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コロナ時代を生きぬくための聖書のことば

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コロナ時代を生きぬくための聖書のことば(20)~守護の天使に守られて

コロナ時代を生きぬくための聖書のことば(20)~守護の天使に守られて

神様が天使を送ってライオンの口を閉ざしてくださいましたので、わたしはなんの危害も受けませんでした。
                         ダニエル書6章23節

聖書のところどころに天使(御使い)が登場します。
私たちは、三大天使といわれる聖ミカエル、聖ガブリエル、聖ラファエルのことはどこかで聞いたことがあるでしょうが、守護の天使についてはあまりピンとこないのではないでしょうか。
 

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コロナ時代を生きぬくための聖書のことば(19)~幸いなのは神の懲らしめを受ける人

コロナ時代を生きぬくための聖書のことば(19)~幸いなのは神の懲らしめを受ける人

主よ、あなたは罪に陥る者を少しずつ懲らしめ、
罪のきっかけを思い出させて人を諭される。
悪を捨ててあなたを信じるようになるために。
知恵の書12章2節

このみ言葉は、ある日の教会のミサで聞いた第1朗読の箇所でした。
ここでは罪の問題が取り上げられておりますが、その中の

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コロナ時代を生きぬくための聖書のことば(18)~悲しみからの再生

コロナ時代を生きぬくための聖書のことば(18)~悲しみからの再生

 喪の調べをわたしの竪琴は奏で
 悲しみの歌をわたしの笛は歌う
            ヨブ記30章31節

ある日、予期していなかった悲劇が突如として襲い、それによって、その人の人生が一変してしまうということがあるものです。
その結果、ヨブのように絶望と悲しみのどん底に沈み、一人しずかに「悲しみの歌」を歌わざるを得なくなります。
 
入江杏さんという方が、まさにその一人でした。
入江さんは、あの

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コロナ時代を生きぬくための聖書のことば(17)~人は目に映ることを見るが、主は心によって見る

コロナ時代を生きぬくための聖書のことば(17)~人は目に映ることを見るが、主は心によって見る

主はサムエルに言われた。「容姿や背の高さに目を向けるな。わたしは彼を退ける。人間が見えるようには見ない。人は目に映ることを見るが、主は心によって見る
                   サムエル記上16章7節

もうだいぶ前のことになりますが、1980年代末のバブル景気全盛期にうら若き女性の主流層が結婚相手の条件として「三高」を求めたという経緯があります。この言葉が一時流行語となりました。「三高

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コロナ時代を生きぬくための聖書のことば(16)~わたしはあなたの名を呼ぶ

コロナ時代を生きぬくための聖書のことば(16)~わたしはあなたの名を呼ぶ

恐れるな、わたしはあなたを贖う。
あなたはわたしのもの。
わたしはあなたの名を呼ぶ。
           イザヤ書43章1節

振り返ってみると、私は小・中学校を通して担任教師から出欠を取られる以外は、ほとんど私の名前を呼ばれた記憶がありません。それは私自身が目立たないおとなしい性格だったからかもしれませんが、もしも教師から一言でもやさしい声掛けがあったら、どんなにか慰められ生きる勇気が湧いたこ

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コロナ時代を生きぬくための聖書のことば(15)~低きにくだる神

コロナ時代を生きぬくための聖書のことば(15)~低きにくだる神

 主は御座を高く置き
 なお、低きに下って天と地を御覧になる。
                 113編5~6節

これまでさっと読み飛ばしていたのですが、ごく最近、この聖句に出合って目からうろこの思いをしています。

ここでは天の高い御座にどっしりと腰を下ろして地球上の一人ひとりを見守っておられる神さまの存在というにとどまらず、「低きに下って」天と地を御覧になる神さまの姿に初めて気がついたから

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コロナ時代を生きぬくための聖書のことば(14)~待ち伏せする神

コロナ時代を生きぬくための聖書のことば(14)~待ち伏せする神

サウロが旅をしてダマスコに近づいたとき、突然、天からの光が彼の周りを照らした。サウロは地に倒れ、「サウル、サウル、なぜ、わたしを迫害するのか」と呼びかける声を聞いた。
                      使徒言行録9章3節~4節

フランスの作家フランソワ・モーリャックが書いた作品の中に『イエスの生涯』という名著があります。若い頃手にしたものの、その時は特に心を引かれないまま本棚の奥にしま

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コロナ時代を生きぬくための聖書のことば(13)~天に召された中村哲医師のこと

