一藤隆弘

組織開発の仕事をしています| 富士通で人事を一通り経験|ドイツに4年駐在→レノボglo…

一藤隆弘

組織開発の仕事をしています| 富士通で人事を一通り経験|ドイツに4年駐在→レノボglobal開発部門のHRBP→すき家管理本部門長となか卯人事部長兼任→EYで3社の人事部長→日本オラクル執行役員人事本部長→EY TaxでCOO | 組織開発・人事を経営の真ん中におくがモットーです

最近の記事

コーチング学習記録:やりたい事のなかった私が、やりたい事だらけになった理由

2023年正月のことでした。毎年恒例の今年は何をやろうか?!を書き出そうとした途端に、思考停止した。 「あれ?!やりたい事がない!」 歳を重ねるに従って、やりたい事が減っていく感覚に対して危機感を覚えて、はじめたのがコーチングの勉強でした。 仕事柄、コーチングとの付き合いは長いです。ICF系のコーチングを中心に、多くのセッションを受ける機会に恵まれ、コーチングのパワーを身をもって体験していました。いつか自分もコーチングを学び、コーチになろうとおもいつつ、約20年間

    • 自己紹介

      一藤隆弘(いち)です。 自己紹介をしてみようと思います。 というのも、私は現在Mindset Coaching Schoolでコーチングを学んでいます(最終ステージ)。学習中ではありますが、『初めまして』の方々にコーチングを提供する機会が増えてきました。そんな方々向けに、少しでも自分を知っていただきたいです。 【現在の私】新卒で入社した日系の大手IT企業で人事部門に配属されてから30年間、組織開発•人事を仕事にしてきました。2001-4年の4年間、ドイツに駐在していた時

      • 認知科学(脳のカラクリの科学)に基づくコーチングへの招待

        •部下が自律的に動いてくれない。結局、全部自分でやっている。近頃は、ちょっと強く言うとパワハラとか言われるし。もっと自律的に動いてほしいのに・・。指示待ちではなく、自ら考えて動ける「主体的」な人材は、どうやったら育てられるのだろう? ・コロナをきっかけにして、自分自身の働き方に対するモヤモヤが増した。DE&Iとか、パーパスとか、ウェルビーイングとか、要するに自分らしく生きるってことだろうけど、自分らしくって言われても、やらなければいけないことがたくさんあるし・・。というか、

        • 池の魚は食べられない

          ある貧しい村に大きな池がありました。 この池にはたくさんの魚が住んでいました。 でも、村人はみな「池の魚なんか食べられない」と言います。 この村で長くから伝わる、言い伝えでした。 事情があって遠くの村から引っ越してきたあなた。 この村の住民にはまだまだ馴染んでいません。 誰もまともに話を聞いてくれません。 今年は干ばつで農作物が不作。 秋から冬にかけて、村は飢えていました。 「私の村では池の魚を食べていたのに、みんな食べないのはなぜ?」 池の魚が食べられるというこ

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          アリストテレスと心理的安全性の出会い

          心理的安全性を一躍有名にしたGoogleのプロジェクト•アリストテレスを紹介したNew York timesの記事を今更ながら読んでみた。 https://www.nytimes.com/2016/02/28/magazine/what-google-learned-from-its-quest-to-build-the-perfect-team.html (メモ) •Googleでプロジェクト•アリストテレスを担当したJulia Rozovsky。キャリア迷子になって

          アリストテレスと心理的安全性の出会い

          がくちょと彰さんのチームビルディングプログラム(TBP)がスゴかった

          自分が変わっちゃった?! 1年半前から続いてきたムズムズ。 「自分って、どんな人?」 こんな基本的な問いに、自分で答えられない期間が1年半も続いたのです。 人事の仕事を30年もしていたら、自分自身や自分のリーダーシップ•スタイルを見直す機会は山ほどあり、それを人前で話すことも何度もあり、リーダーシップ•アセスメントの資格もとったりもしました。 1年半前の私にとって、自分のリーダーシップ•スタイルを言葉にすることは、簡単なことでした。 「ゴリゴリのドライブスタイル」

          がくちょと彰さんのチームビルディングプログラム(TBP)がスゴかった

          人事評価システム: ノー•レイティングに関する本(日本語)まとめ

          いわゆる成果主義以前の日本の会社の人事部門は、閻魔帳のように人事評価を裏で管理していました。表舞台に出さないことで人間関係を維持し、従業員の士気を下げない努力をしてきました。1990年代半ば以降、それが成果主義の導入によって一変します。成果主義のなかでは、すくなくとも理屈上は「頑張り」は評価されません。上司にはレイティングを本人に伝えることが義務付けられました。このコミュニケーションは当たり障りのない人間関係を壊しました。上司は、教えてくれる人から評価者に変わりました。本来の

          人事評価システム: ノー•レイティングに関する本(日本語)まとめ

          人事評価システム: ノー•レイティングの誕生

          ノー・レイティングとは、1年間の成果を「A」「B」「C」「D」「E」といったかたちで分類(レイティング)しない人事評価システムです。「分類」(レイティング)ではなく「言葉」(対話)で人事評価を行うというということであって、人事評価そのものを行わないわけではありません。 1年間一生懸命働いた成果を総括して「あなたの評価は「B」ですよ」というかわりに、上司と部下のタイムリーな対話を通じて課題設定→実行→振り返り→評価のサイクルを繰り返し、成果や成長、課題と現状とのギャップを「言

