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INTERVIEW | 生成AI全社研修とコンテンツ制作で意識していること

こんにちは、トヨタコネクティッドAI統括部です。

今回は、AI統括部で活躍しているメンバーにインタビューを行いました。

第2回目のインタビューは、生成AIの全社推進を担当され、リスキリングマネージャー兼コンテンツディレクターとしても活躍する伍井 啓人さんに普段の業務内容や現在実施している生成AI全社研修、そしてAIを活用したクリエイティブについて聞きました。

インタビュー第1回目はこちらをご覧ください。


-自己紹介をお願いします

伍井 啓人さん

普段は、動画制作を初めとして、ホームページ制作やゲーム攻略事業などを手がけています。
その中で、クリエイティブと生成AIと掛け合わせることでスピード感の向上や工数削減、表現力の拡大に取り組んでいます。

現在は、トヨタコネクティッドでリスキリングマネージャー兼コンテンツディレクターを務めています。

リスキリングチームについてはこちらをご覧ください。


-伍井さんの業務を教えてください

大きく2つの軸で業務を行っています。

1つ目は、生成AI研修の作成および動画化です。
現在、トヨタコネクティッドでは生成AI全社研修を実施しており、研修の流れやスクリプトの作成、そして動画化までを担当しています。

2つ目は、AIを使用したクリエイティブ業務です。
生成AIを使う事で訴求内容のインパクトを強化する情報発信を行っています。
AIアバターやAIによるナレーション、既存クリエイティブの生成AIによる置き換え実証実験など多岐にわたります。


-研修を作成する上で意識していることはありますか?

オンラインで実施している生成AI全社研修

研修作成において意識しているのは、複雑な情報を分かりやすく伝え、相手の行動を変えることです。

これまで数々の解説動画を制作してきた経験を活かし、コア層はもちろんAIに触れたことがない層にも情報が浸透するように、1000名以上を対象とする生成AI全社研修では誰も取りこぼさない意気込みで制作を担当しています。

具体的には、LLMのアーキテクチャなど複雑な情報を、図解とアニメーションで視覚化し、直感的にAIの本質を知ってもらいながら、実際の業務にどう活用できるかを示すことに注力しています。


-研修を作成する上で課題や難しいことはありますか?

完全オンラインでの研修に難しさを感じます。

生成AIに対してネガティブな印象を持っていたり、変化を好まない、研修を受けたくない方がいるのも当然です。

その具体的な理由はひとによってさまざまなはずです。
だからこそひとりひとりに寄り添う必要がある...のですが、現状完全オンラインでのタッチポイントがほとんどであるため、なかなかリアルな温度感が肌で感じられていないのがちょっともどかしいです。

まずは小さいところから、という部分で6月からオフラインでAIについて話をできるミニワークショップを隔週で企画し、リアルなタッチポイントを作り始めています。

実際に現地で話をさせていただくと、やはり面着でしか聞けない悩みやリアルな相談、ユースケースが生まれたり、重要性をより強く感じているところです。

勉強会や座談会の様子はこちら。


-AIを使用したクリエイティブを具体的に教えてください

最近だと大きく2つのクリエティブにAIを活用しました。

1. AIアバター

伊藤常務のAIアバター

4月の全社説明会では、AI統括部の発足に際し、AIアバターや説明資料内に生成AIによるクリエイティブを使用することで、「AIによる変化・進化」という訴求内容をよりインパクトのある形で伝えることを目指しました。

他にもAIアバターは、5月に開催した最新のAIを活用した社内イベント「TC Bar」でも活用しております。

TC Barについてはこちらをご覧ください。

2. 映像資料
全社説明会で役員が使用した映像素材にも生成AIを使用しました。
汎用的な素材を使用することもできましたが、AIを活用することでより直接的に訴求を強化することができたと思います。

他にも、「既存のクリエイティブをどの程度、現状の生成AIで置き換えることが可能なのか」といった実証実験も行ったりしています。


-AIを活用したコンテンツを作成する上で気をつけていることや意識していることはありますか?

トヨタコネクティッド内でAIコンテンツを作成する際や、私が日頃から意識していることは、生成AIはあくまで「手段を大きく広げてくれるツール」であるということです。

特に、AIの使用自体が目的化してしまわないよう注意を払っています。

コンテンツを作成する際には、明確な目的があると思います。
その目的がAIの活用によってより確実に達成されること、つまりAIを使用しない場合と比較して、受け手側にとっての価値が大きくなることが重要だと考えています。


-AIを活用することでクリエイティブの作業時間に変化はありましたか?

正直、現時点では、魔法のような、AI活用=質が高く+速くコンテンツが安定して出力できるというインパクトはそれほどないです。
むしろ、場合によっては従来の方法より時間がかかることもあります。

しかし、AIを活用することで、スピード感以外の課題を解決できる側面もあります。

例えば、先ほど紹介したAIアバターが良い例です。
通常、社長や役員は多忙で動画を撮る時間はありません。
仮に時間を確保して動画を撮影しても、リテイクが発生すればさらに時間を要します。

AIを活用することで、クライアント(依頼者)に依存せずに、こちらでよしなにコンテンツを作成し、提供することが出来ます。
クライアントの工数を必要としないコンテンツ制作は生成AIでしか実現できない強みのひとつだと感じています。

今回作成したAIアバターは、過去の音声データを使用してナレーションを行っています。

このように、従来なら実現不可能だったことが可能になり、選択肢が増えることがAIの良さだと思います。

現時点では制作スピードの大幅な向上が見られるケースは少ないですが、生成AIを日常的に使い続けることで、生成AI自体の凄まじい進化・アップデートにあわせて、常に自身のクリエイティブを進化させ続けることができると考えています。


-最後に今後の意気込みを教えてください

結果が全てだと思うので、出来る全てを実行していきます。

来年の3月に生成AI全社研修は一区切りを迎え、研修の結果が分かります。
その時に多くの社員が当たり前のように生成AIを業務で利活用できる状態を目指しています。

目の前のやるべき事だけではなく、「何が足りていないのか」その+αを常に探り、攻めの姿勢でやり切ることを続けていきます。


まとめ

インタビュアーからのひとこと

普段私は、伍井 啓人さんと同じリスキリングチームで仕事をしています。
今回、伍井さんにインタビューさせていただき、特に印象的だったのは、徹底的に相手目線に立って準備をしていることです。これは、まさにトヨタコネクティッドの企業理念である「限りなくカスタマーインへの挑戦」を体現していました!
研修動画を作成する際も、どんな言葉を使えば相手が理解しやすく、興味を持ってもらえるのかを考え、実践しているからこそ、わかりやすい動画が完成するのだと改めて認識しました。
また、AIを活用したクリエイティブの裏側や意識していることについてお伺いでき、私自身も勉強になりました!

トヨタコネクティッドの企業理念はこちらをご覧ください。

今後も定期的にAI統括部で活躍するメンバーにインタビューを行っていきます。
インタビューでは、どのようなプロジェクトを行っているのか、成功事例や失敗談など現場のリアルを公開できる範囲で共有していきます。

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