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テニス上達メモ116. 「もう」と「まだ」の狭間に「集中」がある


▶「決め打ち」は合理的?


麻雀や碁から派生して、野球でも「決め打ち」という言葉が使われます。
 
相手ピッチャーのボールが「ここに来たらこう打つ」と決めて打つ。
 
あらかじめ決めておいたほうが迷いがなく、バッティング動作も頭の中でシミュレーションできるから、合理的で上手くいくと考えがちです
 
であれば、テニスにも応用できるでしょうか。
 
答えはもちろん否。
 

▶テニスは「見逃し」ができないスポーツ

 
野球のストライクゾーンが、バッターがその場を移動しなくてもバットが届く範囲内に限定されているのに比べて、テニスのストライクゾーンは自コート側のすべての領域。
 
前も後ろも、右も左も、上も下も、バッティングでいう「悪球打ち」ばかり強いられます
 
しかも野球のバッターは「ここに来たらこう打つ」と決めておいて、「ここに来なかったら打たない」見逃しも、ルールの球数内で認められますよね。
 
しかしテニスの見逃しは、1球たりともできません
 
「ここに来なかったら見逃す」のは、明らかに相手ボールがバックアウトする場合。
 
あるいはボールやバウンドをよく見るために、あえてラケットを持たずにボールを「見送る」練習くらいです。
 
「ラケットを持たない練習なんて、練習にならない!」などと決めつけずに、ぜひお試しください。
 
「打つ意識」が外れると、ボールはより鮮明に、ゆっくりにも、感じられるはずですから。
 

▶野球もやっぱり「絶対無二の一球」

 
ストライクゾーンは野球に比べてテニスの場合は、比較すれば広すぎるし、遠いボールだからといって見逃しもできないから、「ここに来たらこう打つ」決め打ちはできないのです。
 
いえ実は野球のバッターでも、決め打ちすると不合理でしょう。
 
ストライクゾーンが限定されているといっても、「絶対無二の一球」である事実は、テニスと違いありません。
 
手元で曲がるカーブ、シュート、スライダー、フォークなど、変化球も多様ですから、球筋のバリエーションに対応する必要があるので「ここに来たらこう打つ」決め打ちをしようとすると、対応力は下がるはずです。
 
また打ち方を頭の中で予行演習するとすれば、それはフォームについて考えるのだから、バッティング動作はぎくしゃくし、遅くなるというのが原理原則考えると遅くなる理由)。
 
「決め打ち」「決めフォーム」するのではなくて、イチローの対応力の高さこそ、テニスでも参考になります。

https://www.youtube.com/watch?v=YSwClQJkNcI

▶「もう」と「まだ」の狭間に「集中」がある

 
あらかじめ決めておいたほうが合理的と考えるかもしれないけれど、まったくの逆で不合理。
 
未来については考えても、誰も絶対に分からないのに、分かろうとするから不安にもなります
 
直接的に関与できるのはは、「今・ここ・この瞬間」だけ
 
そして「今・ここ・この瞬間」について考えることはできず、できるのは感じることだけです。
 
私たちが考えることができるのは、0.1秒前でも0.1秒後でも、必ず過去か未来について。
 
「今・ここ・この瞬間」は、見る、聞く、嗅ぐ、味わう、触れるなど、感じるしかできないし、感覚は、0.1秒前の景色は「もう」見れないし、0.1秒後の音は「まだ」聞けないから、「今」だけ感じることができます
 
そして、これが取りも直さず「集中」です。
 

▶心は「刺激中毒」だから


とはいえ心は刺激中毒ですから、つい未来がどうなるかなどの思考に意識が向いて、考えてしまいがち。
 
そうして「決め打ちしたほうが上手くいく」などという罠にはまります。
 
「ここに来たらこう打つ」と決めて決め打ちしようと考えているとき、「今・ここ・この瞬間」のボールの縫い目も回転も見えない相関です。
 
野球もテニスもゴルフもバドミントンも、決め打ちしようとしない。
 
「今・ここ・この瞬間」を感じるようにします。

即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
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スポーツ教育にはびこる「フォーム指導」のあり方を是正し、「イメージ」と「集中力」を以ってドラマチックな上達を図る情報提供。従来のウェブ版を改め、最新の研究成果を大幅に加筆した「note版アップデートエディション」です 。https://twitter.com/tenniszero