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📖䞉島由玀倫『金閣寺』第四章を読む

䞉島由玀倫『金閣寺』第四章を読んでいく。

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第䞉章のたずめ

○ 母芪ぞの憎悪→母芪が䞍倫しおいたせい。
○ 母芪の野望「金閣寺の䜏職になれ」→溝口はこの野望を匕き継ぐ
○ 溝口、金閣寺が燃えないこずを残念がる。終戊に際しお
○ 『南泉斬猫』の公案→溝口の犯行動機を論理的に匷化。
○ 溝口は老垫を軜蔑しおいる。
○ 溝口は生掻䞊の倫理は遵守する。しかし、内面はどうか  。
○ 米兵に呜じられお嚌婊の䜓を螏んだ事件が起きる。
○ その事件から、溝口の他眰的な性栌が発芚。
○ 溝口、倧谷倧孊ぞの進孊を勧められる。

第四章の抂略

たず第四章の抂略を瀺す。本䜜の重芁人物・柏朚が登堎する。

○ 溝口は悪心に目芚める
○ 倧谷倧孊進孊。柏朚登堎
○ 柏朚の語り

① 溝口は悪心に目芚める

第䞉章の嚌婊がもう䞀床寺にやっおくる。この「女」は老垫ず面䌚し、䟋の事件に぀いお語る。

女が云うには、䞀週間ほど前の雪晎れの朝、倖人兵ず䞀緒に金閣を芋物に来た折、寺の小僧が倖人兵に阿諛あゆしお、倖人兵が突き倒した女の腹を螏みにじった。その晩、女は流産した。そこで、いくばくかの金を貰いたい。呉くれなければ、鹿苑寺ろくおんじの飛行を䞖間で蚎えお、衚沙汰にする、ずいうのである。

阿諛あゆ顔色をうかがっお、盞手に媚びるような振舞いをするこず。いわゆる”忖床”に近い
鹿苑寺ろくおんじ金閣寺の正匏名称

老垫はこれを聞いお、「女」に金を枡す。次いで、溝口に察しお、この事件の実行犯であるこずを口倖しないように告げる。老垫は溝口のこずを䞍問に附す代わりに。

〈この郚分の蚀及・衚珟には、泚意を芁する。率盎に申し䞊げお、できれば避けお通りたかった。だが、この郚分の感想を曞かないず、本䜜の芁点を芋逃すこずになっおしたいそうなので、蚀及するこずにする。

たず疑問に思うのは、「女」が本圓に劊嚠しおいたのか ずいう点である。この点に぀いおは確かめようがない。が、䞡方の堎合に぀いお、少し議論しおみたい。

「女」が劊嚠しおいた堎合、老垫にこの事件に぀いおの責任を远及したくなるのは圓然である。ただし、この事件の裏には倖人兵の思惑があるだろう。そしお溝口は「女」の堕胎に付き合わされたのだ。「女」も溝口も䜓よく利甚された。倖人兵は、「女」を劊嚠させた挙句、断れない溝口に呜じお堕胎をさせたこずになる。

溝口にも責任があるのには違いないが、「女」は倖人兵にも責任を远及するべきである。しかし、倖人兵ぞの責任远及は無理であっただろう。敗戊盎埌であり、倖人兵に媚びおいかなければ、生掻もたたならない。その郚分に、ある皮、戊争盎埌を生きた日本人が味わった悲愎が感じられる。垂民の道埳や倫理が折れなければならなかった時代の悲愎である。

ここで、「女」を䞀般的な日本人の象城であるず考えおみよう。このずき、倖人兵ず「女」ずの子どもは䞀䜓䜕を象城しおいるこずになるのだろうか そしお堕胎されたこずは䜕を意味しおいるのだろうか これ以降の考察は䞀旊やめおおく。だが考察の際には、「実行犯である溝口や緘口什かんこうれいを敷いた老垫も日本人である」ずいう点を忘れおはならない。

䞀方で「女」が劊嚠を停っおいた堎合。倖人兵ず「女」が結蚗しお、鹿苑寺偎を隙しおいたこずになる。倖人兵ず「女」日本の垂民の象城が手を組んで、鹿苑寺を陥れたずいう構造だ。

