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「tari shirt展 ~タリ族の衣文化~」 展示補助資料 #6 おわりに
おわりに 以上、タリがタリ族を目指しているという自覚を持った時期以前にまで遡り、その衣文化を時期ごとに分けて紹介することで、展示の補助資料とさせていただく。展示では、作品の保存状態や展示スペースの関係上、本稿でご紹介した全ての衣服を展示できないことが残念ではあるが、近年の作品に焦点を絞ることでより生き生きとしたタリ族の今の衣服を感じていただけることと思う。
本展で展示している衣服は、小さな小
「tari shirt展 ~タリ族の衣文化~」 展示補助資料 #5「タリ族の衣服へ~現在」
「タリ族の衣服へ~現在」 丹波の自然豊かな土地で、畑仕事をしたり植物を採集して布づくりをしたりという生活にこれまでにない喜びを感じていたタリは、ようやく自分が「タリ族」を目指しているのだということに気が付いた。(詳細はnote『tari textile BOOK 後編』https://note.com/the_taris/m/m4a62894c80f6参照)
これまでの自身の服にまつわるあれ
「tari shirt展 ~タリ族の衣文化~」 展示補助資料 #4 「tari denim」期
「tari denim」期 その後、生地好きが高じて、自分の手で糸を紡ぎ草木で染めて織る、という織物を学ぶために会社を辞め西宮から丹波へ移住したタリ。(布づくりの詳細はnote『tari textile BOOK 前・後編』https://note.com/the_taris/m/mb346830a1f03参照)
布づくりを中心とした生活ではあったが、服作りも細々と続けていた。移住したため洋
「tari shirt展 ~タリ族の衣文化~」 展示補助資料 #3 「ムツミ商店」期
「ムツミ商店」期 その後、運と縁あってテキスタイル製造卸の会社に就職したタリ。覚えることも多かったが、生地にまみれながら夢中になって様々なことを吸収していった。
そんな入社したてのある日、電車の窓から見えていた洋裁教室のことをふと思い出した。最寄りの西宮北口駅前にあり、家からも徒歩5分程だ。すぐに見学に行き、ベテランらしい女性の先生と話しているうちに、むくむくと服をつくりたい気持ちが大きくな
「tari shirt展 ~タリ族の衣文化~」 展示補助資料 #2 「3びきの子ねこ~SHOP band」期
「3びきの子ねこ~SHOP band」期 転機は15~16歳ごろ訪れた。
就職した一番上の姉が東京で一人暮らしを始め、タリは姉が住んでいたアパートに遊びに行った。そして近くの下北沢へ連れて行ってもらった。
そこは今までに知っている街とは違い、何か独特のエネルギーがギュッとつまっている感じがした。タリは街を散策しながら、さまざまな古着屋を巡った。
「こんなに楽しい服屋さんは初めてだ!
「tari shirt展 ~タリ族の衣文化~」 展示補助資料 #1 「肉まん帽子」期
「肉まん帽子」期 とある冬の朝。洗面所の前にあるカゴの上から、灰色のフェルト地、丸い形の帽子を取り出し、満足げにかぶる少女がいた。その帽子の縁には一周、同じ素材の2センチほどのチューブ型のつばが付いている。年の離れた姉二人には、その少女の見た目がまん丸だということもあり「肉まん帽子」と呼ばれている。どうやらその帽子はもともと姉のものだったようだが、二人ともあまりかぶらずしだいに忘れ去られ、長い間カ
もっとみる「tari shirt展 ~タリ族の衣文化~」 展示補助資料 #0 はじめに
はじめに 今あなたはどんな服を着ているだろうか。なぜその服を選んだのだろうか。その服はどのように今そこにたどり着いたのだろうか。
人類の衣服の起源は謎に包まれている。衣服の遺物は数千年前の繊維製品や毛皮のものが発見されているが、それ以前がどうだったのか、なかなか痕跡が残りにくい衣服の起源については不明なことが多く今も研究が続いている。
しかしながら、この人類特有の「衣服」という文化には