          人事評価システム: ノー•レイティングの誕生

          人事評価システム: 学校と企業(企業でのルーブリック活用)

          教育の世界では、評価と育成を繰り返すパフォーマンス・マネジメントのサイクルのなかで、結果よりも育成支援の側面を重視します。 企業におけるパフォーマンス・マネジメントの視点が、評価から育成支援に移動しつつあるとすれば、教育現場における評価の試行錯誤の蓄積から、学ぶべきことが多くありそうだとおもったのです。 近年、教育の現場では、以下のようなキーワードが注目されているようです。 「基準づくり」 「ピア評価」 「自己評価」 「振り返り」 「レイティングによらないフィードバック」

          人事評価システム: 学校と企業(企業でのルーブリック活用)

          人事評価システムと組織設計とHRの役割の切っても切れない深い関係

          パフォーマンス•マネジメントのトレンドの一つに評価しない評価(ノー•レイティング)があります。ところが、日本では全くと言って良いほど進んでいません。きっと、理由があるに違いない!? レイティング(伝統的な人事評価システム)がイノベーションや心理的安全性を阻害すると言われたりします。それなのに、日本で「じゃあ、レイティングをやめちゃえ!」とならないのは何故? どうやら、レイティングをもって評価するかどうかという方法論•制度設計の話ではなさそうです。もっと根深い日本社会の構造

          人事評価システムと組織設計とHRの役割の切っても切れない深い関係

          ノー•レイティングで困ることってあるの?(労働法の観点)

          近年、外資企業を中心に一気に広まったノー・レイティングによる人事評価の仕組みがあります。 個人的には、このレイティングなしが好みです(組織特性による考え方を否定はしないですが)。そもそも人を同じ物差しで評価することなんてできっこないなかで、無理やりレイティングで評価しても、評価する方もされる方もしんどいとおもうのです。 ところがノー•レイティングについて、労働法の観点から懸念の声が上がることがよくあります。懸念の声におされて、ノー•レイティングから、レイティングの世界に戻

          ノー•レイティングで困ることってあるの?(労働法の観点)

          採用活動において、候補者のSNSアカウントを検索し、そこで発信された過去の情報を見て、採用不採用の判断をすることは許されるか?

          2019年のリクナビ問題を機に、HR Techとあわせて個人情報保護の重要性が改めて注目されました。でも、また、忘れ去られている感じもします。それで、改めて振り返りたいと思ったのです。 まず、個人情報保護法ってなんだろうと。 個人情報保護法というのは、主に消費者と企業の関係における顧客データの管理を主なスコープにしていて、従業員データの管理についてはほとんど触れていません。 結果、多くの企業の人事部門は、個人情報保護を自分事と捉えていない。必然的に、個人情報保護の重要性

          採用活動において、候補者のSNSアカウントを検索し、そこで発信された過去の情報を見て、採用不採用の判断をすることは許されるか?

          アツい次世代と会うと楽しい話。

          近頃、リーダーシップを学び、語る大学生と出会う機会が増えました。先日も、オンラインのワークショップでたまたま知り合った大学生男子と対面。 オンラインワークショップの中で知り合い、 「渋谷のQWSにいるので、遊びに来てくださいよ!」 「はい、わかりました」 という具合。 年功序列なんていう概念はほとんどなさそう。 気持ちいい。 会ってみたら、QWSを拠点にコミュニティ活動に精力的に取り組んでいるのこと。 「大学で浮いているんです。それで自分みたいに浮いてる人たちの居場所

          アツい次世代と会うと楽しい話。

          「心理的安全性」と「チームの心理的安全性」の微妙で大きな違い

          昨年大ヒットした「恐れのない組織」の53ページに、こんなことが書かれていました。 どうやらその1999年のAmy Edmondsonの論文が、心理的安全性ブームの火付け役らしいです。そうであれば読まざるを得ません。「Psychological Safety and Learning Behavior in Work Teams」という論文。読んでみると、さすがに学術論文だけあって、「恐れのない組織」よりも読みづらい。そのかわり、学びがありました。 (論文のダウンロードはこ

          「心理的安全性」と「チームの心理的安全性」の微妙で大きな違い

          活躍している女性リーダーは、なぜ女性活躍推進のために立ち上がってくれないのか?

          伝説のジャズシンガー、ビリー・ホリデイとFBIの対決を描く映画「ザ・ユナイテッド・ステイツ vs. ビリー・ホリデイ」を観た。 そのなかで「黒人でいる気分はどう?」と白人インタビューアーから聞かれたビリーが「ドリス・デイにも聞く?」と返す。それに対して白人インタビューアーが「彼女は黒人じゃないから」と応じるチグハグなやりとりがある。 こうしたやりとりが、あらゆるマイノリティグループについておきているのでは? • • • 女性活躍を組織的に進めるためには、今いる女性リー

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          組織のなかで評価の報酬を決めるのは誰であるべき?(プロサッカーの事例から)

          「企業では、誰が人の評価をして、誰が報酬を決めるの?」 日本企業でいうところの、事業部長クラス?部長クラス?課長クラス?それとも人事?  正解ってあるのか?! そういえば、これについて明確な答えが書かれた書き物を見たことがない。そのような問いも見たことがない気がするのです。それで、考えて見たいとおもったのです。 "わたしの評価がどんな風に決まって、給与がどうやって決まっているのかわからない!"という声が多くの企業で聞かれるのですが、そうした疑問へのヒントにもなるかなと。

          組織のなかで評価の報酬を決めるのは誰であるべき?(プロサッカーの事例から)