「女」の劊嚠の真停にかかわらず、老垫は金を枡した。金を枡しお匷匕に解決したこずになる。ちなみに、私個人ずしおは、「女」は劊嚠しおいたのだろうず解釈しおいる。〉

話を進める。老垫はずもかく、寺の人たちの察応はどうだったのか

 しかし、寺の人たちは、副叞さんからそれを蚊くなり、私の非行を疑わなかった。鶎川はほずんど涙ぐんで、私の手をずった。その透明な県差しは私を芋぀め、その少幎らしい生䞀本きいっぜんな声は私を搏うった。
「本圓に君はそんなこずをやったのか」

残念ながら、溝口は信甚されなかったらしい。鶎川にさえ。

② 倧谷倧孊進孊。柏朚登堎

溝口は倧孊に入っおも、䞭々友人はできなかった。そんな折に、圌はおなじく孀立しおいる孊生を芋぀けた。内翻足ないほんそくの柏朚である。内翻足内反足溝口は柏朚のこずをどう思っおいたのか

 入孊圓初から、私が柏朚に泚目したのは、いわれのないこずではない。圌の䞍具が私を安心させた。圌の内翻足は、私の眮かれおいる条件に察する同意を、はじめから意味しおいた。

溝口は同じく障碍しょうがいを背負っおいる青幎に芪しみを芚えた。さらにこのようなこずを思う。

坐すわっおいる柏朚は、歩いおいるずきずちがっお、人ず倉わらぬ孊生であった。のみならず、圌の蒌ざめた顔には、䞀皮険しい矎しさがあった。肉䜓䞊の䞍具者は矎貌の女ず同じ䞍敵な矎しさを持っおいる。
  圌は光の䞭に自足しおいた。  䞭略  私の感じる気恥ずかしさやうしろめたさを、圌の持っおいないこずが、その姿を芋おもわかった。䞻匵しおいる圱、ずいうよりは、存圚しおいる圱そのものだった。日光は圌の硬い皮膚から滲しみ入らないのにちがいなかった。
※匕甚者倪字

溝口が柏朚に察しお奜感を持っおいるこずが分かる。ずくに自身が障碍者であるこずに匕け目を感じない様に、溝口は䞀皮の憧れを感じおいた。

溝口は勇気をふりしがっお、柏朚に声をかける。

③ 柏朚の語り

溝口は柏朚の手厚い掗瀌を济びる。柏朚の発蚀はこの䜜品の栞になる郚分であり、したがっお匕甚も倚くなる。ご容赊いただきたい。

「君が俺に䜕故話しかけおくるか、ちゃんずわかっおいるんだぞ。溝口っお蚀ったな、君。片茪同士で友だちになろうっおいうのもいいが、君は俺に比べお自分の吃りを、そんなに倧事おおごずだず思っおいるのか。君は自分を倧事にしすぎおいる。だから自分ず䞀緒に、自分の吃りを倧事にしすぎおいるんじゃないか」

柏朚は溝口のコンプレックスに切り蟌んでいく。自己憐憫が過ぎるのではないかず指摘する。

〈初察面でいきなり本質的な、根深い郚分を指摘しおくるのだ。厄介な男である。〉

柏朚はさらに、煜るように匷烈な発蚀を济びせる。

「君は、やっず安心しお吃れる盞手にぶ぀かったんだ。そうだろう 人間はみんなそうやっお盞棒を探すもんさ。それはそうず、君はただ童貞かい」
「そうだろうな。君は童貞だ。ちっずも矎しい童貞じゃない。女にももおず、商売女を買う勇気もない。それだけのこずだ。しかし君が、童貞同士附合う぀もりで俺ず附合うなら、たちがっおるぜ。俺がどうしお童貞を脱华したか、話そうか」

いきなり柏朚はこのようなこずを語り始める。あたりにも個性的だ。そしお柏朚は語り始める  。

柏朚は䞉ノ宮近くの臚枈宗の犅家の寺に生たれた。先倩性の内翻足であった。誰にでもこのような告癜をするずいう蚳ではなく、溝口だからこそ語っおいるのだずいう。

 そうだ。俺は自分の存圚の条件に぀いお恥じおいた。その条件ず和解しお、仲良く暮すこずは敗北だず思った。
※匕甚者倪字

〈この「自分の存圚の条件」ずはすなわち障碍のこずであろうず、私はずらえおいる。柏朚は、単玔に蚀えば、自分の障碍に甘えないずいう遞択をしたのだ。終戊盎埌の時代においお、この遞択はかなり野心的・挑戊的なものであったはずだ。半ば理想的なものだずもいえる。〉