コロナ時代を生きぬくための聖書のことば(13)~天に召された中村哲医師のこと

🔹平和をつくり出した人

 彼らは剣を打ち直して鋤とし
 槍を打ち直して鎌とする。
          イザヤ書2章4節

これはニューヨークの国連本部の壁に書かれた、よく知られた聖書の個所です。

「彼ら」とは、いったいどのような人を指すのでしょうか?
文字どおり戦争の武器を平和の道具に変えた人たちにほかなりません。そんな人たちが、いったいどこにおられるのでしょうか?
 
アフガニスタンで長ら

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コロナ時代を生きぬくための聖書のことば(14)~争いと平和

コロナ時代を生きぬくための聖書のことば(14)~争いと平和

 一切れのかわいたパンがあって、
 平和であるのは、
 ごちそうと争いに満ちた家にまさる。
            箴言17章1節(新改訳)
 
右の聖句に初めて接したのは、私が神学校で学んでいたときのことです。たまたま経済学の非常勤講師として来られていた早大の酒枝義旗という教授の口から、何度もこの聖句を聞かされたのでした。先生は内村鑑三の影響を受けた無教会主宰者でもあり、私は経済学そのものよりも

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コロナ時代を生きぬくための聖書のことば~連載を始めるにあたって

コロナ時代を生きぬくための聖書のことば~連載を始めるにあたって

はじめに

21世紀に入ってから、時代は大きく動きはじめています。
私たち人類は、第2次世界大戦のあの苦い体験を踏まえて、一途にこれまで平和を模索し希求しつづけてきましたが、しかし現実はその実現の方向とはだいぶかけ離れているようです。
いや、むしろ世界の情勢はますます混迷の度合を深め、多くの人々は、そのような坩堝に巻き込まれて窒息しかかっているように見えます。
これは、ひと言でいえば”黄昏時の時代

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コロナ時代を生きぬくための聖書のことば(12)~機が熟すまで待とう

コロナ時代を生きぬくための聖書のことば(12)~機が熟すまで待とう

 たとえ、遅くなっても、待っておれ。
 それは必ず来る、遅れることはない。
             ハバクク書2章3節

掲げた聖句は、今や世界的なピアニストになっているフジ子・ヘミングさんが、まだその名が知られていなかった60代後半のとき、主から示されたみ言葉です。
彼女は、それまで長い不遇な時代を送ってこられたのでした。

5歳で母親からピアノを習い始めて17歳でソロコンサートデビューを果た

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コロナ時代を生きぬくための聖書のことば(11)~計り知れない神の愛

コロナ時代を生きぬくための聖書のことば(11)~計り知れない神の愛

わたしがあなたを忘れることは決してない。 
見よ、わたしはあなたを   
  わたしの手のひらに刻みつける。 
              イザヤ書49章15節~16節                            
             
静かに語りかけているこの聖句を読むと、だれもが例外なく慰めと勇気をいただけるのではないでしょうか。
実はこの直前に

女が自分の乳飲み子を忘れるで

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コロナ時代を生きぬくための聖書のことば(10)~天の窓を開いて

コロナ時代を生きぬくための聖書のことば(10)~天の窓を開いて

必ず、わたしはあなたたちのために
  天の窓を開き
祝福を限りなく注ぐであろう。
                マラキ書3章10節「天の窓」とは、なんと美しい言葉でしょう。
こんな詩的な言葉に出合いますと、なぜか心がほっとします。
その後に「祝福を限りなく注ぐであろう」という約束の言葉がつづいていますので、「窓」を開いてくださるそのお方は、神さまであることが、すぐに見てとれます。
 
「天の窓」

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コロナ時代を生きぬくための聖書のことば(9)~黙っている言葉の向こうに

コロナ時代を生きぬくための聖書のことば(9)~黙っている言葉の向こうに

言っておくが、人は自分の話したつまらない言葉についてもすべて、裁きの日には責任を問われる。
                    マタイによる福音書12章36節

最後の審判の日には、私たちが生きていたときに話したすべての「つまらない言葉」が裁きの対象となるというのですから、一見、イエスさまの言葉はなんと厳しく響くことでしょうか。
では、実際、その「つまらない言葉」とはどのような言葉を指すのでし

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