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目を奪われるほどの「顧客視点」

column vol.1051

「顧客視点」でビジネスを考えるということは基本的なことと理解しつつも、簡単にはできないと日々反省する毎日…(汗)

そんな中、これぞお手本と言うべきトピックスが最近いくつか見られましたので、今日はその一部をお届けさせていただきます。

「愛用者の声」で終売を一蹴

まずはユニクロの話題から。

「KIDS コットン前あきクルーネックボディスーツ(半袖)」という子ども向けの肌着があり、もともとは販売終了する予定だったのですが…

お客さんの「やめないで〜!」というTwitterの声に答えて、すぐさま「販売継続決定」の姿勢を見せたのです。

〈産経新聞 / 2023年7月3日〉

こちらの商品はいわゆるロンパースと呼ばれる上下一体型の肌着

サイズ展開が110~160の6型と幅広いことや品質の高さ着脱の容易さもあって、障がい病気ケガのため介助が必要なお子さんを抱える親御さんからも重宝されていたそうです。

ただし、売り上げの点で計画通りになっていないこともあり、ユニクロでは販売中止を検討

発売当初は税抜き990円だったのが徐々に値下げされ、ついには8割引に…

こうした動きに愛用者が敏感に反応をし、「終売に伴う在庫処分では」という危惧がSNSなどで拡がっていったのです。

そして先月19日、ついに事態を大きく動かす1つのツイートがつぶやかれます。

Twitterパワーで廃盤阻止できんかなぁ

一人の女性愛用者が「拡散希望」と発信。

ツイートは瞬く間に広がり、続々と愛用者たちの思い入れたっぷりの投稿が相次いだのです。

そして、ユニクロもすかさず反応し、社内で素早く検討

4日後

ご意見、誠にありがとうございます。お客さまのご要望と応援により、この度販売継続を決定いたしましたことをお知らせいたします

正式表明を見せたのでした。

この高速対応に愛用者たちからは溢れんばかりの称賛の声が😊

それだけではなく、今後販売終了に陥らないためにもユニクロは

今回の件で集まったご意見を参考にさせていただきながら改良点も検討していきたい

素晴らしい心意気を示しております。

さすがはユニクロ、そう思わざるを得ない目の覚める顧客視点でした。

悩みを解決してくれるディスプレイ

続いてはコロナで一躍 “時の企業” となったカインズです。

先月の終わりに、タカシマヤ タイムズスクエア内のハンズ新宿店8階新店がオープンされたですが、この店舗、「私たちが抱える課題を見える化し、解決してくれるお店」ということで話題になっているのです。

〈lifehacker / 2023年7月1日〉

何より秀逸なのがディスプレイ

お客さんの「行動」や「課題の解決方法」一目で分かるようになっているのです。

lifehacker

棚の上に「#浮かせばスッキリ」というハッシュタグ・ワードがあるのは分かりますでしょうか?

他にも

「#浮かせればスッキリ」
「#汚れた手でも開けられる」
「#塗ればだいたいキレイになる」
「#トイレ掃除をあきらめない」
「#冷蔵庫の収納革命」

など、私たちが生活の中で感じている課題を見える化し、「行動」として具体的な商品に落とし込むといったディスプレイ手法が取られています。

つまり、このことによって「こういう時、どうすればいいの?」に対する解が分かりやすいというわけです。

当然、階下にはハンズが入っているのでアイテムが被ることもあるのですが、買いたい商品がはっきりしている状態で行くハンズに対して

カインズ「こういう悩みがあるのだけど、どうしよう…」買うべき商品が分からない状態でもお目当てのものを手に入れることができるのです。

これであれば、とりあえずお店をぷらぷらしていれば、「あっ、そういえばこんなことで悩んでいた!」記憶から失われていた悩みを思い出すこともあるでしょう。

新宿駅から徒歩2分とアクセスも良好ですので、新宿を利用されている方、される予定のある方は、ぜひ同店をぷらぷらしてみてくださいませ😊

“手が濡れない” 優秀傘

最後は季節の話題から。

昨日も関東では夕方雨に見舞われましたが、梅雨明けはもう少し先

傘が手放せない日々が続いておりますが、最近「これは欲しい!」と思う1本を見つけました。

それは、生活雑貨メーカー「マーナ」が手がける「Shupatto アンブレラ」です。

〈TABI LABO / 2023年5月23日〉

こちらは何と傘を畳む際に手が濡れないというもの。

普通は傘を畳んだ後は手でクルクルとまとめててベルトで留めるわけですが、こちらは畳むと中棒を軸に記事が勝手にクルクルと巻き込まれていくのです。

さらに、ベルトを留める必要がなくまとまった状態をキープできるので、手が濡れないというわけです。

非常に画期的!!

開発した方、天才!と思うような逸品ですが、実はこれも顧客の声を活かして生み出したとのこと。

同社で行った調査では、傘を操作する不満点として

●留めヒモでしばると手が濡れる
●留めヒモでしばるのに時間がかかる
●留め具が留めにくい

ワースト3だったそうです。

完成した「Shupatto アンブレラ」は、開閉はスライダーを上下するだけですし、乾かしたい時に中開きの状態で固定できるストッパーも付いている。

イメージがつかない方はぜひこちらの動画をご覧くださいませ。

〈marna / ベルトがない、とじる傘「Shupatto アンブレラ」

…ただ、私の場合は…、傘をほぼ100%どこかに置き忘れてしまう人間なので、今は折り畳み傘しか持たないようにしています…

…というわけで、「私は、忘れない!」という方にはオススメです…😅

いずれにせよ、本日の各事例には顧客視点の熱き想いが溢れていると感じます。

そうした姿勢を見習いつつ、今後の仕事に活かしていきたいと思います!

本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。

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