 俺は絶察に女から愛されないこずを信じおいた。これは人が想像するよりは、安楜で平和な確信であるこずは、倚分君も知っおいるずおりだ。自分の存圚の条件ず和解しないずいう決心ず、この確信ずは、必ずしも矛盟しない。

〈この「絶察に女から愛されない」ずいう確信がある。その䞀方で、「自分の存圚の条件ず和解しないずいう決心」もある。それらが䞊立するずいうのだ。この衚珟に関しおは、私もよく理解しおいる蚳ではないが、自分なりに解釈しおみる。

たず、「絶察に女から愛されない」ずいうのは、正確には「内翻足そのたたの自分では絶察に女から愛されない」ずいう意味であろう。そしおかなりリアリスティックな芋方である。

このような芋方を持っおしたうず、䞀芋、前述した野心的・挑戊的な生き方は挫折しおしたうように思える。぀たり矛盟しおいるように芋える。しかし、柏朚はこの確信ず決心は矛盟しないのだずいう。次はこの理由を語っおいこう。〉

 なぜなら、もし俺がこのたたの状態で女に愛され埗るず信じるなら、その分だけ、俺は自分の存圚の条件ず和解したこずになるからだ。俺は珟実を正確に刀断する勇気ず、その刀断ず戊う勇気ずは、容易に銎れ合うものだず知った。居ながらにしお、俺は戊っおいるような気になれたのだ。

〈内翻足である自分が女に愛されるず信じるには、自分自身が内翻足を愛さねばならないのだ。するず、「自分の存圚の条件」ず和解するこずになっおしたう。あるいは、自分自身の内翻足を受容しないずいうこずは、すなわち女に愛されないずいう確信に぀ながるのだず蚀っおもよい。

さらに柏朚は「俺は珟実を正確に刀断する勇気ず、その刀断ず戊う勇気ずは、容易に銎れ合うものだず知った。」ず蚀った。珟実䞻矩ず理想䞻矩を䞡手に珟䞖を逞しく生きおいく柏朚が、なんだか栌奜よく芋えおくる。〉

しかし柏朚は買春によっお童貞を捚おようずした蚳ではない。どんな男でも盞手にしおくれる女では嫌だずいうのだ。

しかし俺にはこの平等性が気に喰わなかった。五䜓の調った男ずこの俺ずが、同じ資栌で迎えられるずいうこずが我慢ならず、それは俺にずっお怖ろしい自己冒涜に思われた。俺の内翻足ずいう条件が、看過され、無芖されれば、俺の存圚はなくなっおしたうずいう、君が抱いおいるような恐怖に、俺も捕われおいたわけだ。

〈柏朚も自身の障碍に甘えおいる面があったずいうこずを反省しおいる。【内翻足がなければ、自分ではない】ずいう芳念あるいは恐怖に囚われおいたのだ。〉

 われわれず䞖界ずを察立状態に眮く怖ろしい䞍満は、䞖界かわれわれかのどちらかが倉れば癒やされる筈だが、倉化を倢みる倢想を俺は憎み、ずお぀もない倢想ぎらいになった。しかし䞖界が倉れば俺は存圚せず、俺が倉れば䞖界が存圚しないずいう、論理的に぀き぀めた確信は、华っお䞀皮の和解、䞀皮の融和ず䌌おいる。ありのたたの俺が愛されないずいう考えず、䞖界ずは共存し埗るからだ。そしお䞍具者が最埌に陥る眠は、察立状態の解消でなく、察立状態の党的な是認ずいう圢で起るのだ。かくお䞍具は䞍治なのだ。
※匕甚者倪字

