質問017:ナチュラルスピンサーブのコツを教えて?
回答
▶テニスは左右よりも「深さ」
恐らくご質問の意図は、ナチュラルなスピンをかけてサーブの飛距離を、安定させたいのだろうと想像します。
きっと、左右のコントロールは問題ない。
深さのコントロールに不安がある、のではないでしょうか?
グリグリのスピンというよりも、自然にスピンがかかるサーブ習得の手引きをご案内します。
▶ポジションを上げると、入りやすい
サービスライン付近(通常のベースラインからサーブを打つよりもかなり前方のポジション)から、サーブを打った経験はあるでしょうか?
これならサービスボックスに入れることは、きっと難しくないと思います。
では、少しずつ下がって、同じようにサーブを繰り返し打ちます。
デッドゾーン(ベースライン手前)あたりならまだ入れやすいと思うのですけれども、ベースラインに到達した正規の位置でサーブを入れようとすると、きっと入らなくなるのだと思います。
▶さらにポジションを下げると、また入る
ところが、さらに下がってベースラインよりも1~2メートル後方から打つと、また入りやすくなるのですね。
多少強引に打っても、重力と空気抵抗が働いてボールが自然落下するからです。
一見するとサービスボックスから遠ざかるぶん、狙えるエリアが狭く感じられて難しそうと思えるかもしれませんけれども、テニスのコントロールは左右は問題になりにくいので、あとは深さしだい。
ですから狙えるエリアが狭く感じられても案外大丈夫なのです。
むしろポジションを下げればオーバーはしなくなるから、あとはネットミスさえ気をつければ入る、というふうに「ハードルが下がる」傾向です。
そして飛ばす距離が長くなるぶん振り上げるスイングに改まるから、グリグリのスピンをかけようとしなくても、ナチュラルなスピンサーブも現れます。
▶巧妙に図られた「テニスコートの規格」
テニスコートというのは巧妙に作られていて、前方からや後方からなら入れやすいけれど、ベースラインから打つと、ネットの高さやサービスラインまでの距離ともあいまって、ちょうどサーブは入りにくいようにできている(だからテニスは難しい、反面、面白い要素にもなっています)。
その歴史には、かつては砂時計のようにベースラインからネット方向へくびれる形もあったらしいのですが、先人による試行錯誤が重ねられて、今の巧妙なテニスコートの規格に定められるに至ったという話です。
その巧妙な設計ゆえ「どうして広い相手コートに入らないのか?」と不思議に思うプレーヤーも少なくありません。
またボールも、「254cm±0.3cmの高さから強固な平面に落下させた時のバウンドが、135cm以上、147cm以下でなければならない(ボールの下を測る)」と定められています。
弾みのレギュレーションに12センチもバッファがあるのは、案外「いい加減」なようにも思えますけれども、いずれにしても基本的には世界中の何ぴとたりとも、この規格、基準に基づいてプレーします。
※基本的には、と但し書きするのは、ジュニアの試合・練習などでは、弾みの緩やかな「PLAY+STAY」のボールが使われたりする例外があるからです)。このボールは大人が使ってもテニスの上達に大変役立ちます。
老婆心ながら、ですから使い古して内圧の下がったいわゆる「ペコ球」を使い回すのは、現実に対するイメージのズレを生むので避けていただきたいのです。
▶「ドの音」だけ聞いても音程(音の距離感)は分からない
では、「いちばん微妙な距離感」のベースラインから打って、サービスボックスへコントロールするにはどうすればいいかというと、今やった簡単な、「前方」や「後方」からサーブを打ってみることです。
これは、「ドの音」の高さを知るには、「ド」だけを聞いていたのでは分からず、それよりも低い「シ」や、それよりも高い「レ」を聞くことで、「ド」の音程が自然と分かるようなものです。
ところが多くのプレーヤーが、「ド」の音だけを聞いて「ド」の高さを知ろうとしているようなもので、ベースラインからしかサーブを練習しないから、距離の感覚がつかめずにいます。
▶距離感をつかむには「基準」があると便利
距離というのはつまるところ「間隔」です。
地球と太陽の距離というのは、地球と太陽の間隔です。
地球だけでは、距離感は測れません。
その間に水星や金星があると、あるいは火星まで太陽から遠ざかると、それぞれの星々が基準となるから全体の距離感をつかみやすくなるイメージです。
距離感をつかむには、いろんな深さのポジションから打つ経験をして、「間隔の感覚」を身につければいいのです。
▶新たな経験により「イメージが書き換わる」
急がば回れ。
「効率を求めると非効率になる」という原則が働いていて、「どうせ試合ではベースラインからしか打たないのだから、その練習だけやるのが効率的だ」と判断してしまうと、逆に上達は遅れます。
一見すると無駄な練習のようですが、メチャクチャなところからも打ってみたら、それを新たなイメージの書き換えに利用できます。
遊び感覚で楽しむ練習が結構役立つのは、こういう理由によります。
▶無駄や失敗に「宝」がある
一般的な印象に反して、「非効率」や「無駄」や「損」や「失敗」にこそ、上達や成功や幸せのための「宝」があったりします。
「これは無駄だった」と分かるから繰り返さなくなるのが経験です。
小脳が運動に関する配線をネットワークする「あみだくじ理論」と同じです。
また発明王トーマス・エジソンのように「これは失敗だ」と決めつけなければ、「成功に近づく新たな発見」があった挑戦です。
ゆえにこの世に「無駄」や「失敗」はなく、あるのは「宝」だけだと悟ります。
即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
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