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恥の多い人生を送ってきました。そのまま生き恥さらす事を心がけて書いています。

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最近の記事

太宰治『十二月八日』を読んで

掌編小説といってもいいくらいの分量しかないけど、 改めて読んでみてびっくりした。 太宰の妻の視点を奪取して、妻から見た自分、そして太平洋戦争開戦日であるその日の日本を描写しているのだが、まず最初に「この日記が”紀元二千七百年に見つかった時”によく思われるようなものとして」という話が出てくるのである。ある意味まだ今の時点でも皇紀2682年である事を考えても、その着想と、今日に通じる先取性を感じる。 そして、切り抜いた画像の部分である。 この小説において、作者である太宰は「ダメ

    • やっている感 と 実効性

      やっている感 大事なのはそれである。 それが本当に効果があるかどうかは実は関係ない。 でも、それをやっていると「効果がありそう」と思われる事はすごく大事。 コロナ禍になってから、手洗いが”励行”されるようにはなった。 でも、手を乾かすためのツールとして、それなりに普及していた「エアータオル」「温風乾燥機」が「ウィルス拡散防止のため」と称して休止したり撤去されるようになった。代わりにペーパータオルが無造作に置かれている事もあるが、それ以前として代替手段がない所も多い。 さて、

      • 『社会学的想像力』に手を付けてみた

        読書サークル「三つ星スラム」における8月の課題図書である。 先月の課題 "Catcher in the Rye" と三島由紀夫は、今まで何となく論説文が多かったスラムの課題から一気に文学になって、おお、これはという感じを受けたのだけど、今月は一転して、ずいぶんとかたい方に振れた感がする。 まあともかく、買ってみて、ページをめくってみる。 書かれた年は1959年である。第二次世界大戦が終わって15年になろうという頃。United NationsがAxis Powersを打ち

        • 『流浪の月』観てきた

          最初はまさか?甲府で撮った?と思った。山が随分近い。 でも、逆に近すぎるから、そうではないなぁと思い直し、いろいろ考えるとこれは松本だなぁという結論に。(エンドロールに松本のフィルムコミッションは出てきた)ただ、彼氏(りょうくん)の実家に来た時の言葉は聞き覚えのある山梨弁だったから、実家は山梨の葡萄農家だったのだろう。(勝沼町もエンドロールに出てきていた) 過去と現在を行きつ戻りつしながら、ある意味じれったい感じの話が続く。正直「長いなぁ」と思いながら観ていたところはある。

        太宰治『十二月八日』を読んで

          Spy & Family に今更ながら

          はまっている。 ストーリーとしては正直穴だらけである。世間に隠匿した政界の大立者というターゲット設定も、最愛の姉が1年前に結婚していたという話やロイド・フォージャーが”妻”と死別して娘を育てていたという話を、国内治安とスパイ摘発を本業とする者が鵜呑みにしているとか、選抜試験なのに在校生をワザとどぶに嵌めて、それを手助けしようとする者が服を汚したら落とすつもりだという判断基準とか、まあよくぞここまで矛盾しかないシチュエーションであるのに、そのあたりに突っ込む者は殆どいない。

          Spy & Family に今更ながら

          身長を気にする心

          ポーカーテーブルで、普段からおしゃべりな女性プレイヤーが「ねぇねぇ聞いて。私ね、この前健康診断に言ったら0.7センチ、身長が伸びたの!」といい出した。 いつものことだなぁと思ったけど、でも結構成長期からほど遠くなったお年頃で身長が伸びたことが分かったことはめでたいねぇという話にはなっていった。 でも、続いて「あのね、身長測るときはなるべく寝起きからすぐに測る方がいいんだよ。起きて活動するとどんどんつぶれるから」「あとね、整体受けると、数センチ変わるみたいね」という話が出てき

          身長を気にする心

          雑にいれたコーヒーがうまい

          何たる事! 全く期待していない豆(しかもデカフェ)をてきとーに挽いて、テキトーにペーパーフィルターで漉し取ったら、エラくうまいものが出来てしまった。 今実は酔っ払っているから、後で素面になってからもう一度淹れてみろと言われても多分再現は出来ない。本当に、ただただ、安い豆を煎ってもらい、それを思い出してカリコリと挽いて、ペーパーフィルターに入れて上から代わり映えのしない温度のお湯でいれただけなのだ。 「うんめーやつ淹れるぞ~~」と気合い入れて淹れて、こんなにうまく出た試し

          雑にいれたコーヒーがうまい

          余は如何にして天婦羅★三杯酢となりし乎

          小学校1年生の時から周りと言葉が通じないと言う思いをしてきた。 どういう議題でかは忘れたけれども、学級会で、ルールを守らない人には“罰”を与えようと言う提案をしたときに、他のクラスのメンバーから、「×とか丸とかどういう風につけるの」という問いを発せられた。こちらも語彙力がなかったのが悪いと言えば悪いが。「なんで君たちは“罰”と言う言葉を知らないのだ⁈」と叫んでしまったような気がする。 言葉と言うのは通じさせなければいけないものである。しかしその頃の幼い私は、それがまるでわ

