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おなかのあかり

拾ったのは小さな星のカケラ

ピンク色で美味しそうで
金平糖かな?と思って端っこ舐めたら
舌がピリピリ面白くて
少しかじると軽くジャリって音がした

暗い場所ではまばゆく光り
ほんのり優しく灯し続ける

枕元に置いて電気を消して
眺めていると眠気を誘い
いつの間にか朝になる

まだ歩き始めたばかりの妹が
目を放した隙に口に入れた星のカケラ

「食べちゃダメ!」と
大声で言った拍子に飲み込んで

それから、妹のお腹は
暗闇の中で光るようになった

それがうちのひいひい婆さんで
それ以来うちの家系の女性は何故か
お腹が光るようになったんだよ
とそう聞かされた

台風の日に停電になって
いつでも避難できるようにと
家族で川の字になって眠ろうとしたら
娘のお腹がぼんやりと光っていて

「またお腹を出して寝ているな」と
布団をかけ直していると
綺麗だね、とパパが言う

その温かいまなざしが大好きで
でも今はなんだか気に入らなくて

私も負けずにお腹を出した

外は激しい雨風なのに
部屋の中は優しい光で満ちている

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