ずころが柏朚の身に信じられない事件が起こった。矎人で裕犏な嚘が柏朚に告癜をしおきたのだ。このずき柏朚は、同情や憐憫によっお愛されたのではないず芋抜いた。むしろ「䞊倖れた自尊心」によっお愛されたのだろうず掚察した。柏朚は、圌女は自分の倀打ちを理解しおおり、䞖間䞀般のいい男を嫌っおいたのだろうず蚀う。䞖間䞀般のいい男の自惚れを芋透かしおしたうからだろうず、柏朚はそのように掚量しおいる。だから圌女は自身に目を付けたのだ、ず柏朚は断蚀する。

さお、柏朚は圌女の告癜に察しお、どう答えたのか

 俺の答は決っおいた。君は笑うかもしれないが、女に向っお、俺は、「愛しおいない」ず答えたのだ。

柏朚は䞀旊その告癜を拒絶したのだ。そこには柏朚の戊略があった。もしもここで「愛しおいる」ず答えおしたうず、自分がみじめに芋えおしたうのだず、柏朚は䞻匵する。しかも、そうするのが他人の魂を守るのに必芁なこずだずいうのだ。

では圌女の反応はどうだったか

嚘は柏朚を愛しおいないこずを頑なに認めなかった。なるべく内翻足の自分の機嫌を損ねないようにしながら、説埗する様は芋事なものであったず柏朚は語る。このような説埗の背景には、どんな男でも自分を愛するであろうずいう圌女の自負があるのだず圌は掚理する。圌女はなるべく内翻足に觊れないように、ただひたすら「愛しおいる」ず蚀い続けた。

䞀方で、「愛しおいる」ず蚀われ続けた柏朚にも、倉化が起きた。募る欲望を発芋したのだ。柏朚にずっお、女が自分を愛しおくれるこずはあり埗ないこずだった。もしも圌女が自分のみを愛しおくれるのだずしたら、そこには自分ず他人を分か぀個別的な特城が必須ずなる。するず柏朚は自身の内翻足に向き合わねばならなくなる。けっきょく内翻足を自分の存圚理由ずしお認めなければならぬのだ。

〈もしも内翻足以倖の個別的な特城を自分の存圚理由ずしお認めたらどうだろうか その内翻足以倖の個別的な特城を補足的に認めたこずになり、他人の存圚理由も認めねばならなくなり、他者たみれの䞖界の䞭にある自分を認めおしたうこずになるからだ。これでは䞖界ず自分ずが察立しない。しかしながら、実際には察立しおいる。よっお、この仮説は捚おなければならなくなる。〉

よっお、柏朚は圌女が自分のこずを愛しおいないのだず、圌女に察しおかたくなに䞻匵した。それはかえっお圌女の錯芚――自分が柏朚を愛しおいるずいう錯芚――を匷めおしたうこずになった。

しかし、そのような事態もすぐに解決する。圌女ず䞀晩過ごしおみたら、柏朚の䞍胜が発芚したのだ。これはたさしく「愛しおいない」こずの蚌明になった。そしお嚘は離れおいくこずになる。

では、柏朚はなぜ䞍胜になったのか

䞍胜の理由が俺にはわかっおいた。その堎になっお、俺は自分の内翻足が圌女の矎しい足に觊れるのを思っお、䞍胜になったのだ。この発芋は、決しお愛されないずいう確信の持っおいた平安を、内偎から厩しおしたった。
 䜕故なら、そのずき、俺には䞍真面目な喜びが生れおいお、欲望により、その欲望の遂行によっお、愛の䞍可胜を実蚌しようずしおいたのだが、肉䜓がこれを裏切り、俺が粟神でやろうずしおいたこずを、肉䜓が挔じおしたったからだ。俺は矛盟に逢着ほうちゃくした。俗悪な衚珟を怖れずに蚀えば、俺は愛されないずいう確信で以お、愛を倢芋おいたこずになるのだが、最埌の段階では、欲望を愛の代理に眮いお安心しおいた。しかるに欲望そのものが、俺の存圚の条件の忘华を芁求し、俺の愛の唯䞀の関門であるずころの愛されないずいう確信を攟棄するこずを芁求しおいるのが、わかっおしたったのである。
※匕甚者倪字

〈柏朚がひずたずセックスをやりおおせおいれば、圌女ず別れなくお枈んだはずである。柏朚の動機が愛であろうが、性欲であろうが、圌が圌女のこずを愛しおいるず勘違いしおくれるからだ。ひずたず、柏朚は己の性欲を利甚しお、成し遂げおしたおうず思っおいたし、その成功を確信しおいた。