          余は如何にして天婦羅★三杯酢となりし乎

          「手に職をつけたいんです」

          そう相談者は言った。 【手に職】かつて、あまり学校のオベンキョウにも、人との接し方にも自信が持てない層が、それでも人に小突き回されたりバカにされたりする事がない職業に就きたいと思ったときに出てくる言葉だった。 たとえば、理容師。 たとえば、洋裁。 たとえば、重機オペレータ 技術の習得までは徒弟制の苦しみがあるかも知れないが、一定期間の修行の後、認められ(資格制度など)一丁前の職人になれば、後は店を構えても、誰かに雇われても、その腕だけで喰っていける。 そんな風に考えら

          「手に職をつけたいんです」

          反論になっていない話。

          これに対して こんな話でリプライが飛ぶ。こちらの方がより多くの人に刺さっているようなので、favの数も圧倒的にこちら側である。 しかし、この言、果たして批判になっているのだろうか? これは仮定の話ではあるけど、ここに「遺体の尊厳は絶対である。どんなに合目的合理性があったとしても、遺体を解剖などする事はまかりならぬ」という原理主義者が現れたら、どうであろうか? いかなはなびら先生でも、そこは口ごもるところではあろう。 「いやぁ、ですからっ、ちゃんと”ご遺体”と呼ばせて、

          反論になっていない話。

          遅刻癖の彼氏に悩む女性からの相談

          「付き合って半年の彼氏がいるんですけど、最近遅刻がひどくて、しかも謝ってもくれません。この前も待ち合わせに1時間以上遅れてもごめんがない、どころかなんかむすっとしていて幼稚園児かよ、、と思います。 事情もあるだろうから遅くなってしまうこと自体にはそんなに怒っていないのですが、『ごめんなさい』という一言もないのが悲しいです。 お互いいい大人なので、どんなに言葉を選んでも嫌味っぽくなってしまっていつもなにも言えません。逆ギレは逆効果な気もするし、自分自身で嫌になっちゃいます。なに

          遅刻癖の彼氏に悩む女性からの相談

          降誕節に寄せて

          まあせっかくのクリスマスの朝であるから、こんな話題でも。 確かにクリスマスにサンタがやってきてプレゼントを配る、という事にかこつけて親が子供に贈りものをするというのは、茶番の窮みである。でも、それを茶番として子供にカミングアウトする事は、果たしてどんなものであろうか。 これに対して結構いろんな返答が来ている。大別すると 1.綿々と続くサンタクロース幻想の伝承 2.親としての喜び(↑の伝承に加われること) 3.条件づき愛情(良い子にしてないとプレゼントはないよ) これらが出来

          降誕節に寄せて

          格闘と詩と部屋とワイシャツと私

          ↑こんな事を書いてしまったので、おののきながら今これを書いています。 かねどー氏がやっているものがどういう名前の格闘技であるかは知らないけど、柔道場の畳の上で行われている近接格闘で、基本的にはある種のフォールを取れば良いというものなのだろうなという感じで見ました。 本当に目にも留まらぬ早業で相手を倒しているわけですが、多分倒された瞬間、相手はあっけにとられていたのだろうなというのは分かります。 自然体の相手を、直線的な力で押し倒そうとするのは非常に難しいものです。でも、

          格闘と詩と部屋とワイシャツと私

          挿入だけが男の、たった一つの出来る事だと、この胸に信じて生きてきた

          「は?出来ない?」強気な妻、上半身上だけはだけ、左腕を顔の右にそえてそう言う顔は明らかな不満顔。 「す、すみません……」優男の夫、ベッドの上に両手を付いて今にも土下座をしそうになっている。男として読むと、確かにこの夫の立場に立たされたら同じような事をしてしまいそうではある。その後に続く台詞も、本当に聞いたら身が縮こまり、ペニスどころか睾丸まで身体の中に引っ込んでしまいそうである。 このまんが、ちょっとTLで話題になっていたから読んでみた。 ファッション誌の編集での上司を妻

          挿入だけが男の、たった一つの出来る事だと、この胸に信じて生きてきた

          カフェオレうまく出来たバー

          昨日(9月22日)エデン本店でカフェオレバーをやった。 きっかけは、買ってきた珈琲、ちょっと苦みが勝っていて、もしかしてこれにミルクを入れたら面白い味になるかも、と思い、カフェオレに仕立ててみたら、かなり美味しく出来た事。 これだけ旨いものが出来たのだから、他人に飲ませたらどうだろう?そんな事を思ううちに、やっぱりエデンでイベントにしようと考えた。 本来エデンのばんば店長はこの日を「読書バー」と考えていた22日を無理言って私のイベントにしてもらい、それからはエデンでのオペレー

          カフェオレうまく出来たバー

          信用ということ

          プロ奢ラレヤー氏のノートから派生して考えてみたこと 雑に要約すれば、プロ奢noteの無料部分の内容はざっとこんなことである。 相談者A,Bと話していたら、「CがAちゃんの悪口言っていたよ」と聞かされて、落ち込みすぎて「友情とか信用って何なの?」という本質を、しかも事もあろうにプロ奢ラレヤー氏に尋ねるという、自らドツボにはまってしまう行動をしてしまった。しかしプロ奢の華麗なさばきに、何となく救われた。 何気ないエピソードとも取れるけど、読み返すと彼はあまり他者に傷や重荷を負

          信用ということ