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『サタデー・ナイト・フィーバー』リバイバル上映 見た直後の雑記

MOVIXさいたまでジョン・トラボルタ主演映画『サタデー・ナイト・フィーバー』(4K)を見てきました。

VHSで見てたのでストーリーはだいたい知ってはいたけど、久しぶりにスクリーンで改めて見直すと、ディスコのシーン以上にトニーの家での家族とのやり取りや、トニーとステファニーが昼間に街で会うシーンの方が印象的だった。

ズバリ、この映画、ブルックリンの映画なんだよね。

カトリックの家族が夕食をみんなでスパゲッティを食べる様子、街中でみんなで食べにいこうと言ったらハンバーガーがあるファーストフード店、随所に出てくるブルックリン橋、マンハッタンのアッパーな生活で仕事で有名人と会った話ばかりをするステファニーのブルックリン野郎の見下し目線など。家族の風景や下町感はのちの『グリーンブック』にも通じるんだよね。


それとイタリア白人コミュニティが中心となれば、やっぱり敵視するプエルトリカンが出てくる。こうなると『ウエスト・サイド物語』の影が見えるんだよね。そう考えると、あの各ディスコシーンは『ウエストサイド物語』の血を引くシーンと見えなくない。

それにしても不思議なのが、マンハッタンっ娘のステファニーがなぜわざわざブルックリンのディスコの世界に飛び込んだのかがどうにも腑に落ちない。見下しつつも、どことなく下町の世界観をあれはあれで受けていたのかな、と強引に解釈するしかない。



それとね、これは若干映画のdisになるが、

女性キャラがとにかくブスばかり(笑)。

ディスコの別ラウンジで踊っていたストリッパーと、ステファニーにすっぽかされた時にトニーが代わりに踊った女の子がいくらかマシでね。
下手したら冒頭のシーンにいたエキストラの女の子が可愛かったかも。
しかしながら、こうブス揃いの方がかえって70年代半ばのディスコ、それも下町のブルックリンのディスコとしてはリアリティがあったのかも。

ディスコとは言っても半分は社交ダンスのような感じなのと、たかだかディスコのイベントにスタジオで練習したりするとかどんだけガチなんだよ、というのは昔見た印象の通りで、それ以上に野郎も女も性欲旺盛なあたりが生々しくていいよね。

終盤、ラストのトニーの虚ろさはディスコやクラブイベントに通わなくなった今なら分かる。何もかもが虚しく感じるというあのトニーの表情がまたいいんだよね。


ということで、前に見た時以上にブルックリン風味と切なさいっぱいだった。

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