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【イベント開催】「へんなほんてん」【8月25日〜9月13日】

こんにちは。
合同会社ARTの地産地消は、「アートの力でクリエイティブで豊かな市民生活を実現する」をビジョンに掲げ、地域住民の皆様と地域で活動するアーティストの交流を積極的に推進していきます。

その一環として、会社代表・詩人の井上正行による蔵書展『へんなほんてん』を実施することにしました。普段あまりみられないような、不思議でどこかへんな本を25冊ほどセレクトしました。青梅在住のへんな人が持っているへんな本をご覧くださいませ。

へんなほんてんとはー?

それでは早速、展示会に向けた挨拶文を読んでいただこうと思います。

『へんなほんてん』とは、合同会社ARTの地産地消の代表・詩人の井上正行が収集してきた蔵書を皆さんにお披露目する展示会です。私にとっての「へんなほん」とは、読書以前の体験を生み出すものです。本に質量を与えるものは何でしょうか。ひとつに情報が挙げられます。そこには私たちの知識や思念も含まれます。換言すれば、本は私たちの言語活動が受肉したオブジェであり、肉体であり、景色です。


壁に沿った全長数メートルの蛇腹藍染図鑑

インターネットは世界を巨大な図書館へと変貌させましたが、明らかに質量が足りません。天文学的なスピードで膨張する文字情報の氾濫を小さなスマートデバイスで片手ひとつで受け止める現代は、はっきり言って異常です。この展示会で伝えたいことは、本をめぐるリアルかバーチャルかといった素朴な二項対立に対する問題提起ではありません。私はより多くの人たちに本との新しい出会いを提供したいだけです。ここでいう新しさとは、読書を目的としない本との出会いです。出版文化の衰退や現代人の読書離れといった課題が叫ばれて久しいです。現代の日本において、もう人は増えません。だから読者は減り続けます。スマホはあまりにも便利です。全部電子化してしまえば、本などいらないのでしょう。おそらくその通りですが、この課題は前提として「本は読むものである」という思い込みから生じているのではないでしょうか。

私にとって本は読むものではなく、出会うものです。今回展示する本は、「全長数メートルのかまぼこ図鑑」「めくれない本」「現代最高の詩人による見たこともないようなレイアウトの詩集」「伝説の編集者と天才デザイナーが作り上げたオブジェのような雑誌」「秘密探偵の人事録」など、さまざまです。これらの本は、必ずしも読むことを目的にして手にしたわけではありません。不思議で魅力的な佇まいだから手に入れたのです。

これらは決して見掛け倒しではありません。当然、内容も充実しています。むしろ、内容のユニークさが外見を形作っていると言っても過言ではありません。そもそも、優れた本とは内容と装丁のコンビネーションによって成立するのです。しかし、私はブックデザインだけで本を選んでいるわけではありません。

出会い方も重要です。例えば「全長数メートルのかまぼこ図鑑」や「秘密探偵の人事録」は本来捨てられるはずの本でした。「現代最高の詩人による見たこともないようなレイアウトの詩集」は、言うまでもなく私が詩を書くから手に入れたのです。彼の詩はもはや紙の上だけで成立するものではありません。語弊があるかもしれませんが、彼は本から詩を解放させようとしているのではないかとさえ思えるのです。そういう意味で、彼の詩は読むというよりは、景色のように眺めるものです。それほど、既存の詩集や本の常識から逸脱しています。「めくれない本」もまた詩集ですが、出会ったきっかけが異なります。私が敬愛する19世紀末のフランス人画家オディロン・ルドンが大事に読んでいた本だから購入したのですが、ほとんどが袋とじになっており、破るのが勿体なくて結局ずっと読めていません。そして、「伝説の編集者と天才デザイナーが作り上げたオブジェのような雑誌」ですが、言うまでもなく日本のブックデザイン史の金字塔であることは間違いありません。


壁に取り付けられた『object magazine 遊 創刊号〜10号』

私が魅力を感じたところはそこだけではなく、目玉が創刊号の表紙に使われていたということも大きな決め手になっています。「目」は私の人生の節目で現れる重要なシンボルだからです。

