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身長を気にする心

ポーカーテーブルで、普段からおしゃべりな女性プレイヤーが「ねぇねぇ聞いて。私ね、この前健康診断に言ったら0.7センチ、身長が伸びたの!」といい出した。

いつものことだなぁと思ったけど、でも結構成長期からほど遠くなったお年頃で身長が伸びたことが分かったことはめでたいねぇという話にはなっていった。
でも、続いて「あのね、身長測るときはなるべく寝起きからすぐに測る方がいいんだよ。起きて活動するとどんどんつぶれるから」「あとね、整体受けると、数センチ変わるみたいね」という話が出てきて、おや?と思った。

まさに、身長というのは、そういう事をすると数ミリから、センチ単位変化する。しかし、体重と違って身長はそれ以上の変化はしない。成長期を過ぎてしまえば、むしろ身長が変化するのは、ヘルニアとか骨粗鬆症の疑いさえ出てくる事象である。

それにしても、そうやって本来の自分のその時の身長を知るよりも、「盛ってしまいたい」という欲求が強い人類というのも、確かにいる。

もちろん、身長が恒常的に高い方に変化するのは、色々な意味で好ましい事なのだろう。そういう欲求を持つ事自体は非難は出来ない。

しかし、今自分が客観的にどれだけの身長であるのか。これを知らない事には、例えば適正な家具の配置や流しの高さを調整する事も難しくなるだろう。服を仕立てるとなれば尚更である。なにより、身長というデータを欲しがるのはその人を治療などする医療関係者であろう。そういう人達に、本当の数字が伝わらなかったら、結局損をするのは本人である。

そういうことが分かっていても、ある種の人は、本当の数字、本当の姿を認識したくないのだなぁという事を、うっすら思った日であった。

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