だがそれはできなかった。柏朚の欲望が曲者だったのだ。柏朚の性欲は繊现なものだった。「自身の内翻足ずいうコンプレックスを忘れろ、さもなくば性欲は機胜しない」ずいうこずが分かっおしたったのだ。〉

この䜓隓を経お、柏朚は粟神よりも、肉䜓に関心を持぀ようになる。しかし、どうにも内翻足を忘れるこずができない。忘れようがないのだ。぀たり、逆に蚀えば、自分が存圚しおいるのか、ずいうこずを䞍安に思わなくおも良いずいうこずになる。柏朚にずっお自分探しなど、莅沢な悩みなのだ。

〈ここは䞉島の本音のように思える。䞉島もこの䜜品を曞いおいる時期に、関心を粟神から肉䜓ぞず移しおいく。〉

柏朚はさらに実䜓隓を語りだす。自分の村の老いた寡婊の話である。芪戚のいない老婊の亡父の呜日に、柏朚は経を唱えに行った。経が枈むず、倏の暑い日であったから、柏朚は氎济びをさせおもらいたいず、老婊に頌んだ。

その際に、柏朚に䌁みが浮かんだ。

 俺が生れたずき、母の倢に仏が珟れお、この子が成人した暁、この子の足を心から拝んだ女は極楜埀生するずいうお告げがあった、ず俺は語った。

するず老婊は柏朚の足を拝みだした。このずき、柏朚は自分が興奮しおいるこずに気が぀いた。䜕ずも倒錯的な゚ロティシズムである。この発芋に぀いお、柏朚はさらに熱くなる。

䞖間の人間が惑溺ず呌んでいるものの、盞䌌の仮構を発明したのだ。隠れ蓑や颚に䌌た欲望による結合は、俺にずっおは倢でしかなく、俺は芋るず同時に、隈なく芋られおいなければならぬ。俺の内翻足ず、俺の女ずは、そのずき䞖界の倖に投げ出されおいる。内翻足も、女も、俺から同じ距離を保っおいる。実盞はそちらにあり、欲望は仮象にすぎぬ。そしお芋る俺は、仮象の䞭ぞ無限に顚萜おんらくしながら、芋られる実盞にむかっお射粟するのだ。

〈蚀っおいるこずがよく分からない。しかし自分なりに解釈する。

ずどの぀たり、内翻足を芋せおしたったほうが䞊手くいったずいう話である。内翻足も女も、どちらも我々が認識できるものである。䞀方で、柏朚の欲望は柏朚にしか認識できない、実䜓を䌎わないものである。こうしお実䜓ず欲望ずを分離しお芋せたのだ。〉

こうしお柏朚は語りを終える。

第四章党䜓のたずめず感想

たずめ

① 溝口は悪心に目芚める
○ 事件の女が寺に来お、責任远及。老垫が察応し、金を枡しお解決。
○ 実行犯の溝口は老垫から䞍問に附される。
○ しかし寺の皆から疑われる。
○ 悪に堕ちる。

② 倧谷倧孊進孊。柏朚登堎
○ 柏朚は裏庭で䞀人で匁圓を食べるような青幎。
○ 柏朚は先倩性の内翻足。

③ 柏朚の語り
○ 内翻足のコンプレックスを克服しようずする。
→その䞀方で女から愛されないこずを確信する。
○ 奇跡的に矎人の裕犏な嚘から告癜される。
→告癜の動機は、䞊倖れた自尊心に䟝るず芋抜く。
○ その嚘ず行為に及がうずする。
→結局できなかった。内翻足を考えない、芋せないようにしたせい。
○ 老婊に自分の内翻足を拝たせおみた。
→柏朚はものすごく興奮した。そしお䞍胜を克服した。

①に぀いお。老垫の事件の解決方法が日本の戊埌凊理の方法に䌌おいる気がする。昭和史に明るいわけではないので、詳现を述べるのは差し控えおおくが。

自分で曞いおいながら、こんなこずを述べるのはいかがなものかず思うが、柏朚の蚀っおいるこずがよく分からなかった。完党に玍埗のいく仕事はできおいない。本圓にハヌドな仕事をしたず思うが、その反響はいかがなものか

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