結局、本との出会いは極私的な出来事に過ぎないのかもしれません。しかし、目を向けるべきは出会ってしまったという偶然性についてです。どんな出会いも言ってしまえば極私的な出来事に過ぎませんが、「偶然の出会い」と「偶然が生じる瞬間」とは厳密に分けて考えなければなりません。「偶然の出会い」は事後的な出来事です。偶然を認識した瞬間、それはすべて過去のものになります。一方で、「偶然が生じる瞬間」は常に未来へ投企されているのです。

展示会場は、8月25日から9月13日の間、「偶然が生じる瞬間」を生み出すシステムとして機能するでしょう。したがって、『へんなほんてん』は読書以前の本との新しい出会いが生まれる未来の場所となるのです。

これだけでは、いまいちどんな展示会なのかピンとこないかもしれません。私なりに主要なポイントを整理したので、ぜひ以下の文章もお読みくださいませ。

「へんなほんてん」をより理解するために

①「本」の価値と体験


超ロング蛇腹かまぼこ図鑑

今展示では、「本」を単なる情報や知識の媒体として捉えるのではなく、それを超えた体験や出会いの対象としています。「読書以前の体験」と表現しているように、本を読むという行為にとどまらない新しい形の体験を提供しようとしています。

②デジタル時代と本

本に埋め込まれた蛇腹本

インターネットの普及により、世界が「巨大な図書館」へと変貌したものの、その「質量」や「リアルな体験」が欠けていると感じています。デジタル化された情報が手軽に入手できる現代において、紙の本が持つ物理的な存在感やそれに伴う出会いの価値を強調しています。

③展示会の目的


背が丸見えの本

私は、この展示会を通じて、本との新しい出会いを提供したいと考えています。展示される本は、ただ読むためのものではなく、その外見や内容のユニークさに惹かれたものです。「読む」という行為にとらわれず、本を「出会う」ものとすることで、出版文化や読書の新しい形を提案しようとしています。

④偶然の出会いの重要性


本になる前の本

展示会は、「偶然が生じる瞬間」を作り出す場であり、そこから生まれる新しい体験を来場者に提供したいと考えています。私は、本との出会いが偶然であり、それが重要であるとしています。

いかがでしたか?
現在まだまだ準備中ですが、きっと8月25日からは展示会らしい展示ができるようになるでしょう。皆さんのご来場を心からお待ちしております。

お知らせ

アトリエ利用者募集中!

現在、「THE ATELIER」の利用者を募集しています。2024年の8月1日以降から利用可能です。見学するだけでもとても嬉しいです!
随時募集を受け付けております。

必ず募集要項をお読みの上、ご応募ください。

イベント開催!

8月24日、9月14日、28日には青梅の写真家八野好洋さん、同じく青梅で活動するチョークアーティスト茂木あかねさん、御朱印アーティストのAPOホリグチさんが御登壇されます。
THE ATELIERで開催しますので、見学も兼ねてぜひいらしてください!

応募はこちらから

■第8回ゲスト:八野好洋氏
日付:2024年8月24日(土)

■第9回ゲスト:茂木あかね氏
日付:2024年9月14日(土)

■第10回ゲスト:APOホリグチ氏
日付:9月28日(土)

いずれも
時間:14:00開始 15:00終了予定
場所:THE ATLIER(青梅市本町130−1ダイアパレスステーションプラザ青梅204)
定員:15名
参加費:1000円(資料代)当日お支払い
主催:合同会社ARTの地産地消

lplc.of.art@gmail.com
0428-84-0678(喫茶ここから内10:00-18:30/担当:風間真知子)

奉納舞踏開催!

そして、2024年10月6日(日)の16時頃からは武州青梅金刀比羅神社にて「奉納舞踏」が開催されます。参加費無料なので、ぜひ足を運んでくださいね!

【お問い合わせ】
0428-84-0678 /lplc.of.art@gmail.com(喫茶ここから/担当風間)

おわりに

イベントのご案内はもちろん、その他会社の詳しい内容は直接私たちにご連絡いただけると幸いです。
会社の拠点となりますTHE ATELIERには、同じフロア内に喫茶店を併設しております。基本的には定休日なしで営業しておりますので、お気軽にご来店いただき、お話出来たら嬉しいです。

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