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「パーソナライズ」で感動体験へ

column vol.1174

KPMGコンサルティングは、「生活者に支持される顧客体験に関する調査2023-2024」を発表。

〈Web担当者Forum / 2024年3月28日〉

同社では、顧客を感動体験に導く要素として

(1)パーソナライズ
(2)親密性
(3)利便性
(4)誠実性
(5)期待の充足
(6)問題解決力

6つを挙げており、その重要度を評価

スコアをまとめました。

それが次の通りです。


3年連続で「パーソナライズ」が1位

KPMGコンサルティング / Six Pillars:優れた顧客体験を構成する6つの要素と重要
KPMGコンサルティング / CEEスコアにおける各要素の重要度

6つの要素の中で最も重要度が高かったのは「パーソナライズ(21.2%)」

3年連続の1位となりました。

「親密性」3位にランクインしたのですが、評価はほぼ横ばいとなっており、「期待の充足」については重要度が低下する結果になっています。

ちなみに、セクター別に見ると、「娯楽・レジャー業界」が前年に引き続き最も高い顧客体験評価を獲得

2位には今年新たに追加された「自動車業界」が、3位には「小売(食品以外)」が続きました。

「あなただけ」

というパーソナライズへのニーズの高さは年々強く感じています。

そして、こうしたニーズを叶えられるテクノロジーの目まぐるしい進歩も同時に見られています。

その中でも、やはり主役はAIなのです。

AIにより「パーソナライズ」が加速

例えば、旅行業界でいえば、「Expedia」「Hotels.com」「Vrbo」「Trivago」などを傘下に持つ世界最大級のオンライン旅行代理店「Expedia Group」では

昨年いち早くChatGPTを統合し、Expediaのモバイルアプリ対話型の旅行プランニング機能を実装。

また、Hotels.comにおいてAIを活用したスマートショッピング機能ホテル探しの負荷を軽減するなど、旅行体験向上のためのテクノロジー投資に積極的です。

〈ITmediaマーケティング / 2024年2月24日〉※会員登録記事

同社で行っているパーソナライズサービスは、このような感じです。

(1)ダイナミック旅行ガイド
…都市によって旅行に最適な時期近隣の目的地アクティビティの情報を提案。アイデア収集から実際の旅行の実現までをサポート。
(2)トリッププランナー
旅程の作成、旅行計画の立案、友人や家族とのアイデア共有が可能に。
(3)プライストラッカー
航空券の価格変動プッシュ通知し、旅行者が適切だと思うタイミングで予約が可能。
(4)スマートショッピング(宿泊施設比較ツール)
オプションを一覧で比較可能価格、評価、アメニティ、VIP+ Access施設のステータスなどを比較できる。

以前のような一元的な物見遊山型の旅行は影を潜め、顧客ニーズはよりニッチに向かい多様化しております。

そうした時流を素早く、AIを活用して先手を打っているExpedia Groupに、今後ますます注目が集まりそうです。

快眠市場を席巻?「あなただけの枕」

旅行といえば、旅先に枕を持っていく方が増えているなど、枕へのこだわりが世の中的に強まっています。

そんな中、オンライン診断により、AI70万通りの中から最適な枕をパーソナライズして提案するサービス・商品があるのはご存知でしょうか?

〈FINDERS / 2024年3月26日〉

その名は「THE PILLOW」

枕を始めとする寝具・睡眠グッズの企画開発、販売を行っているまくら株式会社が提供しています。

タイプは

●通常購入(27,500円)
●月額1,480円のサブスクサービス

の2つあり、まずは本当に自分にピッタリなのかどうかを試すためにサブスクから始める方が多いそうです。

サブスクというと、一般的には最低利用期間解約制限などが設けられていますが、同社ではそうしたものを撤廃

その理由を「AIによる最適な枕の提案の精度が向上したため」と話しており、自信を覗かせております。

さらに、万が一、「合わない」という声に対しても、微調整メンテナンスなどのサポートも行うことで、信頼と安心を提供しているとのこと。

それで、ピッタリのものを見つけた暁には、購入金額である27,500円からサブスクで支払った金額差額分を払えば、購入することもできるのです。

さらに、今後はオンラインでの 「寝ごこち定期診断」 をリリースする予定。

これはユーザーが寝心地や使用感の質問に回答することで、AIが眠りの評価やアドバイスを自動的に行ってくれるそうです。

70万通りから枕を選べて、さらに合わなければ微調整やメンテナンスを加えてくれる。

これなら、快眠生活が期待できそうですね😊

「AIコンビニ」が顧客一人一人に対応

私が専門とする小売業でもパーソナライズ化の波は押し寄せています。

その象徴となっている1つが「AIコンビニ」です。

〈Hatena Blog / 2023年11月17日〉

AIコンビニとは、人工知能を用いて、店舗運営や商品管理、顧客サービスなどを連携させ最適化するコンビニエンスストアのことです。

AIを活用することで、顧客のデータを収集・分析し、パーソナライズされたマーケティングと販促を行うことができます。

具体的には、以下のような運用、効果が想定されます。

(1)売上向上
顧客個々のニーズや購買パターンに合わせて、おすすめ商品の紹介やクーポンを提供。
(2)コスト削減
…AIによる予測をもとに、商品の在庫や売れ行きを最適化し、無駄な発注、廃棄などを削減
(3)ブランドイメージ向上
先端技術を用いた革新的なサービスを提供していることで、ブランド力や差別化が強化

パーソナルマーケティングとしての活用がメインですね。

AIコンビニについては、「Lawson Go(ローソン)」「CATCH&GO(NTTデータ×ダイエー)」などでその先端の導入事例が見られますし、ファミリーマートではAIを活用した無人店舗を2025年までに全国1,000店舗で展開する計画を明らかにしています。

〜ということで、私もAIを活用した「パーソナライズ化」については、今まで以上に注視し、情報を集めていきたいと思っています。

また、面白い事例がありましたら、ご報告させていただきますね😊

それでは、また明日。

楽しい土曜日をお過ごしくださいませ!

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