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日本の “食” の未来

column vol.972

焼き芋大学イモに、おしゃれなカフェのさつまいもスイーツなどなど…

現在「さつまいも」ブームの世の中ですが

実はこれは日本政府を始め、各業界のエリートたちが仕掛けていることなのではないか?

と語る記事に出会いました。

それは、ITmediaビジネスONLINE【なぜ「さつまいもブーム」が起きているのか 背景に“エリートの皮算用”】です。

〈ITmediaビジネスONLINE / 2023年3月22日〉

ものすごくざっくり要約すると、日本は食糧自給率が低く、海外に頼っているので、今回のウクライナ情勢のような状況が起こると心許なくなってしまう

今後、世界的な人口爆発による食糧難も予想されることから、さつまいもの生産量を増やすためにブームを仕掛けているという話です。

信じるか信じないかは、一度、上記記事を読んでいただければと思うのですが、今日はさつまいもが持つ可能性にフォーカスしながら話を進めつつ

さらに食糧自給率アップにつながるようなトピックスを2つほど併せてご紹介したいと思います。

まずは日本を取り巻く状況から整理させていただきます。

食糧が海外から得られない場合の食事

日本のカロリーベースの食料自給率は、37%(20年)。

先進国で最低水準となっております。

ちなみに、穀物自給率でみても28%(18年度)で、172の国・地域128番目

OECD加盟38ヵ国中、32番目となっています…

農林水産省食料の安定供給と不測時の食料安全保障についてという資料では、食糧が海外からストップした場合が想定されているのですが、

国内生産のみで2135kcalを供給する場合の食事メニュー例がこちらです。

●朝食…ご飯(茶碗一杯)、焼き芋2本、糠漬け
●昼食…焼き芋2本、ふかし芋1個、果物
●夕食…ご飯(茶碗一杯)、粉吹き芋1皿、焼き魚1切

ほほぉ…、なかなか質素でお芋が3食登場しますね…

ITmediaビジネスONLINEの記事では、だからこそさつまいもの生産量を高めつつ、日本のエリートたちが

さつまいもはオシャレな食べ物であって、主食からオヤツまで何でもいける万能食くらいに認識を変えようとブームを仕掛けている

という結論に至っているのです…(汗)

…まぁまぁ…、その話は置いておいて、とりあえずさつまいもの持つ可能性に触れていきたいと思います…!

さつまいもの持つ可能性

まず、さつまいもブームが起こることによってメリットがあるのはお米農家の皆さんのようです。

〈新潟日報デジタル+ / 2023年1月23日〉

茨城県の有名な「干し芋」稲作と作業時期が被らないので、コメ農家にすれば冬場の「副業」としてはもってこいとのこと。

実際、農林水産省が2023年2月に公表した調査結果によれば、22年のさつまいもの生産量前年比6%増71万700トンで、何と6年ぶりに前年を上回ったそうです。

結果を見れば、近年のブームが、さつまいもの生産力アップに結びついている。

また、日本の一次エネルギー自給率12.1%(19年度)でOECD加盟の36ヵ国35位とこちらも問題です…

そこにも、さつまいもがエネルギー問題の一助になろうとしているのです。

なぜなら、さつまいもからバイオガスを産み出すことができるからです。

芋焼酎「黒霧島」で知られる霧島酒造でも、06年に鹿島建設との共同研究により、焼酎粕芋くずなどさつまいも由来の副産物からバイオガスを発生させる「焼酎粕リサイクルプラント」を本社工場に建設。

14年からはそのバイオガスを用いた発電事業「さつまいも発電」をスタートしているのです。

今後はさらにそれを拡大して、さつまいもをエネルギーに変換して100%循環させるという壮大な構想を掲げているそうですよ…(驚)

また、近畿大学生物理工学部教授の鈴木高広さんは、さつまいもを発酵させて、メタンガスを発生させる、そんな手法を用いた発電方法を研究しているとのこと。

ということで、さつまいものは食糧不足・エネルギー不足の両方で力になろうとしているのです。

「365日野草生活」に思う “食の光明”

そして残りの2つのトピックスについてです。

1つ目は「365日野草生活」を送る野草愛好家・のんさんのインタビュー記事です。

〈文春オンライン / 2023年2月12日〉

基本的には「365日食べている」というよりも「観察」することに主眼があるそうです。

しかし、やはり野草を知ることにより、そして食糧に取り入れることにより、野菜をあまり買わなくなったそうです。

時には旦那さんから「キャベツも食べさせてくれ!!」とリクエストがくるそうですが(笑)

この記事を読んでいると、最近書いた「フィンランドで森を守る女性起業家たち」の話を思い出しました。

には都市では希少で高価とされているスーパーフードが当たり前に存在している。

一方で、毒を持つ野草も自然には多く存在していますし、アレルギーや寄生虫などのリスクもあります。

でも、こうした野草の知識をもしも子どもの頃から学んでいたらと思うと、結構サバイバル能力が高まるなと思いました。

また、自然を大切にするような意識も芽生えますし、自然に触れ合う機会も増えるでしょう。

のんさんは、20代の会社員時代ストレスフルな生活をしていたせいか、白髪や脱毛に悩んでいたそうですが、土に触れるようになってから、すっかり解決したそうです。

土には心を癒す力がある。

農業だとハードルが高いと思う方も多いでしょうが、野草生活ならもっと気軽にできるような気がします。

野草生活について、ちょっと深く知りたくなるような記事でした。

そして、“土”といえば、あるユニークな取り組みがスタートしました。

そばの国内生産を救う一手

それは、そばの国内生産についてです。

そばの国内生産を後押しするため栽培に適した場所かどうかを調べて、電子地図で紹介する取り組みが始まっているのです。

〈NHK / 2023年3月7日〉

日本は、そばの原料となるそばの実のおよそ70%海外から調達していますが、中国などからの輸入価格が高騰し、国内の消費者向けの商品価格を押し上げています。

中国などでの生産量の減少に加えウクライナ情勢の影響もあって価格が高騰している。

そうした背景から、国の研究機関の「農研機構」がこの電子地図を産み出したのです。

この電子地図は、地形や水はけの良さといったデータを解析して、水に弱いとされるそばの収穫量を推定し、500メートル四方のエリアごとに作成しています。

●そばの栽培がしやすい場所
●水分対策をすれば栽培が可能な場所
●栽培が難しい場所

の3つに分けて、それぞれ異なる色で表示しています。

農研機構は、先月からそばの生産が盛んな秋田県で取り組みを始め、その後、全国の生産地の地図を完成させたいとしています。

農研機構の島武男上級研究員

農家が栽培計画を立てる時に役立てばうれしい。今後は、データ解析を自動化するなどして、地図の情報を充実させたい

と話しています。

私はそばが大好きなだけに、この取り組みが気軽にそばを食べる日常を守り続けてもらえたらと思っています〜

そして、“土”といえばという話には、まだまだ続きがあります。

何と日本の土に大きな可能性があると言うのです。

その話はまた明日。

次回の記事で、その全貌を明らかにしたいと思います。

そちらもぜひご覧くださいませ😊

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