなどが新たに加わって、いろんな意味で重さを感じた。
到着直前に寝てしまった息子を抱えつつ大阪城音楽堂へ入場し、後方の芝生エリアに腰を据えた。あたりにはちらほらと子どももいて少し安心した。

クロークはないので荷物は足元に


名前が今日にぴったりだと思った!


寝ていた息子も1時間ほどして起き、そこからは一緒にライブを見た。
自分も息子も楽しめるのかと、はじめは不安な気持ちを抱えていた。
しかし、ライブが始まると抱っこで一緒に鑑賞したがり、1曲終わるごとにぱちぱちと拍手、転換中には座っておやつを食べたりして過ごす。周りの大人と遜色なくいっちょまえにお客さんをしていて感心した。
まだ小さいからライブは無理なんじゃないか…というのは勝手な杞憂だった。


そして離婚伝説の出番。
ざわざわした転換から一転、BGMが大きくなって、はじまりの予感。
座っていた人も立ち上がって、前へ前へと押し寄せていく。
今回はその様子を後方から眺めているだけだったけど、高揚する気持ちは確かに感じられた。
息子にも「あいめろうでできたよー!」と伝える。
先日離婚伝説がメトロックに出演した際の配信を親子で繰り返し見ていたので、彼にとっても「あの人だ!」という感じ。
「愛が一層メロウ」のイントロが流れ出すと息子がニヤッと笑った。


好きなバンドの演奏が始まったときの、胸の高鳴り。
息子の心も動いたのだろうか。
それだけで、今日一緒に来れてよかったなあと心が染み渡るような気持ちになった。


ボーカルの、肩パッドの入った黄色いジャケットが目を惹くが、それ以上にただただ歌がうまくて、見た目に負けないスター性があった。
音源以上に唸りをあげるギターもとてもかっこよかった。
一歩間違えればダサいとか、やりすぎとか、そうなってしまいそうなところを絶妙なバランスで完成させているように感じる。
これがセンスか、と思わせてくれた。

離婚伝説の出演中、爽やかな心地よい風が吹いていて、とてもお似合いだった。


他のアーティストの予習をあまりできずに行ったので、満喫できるかなーと思っていたものの、生演奏の力は偉大でとても楽しかった。
特にChilli Beans. が気に入った。儚さと力強さが同時に存在していた。少し洋楽っぽい雰囲気があった。
いい出会いがあってよかった。


息子といえばフェスの時間ずっといっちょまえにお客さんをできていたわけではなく、途中で飽きたり外に行きたがったりしていた。
その都度夫が連れ出して遊んだり、おやつを食べさせたりしてくれて助かった。

トリのkroiの出番のころにはほんとうに帰りたくなってしまったようで、「おしまーーーい」と高らかに宣言。
それでも、あと1曲聴いたら帰ろうか、と言うと受け入れてくれて、みんなで最後の1曲を聴いた。



ここまで早く息子がフェスデビューする日が来るとは思っていなかった。
不安もあって、今回のフェス参戦は娯楽というよりは挑戦の意味も大きかった。
実際は大して困ることなどなく、息子の柔軟さに感心するばかりだった。
ライブならではの臨場感や一体感。野外で飲んだビール、爽やかな風、息子の笑顔。
それら全部含め、思い出に残る1日になった。


充実感と心地よい疲労を味わいながら帰路についた。



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