tari textile BOOK 後編 #7「素材にふれる丹波布」プロローグ
「素材にふれる丹波布」
プロローグ
ここに1枚の丹波布がある。遠慮なく、自由に手にとってみてほしい。
丹波布については、実物や写真で見たことはあっても、実際にふれたことはなかった、という人も多いかもしれない。
ひと口に丹波布といっても、糸の太さや打ち込みの数、また仕上げの糊の量やその有無によって、そして布の使用年数や使用方法などによって、その手触りは大きく異なってくる。そうした手触りの違いを味わい、変化していく様子を楽しむことも布の醍醐味だといえる。
では、今あなたが手にしているその丹波布、もとはといえばいったい何ものなのだろう?何からできているのだろう?
そう、綿だ。あの白いふわふわした綿と、それを染めるための植物。それらが姿かたちを変えてこの布として現れている、そんなふうに想像してみてほしい。なんだか手にした布が今までと違うように見えてきたって?うむ、いい感じだ。
ではその調子で、ここからますます丹波布にぐっと近づいて、その素材の世界にふれてみよう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?